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『鬼畜の戯言』菊池乱☆出版社の倒産により現在電子書籍配信ストップ中

秘密クラブからレンタルされる豊胸女装美少年レンタルドールシリーズ(SF/SM/BL/ML/JUNE/GID/女装/TS/etcな小説)言論と表現の自由を守ろう!不当なネット規制反対!不適切な規制は解除すべきです!!

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出版社の倒産により現在電子書籍の配信が休止となっております。報告のあったダウンロードのコミッションも私はまだ出版社から一円も受け取っておりません。お金よりも作品の公開権利のほうが大事なのでとりあえず担当の方に相談してみてから電子書籍以外での公開という形での作品の公開を再開したく思っております。

2015年12月24日

こねこ時計 ver.3

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Sweets
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地球の名言Ⅱ


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今月のおかず・・・じゃなくて~! 


今月買ったレディコミでございます。

スペシャル アヤ


リニューアルした「スペシャル アヤ9月号」


桜井美音子様、巻頭カラーでございます♪


輪ゴム十字掛けでお子様は見ちゃダメよ!仕様ですが、エロはあってもストーリー重視路線のようで菊池的には好きな路線です(笑)



オフィス ユー9月号


「オフィス ユー9月号」


夏だから?


いつもはエロは無いぞ傾向の健全レディコミなのに、今発売中のやつは……買いです!!




この雑誌は桜井美音子様がお描きになってる号しか菊池は書いませんが、夏っていいですね~(にんまり)




八月はごっそり買い漁る予定があるので、今月は買い控えしました(^^;



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Posted on 2008/07/31 Thu. 23:37 [edit]

