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 目が覚めた時、下半身に違和感を感じた。
 生温かいその感触に気づいた瞬間、僕はカッと目を見開いた。
「なにをしているっ!?」
 動揺しながらも僕の股間に顔をうずめているヤツに詰問したら、
「え?…先生、気持ち良くないの?」
とピントの合っていない答えが返ってきた。
「そういう問題ではない!今すぐ僕から離れろっ!!」
と怒鳴りつけ両手でわんこの頭を引っつかんで自分の股間から無理矢理どけた。
 そして、ずり下ろされていたパジャマのズボンと下着を急いで引き上げると、手を伸ばして壁の電気のスイッチを押して電気をつけた。
 明るくなってバツの悪そうな顔をしたわんこがベッドの上に座り込んでいるのが見えた。ドールになってからすっかり身についてしまった女の子座りをしている。
 女顔のわんこがピンクのネグリジェを着てそんな風に座っていると、本当に女の子みたいに見えるのだが、僕はこいつが大柄な女の子などではないことを知っている。
 豊胸でつくられたおっぱいがあってもこいつは男だ。一時的に、クラブで『ドール』という特殊な商品として扱われてはいるが、こいつは身も心も基本は普通の男なのである。
 しかし、問題はそこではない。
 男か女か云々以前に商品であるクラブのドールとここの従業員である僕は性的関係になどなってはいけないのだ。クラブの規則によってそう定められているため、さっきのようなわんこの行為は、僕にとっては非常に迷惑極まりないことだった。
 ばれたりなんかしたら僕はクビだ!
「なんであんなことをした?」
と問う自分の声色には隠しきれなかった怒りが滲み出ていた。
 わんこは何かもの言いたげに伏し目がちに僕の様子を窺ってはいるものの、言葉は出てこない。
「ここの規則はわかっているよな?」
と僕がわんこに確認すると、わんこは無言でうなずいた。
「それなら、なんであんなことを…」
 そう言いかけた時、僕の言葉を遮るように、
「薫先生のことが好きだから!」
と言ったわんこの顔を驚いて凝視してしまった。
 冗談を言っているような顔ではない。
 頬が上気してピンク色に染まっている。まっすぐと僕のことをみつめている色素の薄い茶色い瞳は熱に浮かされたように潤んでいる。認めたくはないが、こいつは本当に僕に恋しているようだ。
「好きだからと言って眠っている人間を犯そうとするのは犯罪だぞ?」
とわざと冷たい口調でそう言ってやったら、
「違います!もうじきオレはここを出て行かなきゃいけないから、せめて最後に思い出が欲しかったから…一度でいいから薫先生に抱いてもらえたらと思って…」
「それで、僕の寝込みを襲って勝手にしゃぶったっていうわけか?」
 わんこの答えに苛立ちを感じながらも僕は事実をそのまま口にした。
「だって、そうでもしないと薫先生、オレのことなんか相手にしてくれそうになかったから…でも、どうして勃たないの?オレ、フェラは上手だって客に褒められるのに」
と言うわんこに、
「僕のは…おまえのとは違って勃起はしない。ただの排泄器官に過ぎないからだ」
と僕はやけくそでそう答えてしまった。
 おもわず奥歯を噛みしめてしまったものだからギリリッと嫌な音がした。
「どうして?先生…EDなの?」
 困惑している様子のわんこは遠慮がちにそう訊ねてきた。
 僕は本当は言わずに済ませたかったのに、なぜかその時は感情にまかせて言ってしまった。
「おまえがさっきまでしゃぶっていたのは、ただのしょんべんホースだ。絶対に勃起することのない、生殖器とは言えないシロモノだ!」
「…なんで?」
「僕は…生まれた時は残念ながら男の体じゃなかったんだっ!!」
 その場の勢いでわんこに言いたくなかったことを白状してしまった僕は、眼窩がカッと熱くなり耐え難き恥辱を感じて、こみあげてきた涙がこぼれ落ちそうになっていた。どうしようもならない悔しさやら憤りやらがこみあげくる。
 けれども、わんこの前で泣いたりなど出来るわけもなく、
「シャワー浴びてくる」
と言って僕は浴室へと向かった。
 とにかく、一刻も早く一人になりたかったから……。(続く)




2009年6月5日携帯配信開始!
小説「僕のアニキはサイボーグ」菊池乱

『どこでも読書』(ソフトバンク用入口)から飛べない方は、携帯メニューの電子書籍から「どこでも読書」→「検索」→著者を探す「菊池乱」の順で検索していただければ作品みつかるはずです(^^;
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♂×♂、女装、トランス(TS)、SM、その他アブノーマルプレイ有りだったりします。

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言論と表現の自由を守るため、伝えたいことを正しく伝えていくために、微力ながらも闘う所存にございますので。


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