2017/08:- - 1 2 3 4 56 7 8 9 10 11 1213 14 15 16 17 18 1920 21 22 23 24 25 2627 28 29 30 31 - -

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

 目が覚めたらすぐに左手首の水晶のブレスレットの有無を確認した。
 ちゃんとはまっているのを見て僕は軽い安堵を覚えた。
 秋月様は理由も聞かずに僕が眠っている間に水晶のブレスレットをはめてくれている。
 僕はずっと瑠璃子さんにとり憑かれたままになるのが怖かったけど、このブレスレットさえ身につけていれば瑠璃子さんに憑依されたままにはならない。
 秋月様は毎朝僕が起きる前にどこかへ出かけて行く。
 迎えの車の音で目を覚ます僕は、起きようとしてもだるくてすぐには起き上がれない。
 悪霊の瑠璃子さんは生気は吸い取ってないと言うけど、悪霊に憑依されてノーダメージで済むとは思えない。
 多少は体に負担がかかっているような気がしていた。
 それでも、約束は約束。
 僕は、あれから毎晩、寝所で瑠璃子さんに体を貸し続けている。
 見たくないものを見て、聞きたくない声を聞き、感じたくない感覚を共感させられ、僕は精神的にかなりしんどくなっていた。
 秋月様は見た目の感じでは70過ぎのおじいちゃん。中肉中背だけど肩幅広めで頑健な感じだ。
 秋月様の年代iだと体格いい方なのかな?
 だけど、脱げばやはり老いは隠せない。
 おそらく年のわりには老化してはいない方なんじゃないかと思われるのだけれども、多少皮膚にたるみやしみはある。
 筋肉質な肉体は老人の体には似つかわしくない印象。
 もう亡くなってしまったけど、僕のおじいちゃんの足をさすってあげた時、すね毛がまったくなくなってすべすべしていたのを思い出した。
 まるで女の人の足のようにやわらかな曲線を描いていたふくらはぎ。
 なぜかうらやましかった。
 あの時の僕の足には忌まわしいすね毛が生えていたから。
 秋月様もすね毛皆無な状態だけど、その足はまだ筋肉で筋張った男の足のラインを保っている。
 どうやら年をとると男性ホルモンが減少して、男も体毛が薄くなっていくようだ。
 あんなお年寄りに鞭振るうなんて……見てるだけでもイタイ。
 秋月様は、顔だけ見ると深く皺が刻み込まれたその顔は老けこんでいて、70代後半くらいかと思われるご老人なのだ。
 憂鬱……痛いのは嫌だけど、まだ自分がいたぶられる方がましかも?
 連日、夜は悪霊の瑠璃子さんに憑依され、SMプレイ体感させられている僕は、本音を言うと逃げだしたくなっていた。
 頭がおかしくなりそう!
 間違いなく僕はサディストではない。
 そんなことを考えながら、寝巻きから着物に着替えた僕は廊下に出た。庭の雑草が目につく。
 特に、気高く咲き誇る白いしゃくなげの花が雑草に囲まれてしまっているのが、この前から気になっていた。
 ふと思いついてたすき掛けした僕は縁側から庭におりて草むしりを始めた。
 この花は特別な花。
 白いしゃくなげの花を雑草に埋もれさせておいてはならないという想いは、日に日に募って放っておけなくなっていた。
 朝っぱらから、朝食もとらずに僕が素手で庭の草むしりをしているのに気づいたトメさんは、
「奥様はそのようなことはなさらないで下さい!お庭が気になるなら、庭師を呼んで手入れすることを旦那様にお願いしますので」
とあわてて止めにやって来た。
「あとちょっとやったら……」
と言ってなんとかしゃくなげの周辺だけ草をむしり終えた僕は、なぜかいつもは口うるさい悪霊の瑠璃子さんがちっとも声をかけてはこなかったことに気がついた。
 たぶん近くにはいる。
 瑠璃子さんの気配をすっかり僕は覚え込んでしまっているから、話しかけてこなくても近場にいるかいないかくらいはわかる。
 珍しいこともあるものだと思いながらも手を洗いに行ったら石鹸が手指に出来た傷にしみた。
「いたっ!」
と声をあげてしまったら、
「素手で草むしりなんかするから…馬鹿なコだね」
という瑠璃子さんの声がすぐ耳元で聞こえてきた。
「ありがとう」
 そらみみ?
 微かに消え入るような礼を述べる声が続いて聞こえてきた。
 もしかして照れくさいとか?
 声に出して言ったらご機嫌損ねそうな気がしたから黙っていたけど、瑠璃子さんの気配が庭のしゃくなげの方を気にしているのは伝わってきた。
『どういたしまして』
 僕は声には出さずに心の中でそうつぶやいた。(続く)