(R18)レンタルドールKEI 43 

 老婆に案内された寝室には、鶴の絵柄の豪華な布団が敷かれていた。赤い掛け布団には金糸銀糸の刺繍が施され鶴が舞っている。
 おめでたい図柄だけど、僕の気分は全然おめでたくなんかない。
 初対面のジジイにこれから水揚げされるのだ。
 初夜でも奥様でもない。僕はレンタルされたドールにすぎない。
 見知らぬ「瑠璃子」という女性の身代りに抱かれる僕の体は女じゃない。
 顔が似ていたとしてもこんな女でも男でもない体を抱いてお客様は満足するのだろうか?
 布団の横で正座していた僕は胸より下に長く垂れさがっている黒髪の毛先を恨めしげに睨みつけた。
 お客様のご要望でエクステンションで長くしたこの髪は、おそらく「瑠璃子」と同じ髪型なのだろう。憂鬱な気分でうなだれていたら、すーっと音も無く襖が開いてびっくりした。
「る、瑠璃子様!」
 そう叫んでがばっと土下座するみたいに僕の前で額を畳にこすりつけんばかりにひれ伏している秋月様を見てもっと驚いた。
 しばらく、そんな状態が続いたら、
「大和、顔をあげなさい…そう言っておあげ。大和には私の姿は見えないし声も聞こえないから」 
 今度は秋月様の背後に姿を現した死者はそう言った。
「大和、顔をあげなさい」
と僕は悪霊に逆らう勇気なんかないから言われた通りの言葉を口にした。
 すると、顔をあげた秋月様は目に涙を浮かべて僕の顔をじっとみつめながら、
「瑠璃子様、よう生まれ変わってきて下さいました」
と言った。
「大和はおまえのことを瑠璃子の生まれ変わりだと思っているのさ。調子を合わせておあげ」
と死者に言われて余計戸惑った。
 そんな……生まれ変わりなんて、どう調子を合わせればいいわけ?
 何をどう言ったらいいものやらさっぱり思い浮かばずにいたら、
「愚図な子だねぇ。いいから私の言う通りにしなさいよ」
と焦れた死者は言った。
「そうよ。大和、私はおまえのために生まれ変わって来たの。だから、以前と同じようにしなくてはダメよ」
という死者の言葉をその後僕はそのまま復唱した。
 そういうやりとりを何度か繰り返しているうちにいつの間にか布団の上でそれは始まった。
 僕が予想していた形とは全然違っていたけど……。
 布団の上に仰向けに寝ている僕の足の指に秋月様は愛おしそうにしゃぶりついてきた。
 足の指一本づつ丁寧にしゃぶられその股もねぶられ段々妙な感じになってきた。
「あっ…」
 おもわず声が漏れてしまった。
 死者に上から見られていて恐ろしくて体は強張っていたはずなのに、腰骨から突き抜けていく感覚にビクリビクリと身を震わせてしまっている。
 この異様な状況でも僕の体は感じてしまっていた。
「愚図な割には感度はいいようだね?」  
と僕の顔を覗き込んでからかうように死者は言った。
 この状況で死者に向かって何か言えるわけがないから僕は黙っていた。
 でも、秋月様に足の指を舐められただけで寝巻きの一部が盛り上がってしまったのを見て、
「足の指だけでもうそんなにして、ずいぶんと淫乱な奥様だねぇ。もっとも、普通の奥様にはそんなモノは付いてはいないんだけどね」
と「奥様」というところを強調して言った死者はククッと笑った。
 こんな風に死者にからかわれても、僕の体の方は与えられる快感に忠実に反応してしまっているし、
「あ…ああっ」
なんて恥ずかしい声まで漏らしてしまっていた。
「瑠璃子様、失礼致します」
と秋月様がぴらりと寝巻きの裾をめくると恥ずかしいほどそり勃ってしまっていて僕は目をそむけた。
 僕の体にあっては欲しくないモノ。
 だけど、咥えられてしまったそれは快感には素直だから、放出してしまうまでさほど時間はかからなかった。…しばしの脱力。
 そして、冷たい感触にビクッとしたその瞬間そこに力が入った。
 怖い!犯されたあの時のおぞましい記憶が蘇る。
「瑠璃子様、ちゃんと痛くないように致しますから」
と言いながらも秋月様はゼリーを塗ったお尻の穴に指を入れようとしている。
「イタイッ!」
 入るか入らないかというぐらいで僕は小さく叫んでしまった。
「それぐらいで痛がってたらこの先進まないよ。どれ、代わってやるから体を貸しな」  
と死者は僕に近づいて来たけど、触れるか触れないかという微妙なところで強烈な静電気のような衝撃を感じた。
 バチン!
 弾き飛ばされた死者は口惜しそうに、
「おまえ、嫌な物を身につけているね?左手首のそれをはずしておしまい!」
と叫んだ。
 僕が死者に対して小さくいやいやと首を横に振ったのを見て勘違いした秋月様は、
「瑠璃子様、祝言でお疲れでしょうから、今日はやめにいたしましょう」
と言った。
 僕が小さくうなずくと、
「ふんっ、おもしろくない!」
と死者は不機嫌な顔をして消える寸前に僕を睨みつけていった。
 僕はどうやら薫先生が持たせてくれた魔除けの水晶のブレスレットのおかげで、死者…悪霊に乗り移られずに済んだようだった。
 これは絶対肌身離さず身につけていないと危ないかもしれない。
 はずしたら最後とり憑かれて生気を吸いつくされかねない。
 恐怖に直面してしまった僕は、布団の中で眠れぬまま水晶のブレスレットを撫でさすり続けた。(続く)


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Posted on 2008/07/31 Thu. 20:55 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

とにかく今見て下さい!! 

人権擁護法案反対Web署名の締切が7月末ということになりました!

締切日今日です!!

2008年3月18日の第一便内閣府福田総理へのWeb署名36410筆提出に続いて、第二便を代表者の方が8月末に提出予定しているので。

まだ署名していないけど気になっていたという方は、人権擁護法案関連の記事を検索してみてからご署名ご検討下さい。

パソコンから閲覧している方は私の過去記事やリンクからニュースソースに飛べます。

国会議員馬渡龍治氏のブログ『代議士まわたり始末控』http://blog.mawatari.info/より「人権問題」で検索しました。

タイムリミットまで時間が無いので人権擁護法案関連記事をピックアップして読んでみて下さい。

自民党は今まで人権問題等調査会という会議を何度も行ってきました。

以前、廃案になったゾンビ法案をまた持ち出してきた人権擁護法案賛成派&法務局と反対派がどういうやりとりをしてきたかがわかりやすいです。(写真有り)

人権問題を法でなんとかしようというのであれば、現行の個別法のいたらない点を改正して対処していけばいいといった話は何度も会議で出てきたにも関わらずなぜか終了しない人権問題等調査会。

もう結論は出たも同然なのに延々と続けられるこの会議自体が税金の無駄遣いだとは思いませんか?

