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「天国にいちばん近い部屋~禁断のNEOS~」の続編です。

やっと完結・・・ですが、番外編付きになりそうです(^^;

なお、この小説のオリジナル設定である強者☆さん「傀儡」「監禁」を読んでいただけると、より「ニヤリ」な感じでお楽しみいただけること間違いなし!でございます☆

ありし日のMIOビル?

「東京都青少年健全育成条例改正案情報☆現段階でのまとめ」




16.楽園の蛇~裏切りのNEOS~


 起きぬけにタバコを吸い始めたジャニスは、ぼんやりとソファからさっきまで自分が眠っていたベッドへと目をやった。
 シーツは多少乱れてはいるが、普通に眠っていてもありえないほどの乱れではない。
 そして、今度は目覚めた時、きちんと着ていたパジャマに視線を移して、
「やはり、夢か・・・」
とぽつりとつぶやいた。
 本当に京介に抱かれたのであれば、目覚めた時に身につけているはずがなかったパジャマは、ボタンも寝る前と同じようにきちんと留っていた。 
「本当にあれが、京介さんだったのなら・・・俺は、幽霊に抱かれたということになるんだろうな・・・京介さんは死んだのだから」
 そう言ってしまってから、自分が言った言葉で今更ながらに京介は帰らぬ人となったのだということをジャニスは実感した。
 プラン終了時の京介の様子はおかしかった。
 けれども、まさか京介が(株)MIOのビルの屋上から投身自殺をしてしまうとは思わなかった。
 万が一の時のために、あの死体が京介と判別できる資料を全て消し去ったが、飛び降りの落下地点に残っていた血痕から採取したわずかな血液から、本人確認が出来るところまで自ら検査した結果が出るまでは、あの死体が京介であることを認めたくない自分がいた。
 京介であると断定するためにではなく、京介ではないことを祈ってジャニスは検査を行ったのだったが、検査結果は非情にもあの死体は京介であることを物語っていた。
 そして・・・DNA鑑定であの身元不明の飛び降り死体は京介本人であると確認出来たため、ジャニスは死体の回収は断念した。
 せっかくあの死体が京介と判明する可能性のある書類やデータの消去に成功したというのに、ジャニスが裏で手を回して、京介の死体に別人の身分と偽の身内を用意してあの死体を警察から引き取ろうとしたりすれば、下手を打てばあれが京介であることが露見しかねないからである。
 そんなことになれば・・・捜査の手が伸び一連の事件とつながる可能性があり、京介が死後のことを予見して用意しておいてくれたのであろうと思われる事すべてが水の泡になってしまう。 
 そのような危険を犯してまで京介の遺体回収にこだわるのは愚かなことだは頭ではわかってはいたが、ジャニスは京介の遺体をどうしても手に入れたい衝動に駆られていた。
 遺体がダメならせめて墓を・・・とも思った。身寄りのない天涯孤独の身である京介を弔ってくれる者はないわけで、夢にまで出てきた愛しい京介の弔いくらいは自分がしようと思ったジャニスは、
「遺骨のない墓か・・・」
とためいき混じりにそうつぶやいて、ふと手元に目をやった。タバコの灰が今にも落ちそうになっている。タバコの火を揉み消したジャニスは、灰皿に残っている吸殻を見て目を瞠った。
「これは・・・」
 指先でつまみあげて見たその吸殻は、ジャニスがいつも吸っているセブンスターではなかった。
 生前、京介が吸っていたパーラメントライトだった。
 ポトリと取り落としてしまったパーラメントライトの吸殻から、目を離せずにいたジャニスの体は小刻みに震えていた。
 突然、何かを思い出したかのような顔をして、
「まさか・・・」
とつぶやいたジャニスはバスルームへと駆け込んだ。
 脱衣所で慌ただしくパジャマの上を脱ぐと、洗面台の鏡にはジャニスの露わになった上半身が映し出された。