☆人気ブログランキング☆
にほんブログ村 長編小説
ぽちっと押していただけると書く励みになります(^^)

関連記事

<< |  BlogTop | PageTop  | >>
ブログランキング参加中

ぽちっと応援お願いします。

出来るだけ多くの人たちに伝えたいことがあります。あなたのワンクリックで何かを変えることも出来るかも? クリックで救える命がある。

FC2アクセスカウンター

Twitter...

https://twitter.com/kikuti_ran/

菊池 乱 Reload

【公式】平成28年熊本地震 応援メッセージグルっぽ > 支援情報

カテゴリー+月別アーカイブ

2016年 04月 【3件】
2016年 01月 【1件】
2015年 12月 【1件】
2015年 10月 【5件】
2014年 07月 【1件】
2013年 03月 【5件】
2012年 04月 【1件】
2011年 11月 【6件】
2011年 07月 【2件】
2011年 05月 【1件】
2011年 03月 【6件】
2011年 02月 【1件】
2011年 01月 【4件】
2010年 12月 【3件】
2010年 11月 【3件】
2010年 10月 【7件】
2010年 09月 【23件】
2010年 08月 【31件】
2010年 07月 【28件】
2010年 06月 【25件】
2010年 05月 【26件】
2010年 04月 【20件】
2010年 03月 【19件】
2010年 02月 【5件】
2010年 01月 【40件】
2009年 12月 【41件】
2009年 11月 【33件】
2009年 10月 【38件】
2009年 09月 【54件】
2009年 08月 【84件】
2009年 07月 【124件】
2009年 06月 【64件】
2009年 05月 【54件】
2009年 04月 【29件】
2009年 03月 【40件】
2009年 02月 【30件】
2009年 01月 【38件】
2008年 12月 【28件】
2008年 11月 【28件】
2008年 10月 【60件】
2008年 09月 【32件】
2008年 08月 【28件】
2008年 07月 【81件】
2008年 06月 【28件】
2008年 05月 【28件】
2008年 04月 【44件】
2008年 03月 【63件】
2008年 02月 【41件】
2008年 01月 【4件】
2007年 12月 【2件】
2007年 11月 【11件】
2007年 10月 【19件】
2007年 09月 【30件】
2007年 08月 【30件】
2007年 07月 【36件】
2007年 06月 【56件】
2007年 05月 【21件】
2007年 04月 【11件】
2007年 03月 【62件】
2007年 02月 【3件】
 

ブログ内検索

カテゴリー

プロフィール

菊池 乱

Author:菊池 乱

菊池 乱の小説ブログへようこそ!

現在電子書籍化準備中の作品もありますが、電子書籍の販売日決定しましたら、ブログやその他の無料サイト内での作品公開はストップします。

有料配信前の作品の無料公開は、あくまでファンサービスですので読んで楽しむだけにしておいて下さいね(^^;

この小説ブログでは、鬼畜、調教、SF、BL・ML・JUNE、女装、トランス、メンタルストーリー、変態の純情(?)や変態ラブストーリーなどを描いていきたく思っております。(注:基本アブノーマルですw)

♂×♂、女装、トランス(TS)、SM、その他アブノーマルプレイ有りだったりします。

基本的にアブノーマルなストーリー展開になるかと思われますので、そういうのが苦手な方とおこちゃまはブラウザーバックして下さい。

ただし、ストーリー性重視しておりますので、アブノーマルでもエロ無しということはございます。実はテーマは大真面目ですし(ニヤリ)

言論と表現の自由を守るため、伝えたいことを正しく伝えていくために、微力ながらも闘う所存にございますので。


【注意事項とリンクについて】
このブログ内の文章やオリジナル画像等の著作権も二次使用権も菊池 乱にあります。

無断転載等はお断り致します。

ブログや携帯小説サイトのURLリンクにつきましてはご自由にどうぞ(^^)

ブロともさんは、お友達、あるいはお友達からご紹介いただいた方のみ申請承認しております。

FC2プロフィール
どこでも読書QR(docomo)

docomo用QRコード

どこでも読書QR(au)

au用QRコード

どこでも読書QR(ソフトバンク)

ソフトバンク用QRコード

QRコード

QR

日本語→英語 自動翻訳
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。