人権問題等調査会という会議に費やされる費用だって国民の税金から出ています。

私たち国民の血税で与党自民党本部で行われてきたほぼ必要ないと結論が出ているような法案のために会議続行していくことは皆様は必要だと思いますか?

「前に廃案になった法案をまた引っぱり出してきて無駄な会議続けるのやめてくれませんか?利権うんぬんはうちら(大多数の国民)にゃ関係ないんで」

とも私は言いたいです。

法案の内容自体とんでもないものですが、そっちの方も問題有りと思っています。

☆人権擁護法案についてhttp://36.xmbs.jp/jinken/☆

人権擁護法案反対!Web署名第二便分受付は7/31締切です。まだの方はご署名お願い致します!http://08.mbsp.jp/houan18/★

■PCからのしらべもの検索にはフレッシュアイお勧め☆携帯からならFeペディアhttp://mwkp.fresheye.com/


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Posted on 2008/07/31 Thu. 20:35 [edit]

【緊急】7月31日終了!締切まで時間がない!! 

script_post_impression,http://tracer.a-cast.jp/entry.js?cid=null&param={adid=null} ブログネタ:暑い! とにかく文句が言いたい! 参加中
本文はここから

人権擁護法案反対Web署名の締切が7月末ということになりました!

2008年3月18日の第一便内閣府福田総理へのWeb署名36410筆提出に続いて、第二便を代表者の方が8月末に提出予定しているためです。

まだ署名していないけど気になっていたという方は、人権擁護法案関連の記事を検索してみてからご署名ご検討下さい。

パソコンから閲覧している方は私の過去記事やリンクからニュースソースに飛べます。

国会議員馬渡龍治氏のブログ『代議士まわたり始末控』http://blog.mawatari.info/より「人権問題」で検索しました。

タイムリミットまで時間が無いので人権擁護法案関連記事をピックアップして読んでみて下さい。

自民党は今まで人権問題等調査会という会議を何度も行ってきました。

以前、廃案になったゾンビ法案をまた持ち出してきた人権擁護法案推進派&法務局と反対派がどういうやりとりをしてきたかがわかりやすいです。(写真有り)

人権問題を法でなんとかしようというのであれば、現行の個別法のいたらない点を改正して対処していけばいいといった話は何度も会議で出てきたにも関わらずなぜか終了しない人権問題等調査会。

もう結論は出たも同然なのに延々と続けられるこの会議自体が税金の無駄遣いだとは思いませんか?

人権問題等調査会という会議に費やされる費用だって国民の税金から出ています。

私たち国民の血税で与党自民党本部で行われてきたほぼ必要ないと結論が出ているような法案のために会議続行していくことは皆様は必要だと思いますか?

「前に廃案になった法案をまた引っぱり出してきて無駄な会議続けるのやめてくれませんか?利権うんぬんはうちら(大多数の国民)にゃ関係ないんで」

と私は言いたいです。

☆人権擁護法案についてhttp://36.xmbs.jp/jinken/☆

人権擁護法案反対!Web署名第二便分受付は7/31締切です。まだの方はご署名お願い致します!http://08.mbsp.jp/houan18/★

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Posted on 2008/07/31 Thu. 18:10 [edit]

