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菊池のお友達の強者☆さんのお誕生日に向けて、急遽サプライズ企画として書いたショートストーリーをFC2にもアップします。

ジャニスと京介のカップリングでバースデーストーリーを書きました。

わかる人にしかわからない話かもしれません(笑)

わからない方は、「天国にいちばん近い部屋~禁断のNEOS~」と連載中の「楽園の蛇~裏切りのNEOS~」にヒントはございますので熟読なさってみて下さいwww

強者☆さんのアメブロのルーム(プロフィール)からプレゼントを見ると、更にお楽しみいただけるかと思われますので、そちらも是非ご覧になってみて下さい(ニヤリ)
あひるさん
「東京都青少年健全育成条例改正案情報☆現段階でのまとめ」




 デパートで買い物をしていたジャニスは、珍しく悩んでいた。
 通常の買い物ではそれほど迷うことなどないのに、あるコーナーで手に取った物をみつめたまましばしの間その場で立ちつくしていた。
 が、
「ママぁ、あのひとなんかヘン」
と言う小さな子供の甲高い声が背後で響き、ジャニスはとっさに振り向いてしまった。
 ジャニスの方を指を指していた4~5才くらいのピンク色のワンピースを着た小さな女の子は、ジャニスと目が合うと一瞬顔をひきつらせ、
「ひっ…んぎゃあーーーっ!」
と赤ん坊のような声をあげて大泣きし始めてしまった。
 ジャニスはとても冷やかな眼差しでそれを見下ろしていた。
 母親はあわてて、
「あ、あとでアイス買ってあげるから…ほら、行くわよ!」
と手をつないでいた子供を半ば引きずるようにして急いでその場を去って行った。
「人を指で指すものじゃないってことくらい教えておけよ」
とフッと笑ったジャニスの目は笑ってはいなかった。
 ジャニスはああいう子供は嫌いだった。
 無邪気で、無神経で、礼儀知らずで、自分勝手で……まるで用済みになった傀儡のように、怯えたり、癇癪を起したりして、すぐに泣く感情的で理性のひとかけらも見当たらないような生き物が大嫌いだった。
 京介から引き取った傀儡たちはモルモットにすぎないから、脅したり仕置きをしたり、薬でコントロールしたりしておとなしくさせればいいのだが、外出時に出会う子供は厄介だった。
 幼い子供は妙に勘が鋭かったりするため、ジャニスを見ると違和感を感じるようだった。どんなに普通に振舞っていても、ジャニスの中の「冷酷さ」や「残虐さ」を察知して、目が合うと先程の子供のように泣き出す子供が多かった。
 そういううるさいガキを黙らせることは、ジャニスには出来ないため、その分苛立ちも大きかった。
 ジャニスは買おうかどうしようか迷っていた、小さくて黄色い物を棚に戻すと足早にその場を立ち去った。
 気分転換にどこか近場のCafeにでも入るつもりでデパートを出て、まだ明るい街中を歩き始めたのだが、
「きょ…うすけさん?」
とジャニスは小さくつぶやくと立ち止った。
 偶然、向かい側の通りに愛しの京介の姿を発見して立ち止ったのである。
 京介はどういうわけか、先程ジャニスと目が合って泣きだしてしまった、ピンクのワンピースを着た女の子と一緒にいた。
 しゃがんで子供と目線を合わせ、泣きながら何か言っている子供の頭を軽くポンポンと叩くと京介はいきなりその女の子を抱き上げた。
 高い高いを何度かされると、子供はいつの間にか泣きやみ、キャアキャアと嬌声をあげ、喜んでいた。
 京介は笑いながら何度も何度も高い高いをしてやっていた。
 そのすぐそばには、さっきまではおろおろしていた母親が、ほっとしたような表情を浮かべて立っている。
「なぜ…だ?」
 ジャニスは、京介がそのような行動をとるとは思ってもみなかったものだから、茫然とその光景をながめていた。