「う・・そ・・・だろ?」
 ジャニスの白い肩先には、くっきりと赤い痕がついていた。それはまるで人の歯型のように見えた。
 意識を手放す寸前のことであったから、記憶は定かではなかったが、
『ワシは近い将来半分だけ戻ってくるからな・・・まだ、これから始まるプランがある。ジャニス、それをおまえに託しておく。これはその約束の印や』
と言った京介が最後にジャニスの肩に噛みついてきたような気がしていた。が、まさか本当に自分の体に歯型が残っているとは思いもよらなかったジャニスは、昨夜のことはただの夢ではないということを悟って、
「俺は・・・本当に幽霊に抱かれたのか?」
としばし茫然とその場に立ち尽くしてしまった。
「ハハハ・・京介さん、あんた酷い人だな・・・次なんてあるわけがないのに・・・」
 しばらく経って、乾いた笑いと恨みごとがジャニスの口からこぼれ落ちた。
 幽霊にオカマ掘られた上に、体に歯型まで残されてしまった自分が酷く滑稽に感じられたからである。
 京介が生きている間、ジャニスは本当の気持ちを告げることなく現状維持を選んだのに、夢だと思って幽霊の京介には黙って抱かれてしまった。
「京介さん・・・いつから、知っていたのですか?」
 正直な話、ジャニスは、京介がジャニスの気持ちをいつどうやって知ったのかが不思議でたまらなかった。
 それに、ジャニスと同様に男とそのようなことをする趣味はなさげであった京介が、なぜ死んでから部屋までやって来て自分を抱いたのか?という疑問もあった。
「最後の最後まで不思議なお人だ・・京介さん、あなたという人は・・・」
 寝室へと戻りソファに腰を落とし背をもたせかけて天井を仰ぎ見たジャニスは、一瞬京介がニヤリと笑っている顔を見たかのような錯覚を覚えた。実際には見えてはいないのではあるが、脳裏に不意に思い浮かんでしまったのである。
「そういえば・・・顔は見えなかったな」
 幽霊の京介に抱かれている間、こっそり薄目を開けて京介の顔を見ようと試みたのだが、京介の声は聞こえてくるのにどういうわけか京介の姿をジャニスは見ることが出来なかったことを思い出していた。
 起き上がって坐り直してみて、目に入った灰皿の中の吸殻をジャニスはつまみあげて見た。
 セブンスターのタバコの山の中に一本だけ混じっていたパーラメントライトの吸殻は、いつもの京介の吸い癖通りに半ば程まで吸って揉み消してあった。
 ジャニスは、それをおもむろに口元に持っていくと咥えて火をつけ瞼を閉じた。
 そして、
「・・・最後の始末に出かけるとするか」
と小さくつぶやいた。
 その日の夕方、東北のある病院まで出向いた帰り道、
「これが、あなたの言った『戻ってくる』の正体なのですか?京介さん・・・フフフ」
と後にした病院の病棟のあたりを振り向いて見上げながらジャニスは薄笑いを浮かべた。
 実は、今回のプランで精神崩壊し、京介に病院に入れられた女優のてんてん(小川愛美)を始末するつもりで、ジャニスはここまでやって来ていた。
 ところが、予期せぬ出来事に見舞われ予定変更することとなった。
「今まで傀儡が妊娠した例など、一例もなかったというのに・・・これもDESTINYというわけなのか?」
 てんてんの妊娠によって、ジャニスは何かが大きく動き始めているように感じた。
 身籠ることなどないものと思っていた傀儡のてんてんがあの京介の子供を産むのである。
 京介の死後、つまらない日々を過ごしていたジャニスは、ひさしぶりに面白いことになりそうな予感がしてわくわくしてきた。
「なるほど・・・確かに、半分だな」
とうなずいたジャニスは、生まれ変わりなど信じてはいなかった。が、京介のDNAを半分受け継いで生まれてくるであろう確かな存在によって新たな希望を見出した。
 そして、一度はすべて闇に葬ってしまおうと思った『傀儡』の生きたデータをいつかまた新しい始まりの日がやってくるまで保管する必要性を感じた。