レンタルドールKEI 42 

 一人部屋に残された僕は、逃げだしたくなっていた。
 水揚げもその後も続く夜のお勤めは、ドールとしてここまで来てしまった以上は嫌でも仕事だから仕方が無い。腹をくくるしかない。
 自分で選んだことだし……。
 でも、あれだけはっきり見える幽霊付きの家に二週間もいなければならないなんて耐えられない。
 怪談話も肝試しも苦手な臆病な僕には皮肉なことに幽霊が見えてしまう。
 どんな幽霊でも見えるわけではなく、僕の場合は僕と波長が合うある程度霊力の強い死者しか見えない。だから、普段はほとんどといっていいほど見ることがない。
 強い霊力を持った守護霊か、何人もの人の生気を奪い取って己の霊力に還元してきた強力な「悪霊」と呼ばれる類の幽霊くらいしか見ることがない僕が今日見てしまったのは……残念ながら後者の方だった。
 最悪……たぶん、あれは何人もの生きた人間にとり憑いて死ぬまで生気を吸い取って己の霊力を高めてきた悪霊だ。
「大和に私がここにいることを知らせちゃいけないよ」 
 今度は耳元であの声がいきなり響いた。
 まるで冷たい息を吹きかけられたような感触にざわりと総毛だった。
 永久脱毛処理してしまって髪とか眉毛や産毛とか……あと、あそこの毛くらいしか僕の体には毛なんか残ってはいないから、実際には全身鳥肌状態。
「やまと?」
「おや、おまえは自分の夫の名も知らないのかい?」 
 死者にそう言われて僕は、水揚げで祝言を挙げたいとご所望なさったお客様の名前を思い出した。
 政財界を裏で取り仕切っているという秋月大和。
 まさかそんな大物と会うことなんかないとは思っていたけれど、親にコンタクト取れたらうまく取り入っておくようにと言われていた人物の内の一人だった。
 何もかも放棄してきてしまったからもう関係ないけど、僕の実家の会社の事業は傾いている。
 それを建て直すために僕を官僚にしてコネを作らせ裏工作を目論んでいたうちの親。
 言いなりだった馬鹿な僕は男に輪姦(まわ)されたのをきっかけに脱線した。
 最高学府と呼ばれる大学を首席で卒業しておいて、いきなり出奔してドールなんて特殊な高級男娼になって、男でも女でもないような体になっている。
 だけど、僕はドールになってみて女の子になりたかった自分の本心に気づいてしまった。
「おまえは女ではないね?」
 死者の問いにビクリとした。
「…はい」
と僕は返事をした。
 こんな体じゃ女とは言えない。
 男とも言えないけど……。
「今までの嫁と同じようにとり憑いて生気を吸い取ってやろうかと思っていたが、おまえは私と同じ匂いがするから、今夜はとり憑かずに上からじっくり初夜見物でもさせてもらおうかねぇ」
と言った死者はわざと姿を現さずにふふっと笑って次の瞬間気配を消した。
「奥様、お床のご用意ができましたのでこちらへどうぞ」
と襖越しにここのお手伝いさんの老婆に声をかけられ、
「はい」
と答えたものの一瞬「あれ?奥様って誰のこと?」と思ってしまって僕は苦笑いした。
「こんなへんてこりんな奥様ありえないよね?」
とつぶやいて股間に余計なモノがついている奥様役のドールの僕は襖の方へと向かった。
 背後からは、
「そりゃあ、そうだ。私もそんなへんてこりんな奥様なんて初めて見たよ」
とケラケラ笑う死者の声が響いてきた。(続く)


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Posted on 2008/07/31 Thu. 12:32 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

