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『鬼畜の戯言』菊池乱☆出版社の倒産により現在電子書籍配信ストップ中

秘密クラブからレンタルされる豊胸女装美少年レンタルドールシリーズ(SF/SM/BL/ML/JUNE/GID/女装/TS/etcな小説)言論と表現の自由を守ろう!不当なネット規制反対!不適切な規制は解除すべきです!!
 

夫が女になった時 ⑥

 とっさにの腕をつかんだ私はそのまま号泣してしまった。
 
 まともにしゃべることも出来なかったけど、

「い、いなくなっちゃ…やだからね」

とは言えたような気がする。

 必死だったからよく覚えていない。

「泣かないで…帰るから。今日はちゃんと晩ご飯の時間には帰るから」

供にするように頭を撫でながら言われたのは覚えている。

 それでも、私はなかなかの左腕をつかんだ手を離せなくて、やっと私が手を離した時には背広の上着の袖が皺になっていた。

「ごめんね」

と言ったのは私じゃなくての方だった。

 連日の寝不足で泣きつかれた私は眠りに落ちていくところだったから。

 ベッドの下へと力無くだらりと下がっていた私の腕を布団の中に入れてくれた手のぬくもりにちょっとだけ安心してそのまま深い眠りに落ちていった。

 目が覚めて時計を見たらお昼近かった。

 寝過した!

 着替えもせずにあわててキッチンへ向かうとテーブルの上には、

『コンビニでパンでも買ってくから、あとでお金ちょうだいね!』

と麻美が残したメッセージが乗っかっていた。 

 炊飯器の中を確認したら、タイマーセットで炊けていたご飯は手付かずだった。

 麻美は朝ごはんも食べて行かなかったのだ。

「ダメなママでごめんね」

 気がついたらそうつぶやいてしまっていた。

 寝坊して娘の朝ごはんもお弁当も作ってあげられなかった自分が情けなかった。

 それでも、今夜はちゃんとが帰って来て親揃った晩ご飯。

 うれしいような怖いような感じがしたけど、私はメールを打って送信した。

『麻美には、パパは出張と言ってあるから不安にさせるようなことは言わないで』

 からは、

『わかった』

と短い返信。

 なにごともなかったかのように、以前と同じようにお互い振る舞えるものだろうか?

「麻美に変に思われないようにしないと」

 のあのことは娘には気づかれたくないと私は思っていた。

 私が受けたショックと似たようなショックは、まだ中二の娘には受けさせたくはなかった。


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 どうやら複数の連載小説書いていたポケクリのサーバー消失したっぽいので、アメブロに小説の下書き残ってないか探したら残っていたのはこれで最後でした。以前書いたものを思い出しながら同じものを書く気力も体力もガン闘病中の今はないので、この題材で別作品としてオムニバス形式の短編小説を書いていこうかと考えています。
夫が女になった時 ①
https://ameblo.jp/kikuti-ran/entry-10149454292.html?frm=theme
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Theme : ジェンダー小説(IS、GID・性同一性障害、女装、男装、他ジェンダー関連全般 * Genre : 小説・文学 * Category : 『夫が女になった時~性同一性障害(MtF-GID)編~』
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