 しばらくして、京介は泣きやんだ子供を下ろすと、ペコペコ頭を下げている母親に背を向け、肩越しに右手を上げて見せると歩き始めた。
 ジャニスはあわてて、信号が点滅しかけている横断歩道をダッシュで渡ると、そのまま京介を追いかけて走った。
「京介さん!」
 手が届きそうなところまで追いついたところで、ジャニスは京介に声をかけた。
「なんや、ジャニスか…どうした?息が乱れとるで?」
 振り向いた京介は、肩で息をしているジャニスの姿をみつめ、不思議そうな顔をしてそう言った。
 スーツに皮靴なんて格好でいきなり走ったものだから、ジャニスの息は乱れていた。
「あ…京介さんをお見かけしたものですから…向こうから走って……」
「お前、運動不足なんちゃうか?」
 息を切らして、途切れ途切れに言うジャニスに、京介は笑ってそう言った。いつも冷静沈着なジャニスがこんな風に息を乱して走って来たのがもの珍しく、面白いものを見たようにも感じていた。
「そう…かもしれません」
と答えたジャニスは、無意識のうちにネクタイに手をかけた。息苦しい感じがしてネクタイを緩めたのだが、京介の視線が気になって、
「あの…何か?」
と訊ねた。
「珍しい思ってな」
とニヤリと笑った京介は、ジャニスの頭に手を伸ばしたかと思うとクシャリとその金色の髪を撫で、
「お前も人間なんだなって思うて安心したわ。いつも隙のないきっちりした格好して、顔色一つ変えずにおっそろしいことやってのけるから、うっかり忘れるところやったわ」
とカラカラと声をたてて笑った。
「……」
 ジャニスはそれを複雑な心境で聞いていた。京介に髪を撫でられた瞬間、ザワリという感触が背筋を駆け抜け、走っていた時よりも胸の鼓動は高まっていたのに、京介がジャニスが普段はまるで人ではない者であるかのような物言いをするものだから、どう取ったらいいものかと困惑していた。
「用があるからもう行くわ」
と京介が歩き始めると、ジャニスは、
「京介さん、今何が欲しいですか?」
と問い掛けた。
 振り返った京介は、
「天国」
とひとこと答え歩いて行ってしまった。
「天国?」
 ジャニスは小さくそうつぶやくと、京介の言う「天国」が何を指すのかわからぬまま、自分の思う「天国」を買いに再びデパートへと足を運んだ。
 そして、4月2日、京介の誕生日当日。
「これは…なんや?」
 ジャニスが京介に手渡した紙包みを開けた京介は、その黄色い物体に視線を釘づけにしたままジャニスにそう訊ねた。
「天国です。天国イコール極楽と考えたとしたなら、そういうことになりますよね?」
とジャニスはいつもの落ちついた様子で答えたものの、内心かなりドキドキしていた。
 ジャニスは、自分が天国とか極楽とか思うことに関わるグッズを、京介への誕生日プレゼントとして買ってしまっていた。しかし、京介の言う「天国」とはまるで的はずれで期待はずれであったりしたらどうしよう…と思うとかなり冷や汗ものな状態でもあったのである。
「そやな…確かに、極楽ではあるわな。ところで、この黄色いあひるはなんなんや?」
と全国各地の温泉の素やら、新発売の浴室で使用可能な電気ひげそりなどのお風呂グッズに混じっている、ソフトビニール製の6羽のかわいらしいちいさな黄色いあひるさんたちを指して、京介は怪訝そうな顔をしてそう言った。
「癒しです」
といつもの物静かな口調でそう答えたものの、ジャニスの頬はわずかに赤く染まっていた。
 自分とおそろいの物を京介に持っていて欲しいと思い、ついつい誕生日プレゼントのお風呂グッズの中にジャニスも持っている「お風呂の友達あひるさん」を混ぜてしまったのである。
「そうか…癒しか」
と言った京介は黄色いあひるさんをみつめながら、ジャニスも案外かわいいところがあるものだと思いニヤリと笑った。(Fin)

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