レンタルドールKEI 41 

 恐怖の祝言が終わると僕と橘さんだけ別室へ案内された。
「まだ初夜のお床入りには早いのですが、花嫁衣装は脱いでしまいましょう。帯がきつくて苦しかったのでしょう?額際に冷汗まで浮かべて……」
と橘さんは言った。
「…はい」
としか僕は答えられなかった。
 夕暮れ時におこなわれた祝言の最中に死者を見てしまったなんて言ったら、頭がおかしくなったとでも思われかねない。
 僕だって幽霊なんてそう滅多に見ないのだけど、今日のはよほど強い力を持った霊だったようでまるで生きた人間が祝いの膳の前に座っているかのように見えた。
 痩せ衰えた病人のように見えたその女性はそこに置かれていた遺影と同じ顔をしていた。
 お客様の姉妹や従姉妹の類なのだろうか?
 どことなく面立ちが似ていた。
 やつれているせいで、若いのか?おばあさんと言ってもよい年齢なのか?まったく判別つかなかったけど、なんとなくおばあさんではないような気がした。
 写真と違って幽霊の方は色鮮やかな振袖姿だったのだ。
 振袖は普通は未婚の娘が着る物であるから、若くはないにしても生前はそのような振袖を当たり前に着て過ごした人物のように思われた。
 おそらく未婚のまま亡くなった女性。
 そちらをなるべく見ないようにしていたのだけれども、僕を見てニヤリと笑ったあの顔が忘れられない。
「おまえには私の姿が見えているのであろう?」
 耳から聞こえた声ではなく頭の中に直接響いたあの声にぞっとした。
 あの死者は僕が「見える人間」であることに気づいていた。
 何度も「今すぐ帰りたい」と思った。
 怖い。
 あの死者がいるこの家で二週間も……耐えられない。
「おしろいも落としますからね。お客様がおしろいは落として紅だけさしておいて欲しいとおっしゃってましたから」
 手際良く帯を解き、松竹梅の三つ重ねの振袖を黒白紅の順に脱がせていた橘さんはそう言った。
 僕が一番上に着ていた黒振袖はイマドキの着物のように上の方にまで絵柄は入っておらず、裾模様だけであったけれども金糸銀糸の刺繍の入った豪華なものだった。
 長襦袢も脱がされたら、僕はもう後は和装の下着とかいう腰巻一枚になってしまった。
 畳の上に前屈みに座って胸を隠すようにしながら足袋は自分で脱いだ。
 エステの施術で橘さんには全部見られているのだけど、やっぱり色素を薄くするローションで淡い薄紅色になってしまった乳首を見られるのが恥ずかしくてなるべく隠すようにしてしまう。
 畳の上に僕がきちんと座り直して胸を自分の手で隠したら、老婆が用意してくれたお湯と手拭いで橘さんはおしろいを落としていった。
 先に鬘を取って髪を整えてから、ティッシュで赤い紅も拭ってしまい、橘さんは薬指に京紅を取って僕の唇に塗り直した。
「寝巻きが用意されているので、こちらを着ておいた方が良いのでしょうね。着物の着付けは講習しましたから大丈夫かと思われますが、困った時はこちらのお宅のお手伝いさんにお願いすれば大丈夫ですからね」
「…はい」
「それでは、この寝巻きは自分で着てみて下さい。簡単ですから」
「はい」
 僕はこの家から逃げ出したい気持ちでいっぱいになっていたけど、その部屋に用意されていた着物の寝巻きを自分で着た。
 白絹の寝巻きはひんやりと滑らかに僕の肌をおおった。
 つるつるしたその感触はちょっと動いただけで、
「あっ…」
とおもわず声を発してしまいそうになる。
 たぶん乳首は勃っている。
「あら、やっぱり帯がきつかったのかしら?だいぶ顔色が良くなってきましたよ」
と橘さんに言われて僕は顔が火照るのを感じてうつむいた。
 血行が良くなったのは違う理由からだけどそれは恥ずかしくて言えない。
「こちらにレンタル中のお着物の類はすべてこちらで用意して下さいます。必要な私物は店長の許可を取ってこちらの巾着に入れてありますから」
と橘さんは僕に桜の花の描かれた和装の巾着を手渡してきた。
 一応、中身を確認した。
 ドール用の基礎化粧品と今日使っている京紅、それと一緒に薫先生からもらって飲むようになったバラのサプリメントが入っていた。
 毎日飲み続けなければバラの花の香りの体臭は保てない。
 自分の体からまた男臭い体臭が漂うようになるのが僕は嫌でたまらなかった。
 嫌というよりもはや生理的嫌悪感を感じる。
 それにしてもどうしよう?
 ドール自身がレンタルキャンセルを願い出ることは許されないことになっているのに……でも、帰りたい。
「それでは、私は店長と一緒に帰りますから、二週間のレンタルがんばって下さいね」
と言って背を向けた橘さんの着物の袖を僕はとっさにつかんでしまった。
 驚いて振り向いた橘さんは僕の顔を見て優しく微笑んだ。
「大丈夫ですよ、そんなに不安がらなくても。秋月様がパーティー以外でドールをレンタルするのは珍しいことなのですが、あなたがよほど好みのタイプだったのでしょう。大切に扱ってくれるはずですから水揚げもそんなに不安がることはないですよ」
 そう言って袖から僕の指を引きはがして橘さんは行ってしまった。
 一人残された僕は橘さんの袖をつかんでいたのと同じ形で右手を伸ばしたまま呆然とその場に立ち尽くしていた。(続く)


