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ローズキャンドル

 精神科初診でついたあたしの病名は「神経症」だった。

 最初は、勤務時間中に胃の痛みを感じるようになって内科受診。

 薬の量はどんどん増えていったけれども、あたしの胃の痛みはおさまらなかったし、酷くなる一方だった。

 検査しても内科的胃痛の原因となるものは見当たらず、「神経性の胃腸炎」と内科医には言われていたものの、5月の自分の休日に、

「死にたい…」

と受診中に泣きながら言ったその日に入院することになった。

 とりあえず、田舎から家族が駆け付けるまでの自殺防止の保護扱いで……。

 母が病院へ到着した次の日には、今まで通院していた内科からの紹介状付きで、よその精神神経科の病院へ搬送された。

 診察の結果、一ヶ月の療養が必要という診断が下ったため仕事は辞めた。

 契約社員の身では、一ヶ月の休暇など取れはしなかったため、上司に自主退職を迫られたら辞めざるを得なかった。

 今思えば病気の発症はもっと前…学生時代からだったのではないかとは思われるのだけれども、あたしは自分が病気だとは思いもしなかったから、この時まで精神科へ行ってみることは考えてもみもしなかった。

 病気の症状による事柄を、ずっと自分の努力や辛抱が足りないせいなのだと思い込んでいた。

 けれども、それはどうやら違っていたようだった。

 あたしは確かに病んでいた。

 前年の11月にあたしを一番にかわいがってくれていた祖母が亡くなり、ぽっかり空いてしまった心の穴は何をしても埋まることはなく、あたしは高価な買い物をするようになっていった。

 物なんか買ったって、あたしの心にぽっかり空いてしまった穴をふさぐことなど出来るわけがなかったのに……。

 職を転々としていたあたしは、当時フロント兼事務…実質は何でも屋状態で働いていた小さなホテルには、最初は住み込みで働いていた。

 仕事以外にプライベートな部分についてまで、寮のお局様と支配人の奥様からいびられまくっていた。

 その上、経理担当していた子が辞めた後、欠員募集無しであたしにその子の分の仕事も任されるようになったため、仕事は倍以上に増えて、毎日サービス残業三昧で、かなり精神的にまいってもいた。

 辛抱し続けてはいたのだけれども、そのうちあたしは寮を出て、職場の近所のマンションに引っ越した。

 理由は寮生活から逃げ出したかったからではなく、男を囲うためだった。

 ずっと片思いしてた彼が仕事を辞め、自分の部屋を引き払うと言いだし、他の女のところに行かれたくはなかったあたしは、迷わず彼のために部屋を借りることにした。

 短期間で手際良く部屋を借りる手筈を整えると、新しいシングル布団を二組買った。

 前の彼女と一緒に寝ていた布団なんて穢らわしい物は、あたしの部屋には絶対に持ち込んで欲しくはなかったからである。

 先に彼を新しい部屋に住まわせておいて、あたしはこそこそと少しずつ荷物を部屋に運び込み、少し落ち着いた頃に新しい部屋に引っ越した。

 実は、彼を部屋に囲った時点では、何もなかった。

 彼を囲う→初めて好きな人とキス→変則的同居生活…なんて順序も方法もなんだか激しく間違っているような付き合い方を開始してしまったのである。

 しかも、同じ部屋に布団を並べて寝ていても何もなしな状態が続いた。

 あたしのガードの堅さやら、予防線の張り方にも問題があったのかもしれないけれども、途中、お互い出稼ぎに行ったりしたりもして、一緒にいなかった時期もけっこうあったりもしたものだから、気がついたら一線越えるまでに二年経過していた。

 キスもハグもするけど、隣で寝ていてもセックスはしない。

 そういう状態でも平気だったのは、彼の方は他の女としてきていたからなんだろうとは思ってはいた。

 それでも、あたしはそれでかまわないと思っていた。

 そばにいてくれさえすれば、それでいいと思っていた。

 三度(別人)のレイプ未遂被害に遭いながらも、とりあえず処女膜だけは無事に張り付かせたままでいたような耳年増女には、正直言ってセックスはいらなかった。

 大好きな彼が隣にいてくれさえすれば、それでいいと満足してしまっていたから……。

 キスやスキンシップを求められても、トラウマ抱えていたあたしは、大好きな彼氏相手でも恐怖感と男性に対する性的生理的嫌悪感は消えることがなく体が拒絶反応起こしてしまっていた。

 背後から抱きつかれたりすると、背後から襲われた記憶がフラッシュバックしてパニック状態に陥った。

 二年経過してようやく彼に触れられても、震えや鳥肌が立たなくなってきた…なんて状態だった。

 けれども、そんなあたしに転機がやってきた。

 祖母の死以来、浪費癖が身についてしまっていたあたしは、借金までこさえてしまい、お金に困って処女のまま風俗バイトをする覚悟を決め、なんとSMクラブへ面接に行ってしまったのである。

 ところが、面接に行った店のマンション内にある事務所では、系列店のSMバーで欠員が出るから、8月からカウンター女王様のバイトをしてみないかと持ちかけられ、あたしはSMバーから女王デビューすることになってしまった。

 最初はわからないことだらけだったけれども、SMバーでのバイトは楽しかった。

 基本は普通の水商売のカウンター業務と大差なく、ボンデージ着て水割り作ったり、お酌したりしながら、SMやフェチ系の変態話をしていればよかったから。

 普通の飲み屋のバイトよりも、お客様はSもMも礼儀正しい人が多く紳士的だったため、仕事はしやすかった。

 しかも、トラウマ克服する方法をあたしはそこで発見してしまった。

 受身はダメでも攻めならOKなことに気がついたのである。

 自分が触られることには生理的嫌悪感を感じるくせして、相手を責め立てることは平気だった。

 高校時代の愛読書は沼昭三著作の「家畜人ヤプー」と父が隠し持っていた官能小説雑誌であったあたしには、元々素質やら素養はあったのだろうけど、そこのSMバーでまたたくまに売れっ子女王様になった。

 店の売り上げは、通常はお盆の絡みで売り上げが落ち込むと言われているススキノで、初月で前任者の二倍以上の数字を売り上げた。

 噂を聞いてわざわざ東京からやってきたMのお客様やら、当時SM雑誌によく載っていた東京の某有名女王様まで店にやってきたりもした。

 地元のSMクラブの女王様やM女や風俗嬢、ゲイやビアンもやって来て、SMバーというよりも、セクシュアル・マイノリティーの隠れ家的店と化していった。
   
 アブノーマルと一般的に言われることには、特に抵抗感も嫌悪感もなく、馴染んでいったあたしは、

「普通になりなよ」

と学生時代に友人に言われるのが一番つらかった人種だったから、なんだか居心地のいい場所をみつけたような気がしていた。

 あたしには、家族や友人の言う「普通」ということが、感覚的にわからなかったから……。

 あたしの思っている「普通」はことごとく否定され、うわべだけ普通と言われる子の真似をする努力を続けていただけだったものだから、SMバーの女王時代のあたしは水を得た魚の如く生き生きと仕事していた。 

 しかし、誰もあたしが本当はノーマルセックスの経験値ゼロの処女であることには気づかなかったため、あたしは常連さんたちからの3Pやら店外プレイのお誘いを断るのには少しばかり苦心していた。(続く)

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