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『鬼畜の戯言』菊池乱☆出版社の倒産により現在電子書籍配信ストップ中

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あまのじゃく

 もう、泣きそう……。

「なんで、あんなこと言っちゃったんだろう?」
 
 私の口からは、思っていることとは違う言葉が飛び出てしまう。

 あんなこと言うつもりはなかったのに……といつも後悔する。

 私は可愛げのない女。

 好きな男の子にはついついキツイ言葉を吐いてしまう。

 友達とは普通にしゃべれるのに、好きな男の子としゃべるとなぜか可愛げのない言葉が出てしまう。

 またやらかしてしまった。

 しかも、今回はシャレにならない。

 クラス替えでクラスが別れてしまって悲しかったのに心とは裏腹に、

「井上との腐れ縁もこれでおしまいだね。せいせいするわ」

などと憎まれ口を叩いてしまった。

 おしまいだ……これで井上くんから私に話しかけてくることはもうない。

 中学校三年間同じクラスで高校入ってもまた同じクラスで四年も同じクラスだった。

 ずっと好きだった。

 でも、私の口からは可愛げのない言葉ばかり飛び出た。

 それでも、のほほ~んとしたコだったから、井上くんは気にせず話しかけてきてくれた。

 高二になる時のクラス替えで、ついにクラス別れてしまってもの凄くショックだったのに、なんで私の口はあんなことを言ってしまったのだろう?

 それでも、選択授業や文系・理系・就職組とで編成変わる移動授業では、一緒のクラスになることもあったからずっと見ていた。

 もう、授業なんてどうでもよくて、一緒の教室の時には井上くんばかり見ていた。

 私よりも後ろの席だったりすると見れないから悲しかった。

 だから、目が悪いのにわざと後ろの席希望したりした。

 黒板見えないのよりも、井上くんが見えない方が私はイヤだった。

 クラスの席替えがあった時、いい具合に井上くんと仲の良い友達の隣の席になった。

 ラッキーだった。

 井上くんは友達訪ねて、たまに休み時間やお昼休みにウチのクラスに遊びに来たりしていた。

 あぁ、どうしよう?

 近過ぎて心臓爆発しそう。

 なんだか息が苦しくなってきて、あわてて女子トイレに緊急避難した。

 鏡を見たら顔が赤い。

 冷めるの待って教室戻ったら井上くんが私の席に座って友達と話していた。

「井上、邪魔!」

 またしても可愛げのない言葉が口から出た。

「ごめん、小川さん」

 私にあやまって井上くんはすぐに席を立った。

 何食わぬ顔して座ったものの、私は心の中では「井上くんが座った椅子♡」なんて思ってドキドキしていた。

 ある日の放課後、帰りのバスの時刻にはまだ早くて教室に一人残っていたら井上くんが来た。

「あれ?小川さん、坂本は?」

「掃除当番さぼって帰ったよ。彼女とデートなんじゃない?あいつ、いつもそうだから」

「今日、部活あるのにな~」

 どうやら部活行こうって坂本くんを誘いに来たようだ。

 すぐに教室出て行くと思ったのに、なぜか井上くんは私の前の席に横座りして私の方に顔を向けた。

「気のせいだったら、ごめん。小川さん授業一緒の時おれのこと見てるよね?なんで?」

 あ……ばれた。

 クラス別れてからあんまり会えないもんだから露骨に見すぎた。

 ぼんやりしている井上くんに気づかれるほど凝視してたなんて恥ずかしすぎる。

 顔熱い。間違いなく今顔真っ赤だ。

 何か言わなきゃと思ったけど、たぶん口を開けば可愛げのない言葉が飛び出すに決まっている。

 日の丸特攻隊な気分で、私はいきなり井上くんにキスをした。
 
 そして、

「大嫌い!」

と、やっぱり、あまのじゃくな言葉を残して、私はカバン持って猛ダッシュで教室を走り出た。

 たぶん、玉砕だ。

 新手の嫌がらせとか勘違いされてたりしてたら…最悪。

 鈍感な井上くんが、どっちが私の本当の気持ちなのかなんて、気づいてくれるわけがない。

 ずっと見てたのに五年目でやっと気がつくような超鈍感くんなのだ。

「でも、やっぱり気づいて欲しいな~」

 本当は「大好き」と言いたくても言えずに、「大嫌い」と言ってしまうあまのじゃくな私。

 だけど、嫌がらせでキスしたりなんかしないって、お願いだからわかってちょうだい、井上君!(Fin)

教室で
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Theme : ショート・ストーリー * Genre : 小説・文学 * Category : ショートストーリー(性と心の悩み、SM、BL、ML、JUNE)
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