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Posted on 2008/07/31 Thu. 11:44 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

レンタルドールKEI 40 

 目隠しをはずされた後、店長に手を取られ手助けされながら車から降りた僕が目にしたのは、古い日本家屋だった。
 田舎の旧家にありがちな大きくて立派な古いお屋敷とは対照的に、庭が荒れているのが気になったけど……。
 たいていこういう家の人は庭にも手間ひまかけているわけで、白いしゃくなげの花があんな背の高い雑草に囲まれているのが妙に気になった。
 とりあえず、客室に一度案内された僕は橘さんに着物の着付けと化粧を直された。
 車移動中苦しくて車酔いするかもしれないからと帯は少し緩めてあったからだ。
 車中水分補給にペットボトルのお茶を飲んだりしていたから、口紅も少しとれてしまっていた。
 お直しが終わったら、
「よろしいでしょうか?祝言の準備はもう整っておりますので、こちらへどうぞ」
とこの家の使用人と思われる老婆はまるで襖の向こうで聞き耳でも立てていたかのようにタイミング良く声をかけてきた。
「はい、こちらも準備は済みましたので」
と答えて店長は襖を引いた。
 次の間で控えていた老婆の後を、店長、僕と僕の手を引く橘さんの順で歩いて行った。
 腰が曲がっているから元々小柄なのが更に小さくなっている老婆は着物姿ではあったが、おそらくそれは正装ではないと思われる質素なものだった。
 長い縁側の廊下を歩いて行き、
「こちらでございます」
と振り向いた老婆は、廊下に座るとすっと障子戸を引いた。
 店長を先頭に部屋に入った僕はその部屋の異様さに驚いた。
 床の間を背に紋付袴姿の老人が座っている。
 それが花婿役で僕の水揚げと二週間のレンタル予約をしているお客様なのだろう。
 けれど、僕が驚いたのは、おそらく新郎側の親族席であるはずのそこに並んだ遺影と位牌にだった。
 いずれも白黒の黄ばみがかったような古い遺影。
 その前に祝いの膳がずらりと並んでいる。
「さあ、こちらへ」
と橘さんに誘導されて老人の隣の席に正座した僕はガチガチに緊張していた。
 緊張というよりも恐怖に身がすくんでいる状態だったのかもしれない。小刻みに自分の体が震えるのを僕は懸命に止めようとした。
 無意識のうちに薫先生に持たされた水晶のブレスレットを着物の袖の下で撫でさすっていた僕は、死者たちに見守られるという形の異様な祝言の間、背中を冷たい汗が流れていくのを感じていた。
 三三九度なんて杯を取り落としやしないかと気が気じゃなかった。
 僕の親代わりとして店長と橘さんがついて来てくれなかったら、あの異様な祝言だけで僕は気がふれてしまいそうだった。
 実は、僕が怖がっていたのは遺影や位牌ではなかったから…ごくたまにしか見えないのだけど、はっきりと姿を現せるこの世のものではないものを僕は見てしまうことがあった。 
 見たくはなかったのだけれども、遺影とそっくりな顔した人が座布団の上に座っているのを見てしまった僕は、早くもこの家から逃げ出したくなっていた。(続く)


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Posted on 2008/07/30 Wed. 23:45 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