 いつか「彼」が戻って来た時のために、いつでも稼働可能な傀儡を用意しておかなければならない。
 地下室の傀儡すべてを始末してしまったジャニスは、
「あれを取り戻す必要性があるな」
とつぶやき電話をかけた。
「・・・その後、経過はいかがですか?『人形』は従順にみだらにあなたの思いのまま踊っているでしょうか?」
『あの『人形』は壊れているのではないかね?昨夜、突然倒れ込んだかと思ったら、何をしてもずっと眠ったままだ。なんとかならんのかね?私はベッドの上で踊らぬ『人形』になど興味はない』
 電話の向こうで客が不満を漏らすのを聞いてジャニスはニヤリと笑った。
「大変申し訳ございません。それでは、今回は特別に代金は全額お返し致しますので、『人形』は返品ということでよろしいでしょうか?お詫びの印にレンタル品ではありますが、珍しい『人形』のレンタルを一晩サービスさせていただきますので」
『うむ・・・そういうことであれば・・・』
 客の承諾を得て、ジャニスは隠語で『人形』と呼んでいるものの回収手配をした。
 東京へ戻るとすぐにHEAVENS Cafeの地下へと向かったジャニスは、Xに回収させた『人形』の様子を見に薬剤室に入った。
 以前の傀儡部屋は始末した傀儡諸共コンクリートで埋め立ててしまったからである。
「傀儡No.015・・・紗江を売りに出すように言ったのも、今後のプランのためだったのですか?京介さん・・・」
 ベッドに横たわっている紗江の姿を見下ろしてジャニスはそうつぶやいた。
 傀儡紗江はまるで死んでいるかのように静かに眠っていた。
 最終プラン終了の数日前、京介の指示で傀儡紗江を裏で『人形』と呼ばれている性奴隷として売り飛ばしていた。
 そのため、紗江は傀儡たちを安楽死させた時には地下にはいなかったし、もう二度とここには戻ることなく、変態客の性奴隷として一生を終えるはずであった。
 しかし、てんてんの妊娠で事情が変わった。
 京介の意図することのためには、この先傀儡は必ず必要になることだろう。
 地下の傀儡はすべて処分した後であったため、佐原が千佳ドラッグの投与を開始し、ジャニスがプログラミングをし、京介が覚醒と統御をおこなった最後の傀儡紗江が必要となり、多少揉めるのを覚悟の上で売り飛ばした客のところから紗江を回収することに決めた。
 ところが、何をしても紗江が眠り続けているため客はすんなり返品に応じた。それすらも、京介の意思が働いているようにジャニスには思えた。
「そうだな、『彼』の成長を待って、二十年はこのまま保存したいところだが・・・ドラッグの製造をストップして、装置の開発製造を急ぐことにするか」
 まだ19やそこらの若い娘である紗江の体の老化を止め、必要となる時までそのまま保管しておくために、ジャニスは傀儡「ちぃ」が死んだ時に京介が望んだことの実現を急ぐことにした。
 ただし、今回は単なる冷凍保存ではなく、紗江を生きたまま冷凍保存し、保存中は不老不死状態にする。なおかつ、目覚めさせたい時に目覚めさせることが可能なコールドスリープのカプセルの開発を急いだジャニスは、京介の投身自殺から数年経ってから買収した(株)MIOの屋上に立つと、
「No.015紗江の完全保管は成功しました。(株)MIOのビルも買収しました。あとは・・・あなたが戻ってくるのを待つばかりですよ、京介さん」
と右の肩先を軽く掴んでそうひとりごとをつぶやいた。
 あの夜、京介に噛みつかれた痕はそのまま消えることなく残り、今もジャニスの肩先には赤く歯型が残っている。 
 しかし、その歯型は京介の歯型とは一致しないことをジャニスは知らない。(Fin)



完結ですが~、ふふふ、あえていやらしい終わらせ方にしておきました(笑)
次回、幽霊の京介の視点からのお話を番外編として書きます。
謎は、そこで解ける・・・かな?

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