レンタルドールKEI 39 

 水揚げ当日、僕はおしろいで白塗りされて紅をさされてから絹の長襦袢の上から黒い振袖を着せられた。
 頭に被せられたのは文金高島田のかつら。
 白いつの隠し付き。
 お客様のご要望でこのような花嫁衣装を着ることになってしまった。
「戦前のご令嬢のお輿入れは、白い花嫁衣装ではなくてこのような黒紋付振袖の松竹梅の三つ重ねの豪華なものだったそうです。新郎の家で祝言を挙げることになりますが、店長と私は花嫁の親代わりとして出席しますから、お式が終わるまでは一緒ですから安心して下さいね」
と橘さんは言った。
 鏡の中の僕は緊張のあまり顔が強張っている。
 真っ白な顔は唇と目元だけが紅い。
「これは、いい仕上がりですね。お客様もさぞかしお喜びになることでしょう。とてもきれいですよ」
とエステルームに入って来た店長は、僕の姿を見てそう言った。
 不安でたまらないのに褒められるとちょっとはうれしくなってしまう。でも、照れ臭くなって僕はおもわずうつむいてしまった。
「それでは、急いで支度して参りますので」
と橘さんは店長に言い置いてエステルームの個室の一つに入った。
 今日の店長は黒紋付羽織姿で、こっちが新郎役でもおかしくなさそうだった。
 いろいろと後から入ってきた情報で、僕の水揚げで祝言を挙げたいとご所望なさったお客様がご高齢であることがわかった。
 僕の親代わりとしてついて行く店長や橘さんの方がずっと若い。
 孫のような年の僕と夫婦として二週間のレンタル期間を過ごしたいというお客様は一体どんな人なのだろう?
 この奇妙な水揚げで女の子になる前に僕は偽の花嫁になる。
 変なの。僕には余計なものがついてるのに花嫁だなんて……。
 左手首の上の方に身につけていて、着物の袖で隠れている薫先生がお守りにくれた水晶のブレスレットを僕は無意識のうちに右手で撫でていた。
「お待たせいたしました」
と言う声にビクッとした。
 黒留袖に着替えて髪も和装向きに整えた橘さんが戻って来たのだ。
「それでは、行きましょうか。移動に時間がかかりますが、お手洗いは大丈夫ですか?」
と店長に訊かれ、
「大丈夫です」
と僕も橘さんも答えた。
 行先は教えられていないから、どれくらい遠くに連れて行かれるのかは僕にはわからないけど……。(続く) 


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Posted on 2008/07/30 Wed. 12:47 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

菊池的今年のイチオシ浴衣&小物付き 

2008年菊池のイチオシ!ユニクロ浴衣


http://store.uniqlo.com/jp/CPaGoods/0512044




ユニクロの浴衣(帯付き)です。




お安いだけあって生地は安っちく薄っぺらーです。




でも、毎年、




「おNEWの浴衣が欲しいの!」




なんて人にはリーズナブルで良いとは思うんですよね。




値下げされて本日は3990円。




今年のユニクロ浴衣の中ではこれが一番菊池好みでした♪





値下げされて今500円の赤い鼻緒の下駄を合わせて買っても樋口さんお一人様でお釣りが来ちゃいます。

赤い鼻緒の下駄


http://store.uniqlo.com/jp/CPaGoods/051452






巾着



http://item.rakuten.co.jp/wasai-kobo/bf-87a/






巾着だけはユニクロではございません。




使い回しがきくので友禅巾着1980円を楽天市場から発掘!




帯のピンク色と合うし鈴毬の柄なら浴衣の柄ともちぐはぐ感無し。




着物や浴衣の柄と張り合うような派手な違う花柄の小物は、喧嘩しちゃってるみたいに見えるから合わせたくないんですよね(^^;






上にアップした画像の品々は、実際には買っておりませんが今年最安値の菊池のイチオシ浴衣コーディネートでございます。




アメンバーの皆様はどんな浴衣がお好きですか?




コメントからフリートークどうぞ~♪

Posted on 2008/07/30 Wed. 10:01 [edit]

レンタルドールKEI 38 

 僕の水揚げが決まってから、何時間もかけて橘さんは器用な手付きで僕の髪に長い黒髪のエクステンションを一房ずつ付けていった。
橘さんは、エステティシャンと美容師の資格両方持っているそうだ。
 腰まで届く長い黒髪。
 髪の長さが変わるだけでこんなに印象が変わるものなのだろうか?
 鏡の中の僕は「気位の高いお嬢様」っぽくなっていた。
「長いのもよくお似合いですよ」
と橘さんはにっこり笑って言ってくれたけど、見慣れない自分の姿と動きとともに変化する髪の流れにも僕は戸惑った。
 男らしくなるように言われずっと短髪でいた僕は、こういう感覚は初めてだったから……。
 だけど、そんな風に戸惑う反面、自分を女らしく見せてくれる長い髪をうれしく思ってしまう僕も確かにいた。
 髪を長くした日の夜、薫先生の部屋に呼ばれた。
 僕の姿を見て、
「難攻不落のお嬢様風だね。落ちぬなら、落としてみよう、無理やりに…って趣向か?」
と薫先生はつぶやいてちょっと考え込んでしまった。
 いつも腰かけている椅子に浅く腰かけて長い足を組んでいる薫先生は、シャワーを浴びた後でまだ乾いていない長い前髪が垂れ下がっている。
 普段はオールバックにしている前髪が垂れ下がっていると、実年齢より若く見える外見がさらに若く見える。
 高身長のわりに肩幅は狭い感じだけど、イマドキの若い男の子はひょろっと背ばかり高くて肩幅はそれほど広くはない体型の子はそう珍しくもないから、薫先生は男で通用してしまうのかもしれない。
 元は女の薫先生は今は男に近い状態の体になっている。反則技ありな改造しているけど…。
 普段はカッコイイ男の人に見えるけど、時々、女の人に見えたりもするきれいな顔。
 不思議な感じ。
 表情や仕草によって印象が変わる。
 僕に「女の子として男を落とすテクニック」伝授してる最中なんか魅力的な女性になりきっている。
 本人は「演じてる」と言うけど、僕はまるで狐や狸にでも化かされているような気になることがある。
「そうか…あの噂が本当だったとしたら……」
 考えごとをしている薫先生は時折なにやらひとりごとをつぶやいている。
 しかも、いつのまにか眉間にしわを寄せて険しい顔つきになっている。
「圭ちゃんにお守りをあげよう」
と僕をほったらかしにしてしばらくの間考え込んでいた薫先生は、そう言って突然立ち上がったかと思うとクローゼットへと向かった。
 そして、中からいくつか箱を取り出して中身を確認してから、その中の一つを手に取って戻って来た。
「クリスタル…水晶のブレスレット。レンタルされている間、これを身につけておきなさい」
「どうしてですか?」
「それは魔除けになるから」
「え?」
「お守り代わりに持って行きなさい。あげるから」
「お守り代わりって……」
 僕は、急に漠然とした不安に襲われた。
「大丈夫だよ。水揚げで不安になったりした時に精神安定の助けになればって程度の気休めの餞別だから。圭ちゃん、いきなり二週間も見知らぬお客様のところにレンタルされるんだから、さびしくなるかもしれないでしょ?僕はついて行ってあげられないからお供にそれを持って行きなさい」
と薫先生は言ったけれども、僕は考えごとしている最中に一瞬浮かべた薫先生の表情が気になっていた。
 あれは、間違いなく恐怖に凍りついた顔だった。
 僕は、水揚げと二週間のレンタルが急に怖くなった。
 今までは、水揚げの相手が慎太郎さんじゃないことを知って落胆していただけだった。
 まだ、水揚げ…というか男に抱かれることに対する恐怖感はあったけど、それは相手は誰であっても同じだと僕は思っていた。
 だけど、僕の水揚げには「魔除け」が必要なほど禍々しく恐ろしい何かがあるのかもしれない?
 そう思ったら得体のしれない恐怖感に襲われ、僕は手の中にある水晶のブレスレットをギュッと握りしめた。
「飲んでさっさと寝るよ」
と言った薫先生は珍しく一升瓶を抱えて来た。
 青い切子ガラスの美しいそのグラスに注がれた日本酒を僕は次々飲み干した。
 お酒を飲んでむくんだりすると、明日の水揚げにはまずいであろうことはわかっていた。
 でも、僕よりそんなことはよくわかっているはずの薫先生が飲ませてくれるってことは、やっぱり何かあるんじゃないかと気になり僕は飲まずにいられなかった。
 もうこれ以上余計なことを考えたくはなかったから、酔って何も考えずに出来るだけ早く眠ってしまいたかったから…・…僕はお酒に逃げてしまった。(続く) 


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Posted on 2008/07/30 Wed. 00:08 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

レンタルドールKEI 37 

 珍しく店長がクラブの寮へやって来た日、
「水揚げが決まりましたよ。水揚げ料はクラブ開業以来の最高値です。しかも二週間のレンタル予約で」
と僕は店長から告げられた。
 ギュッと強く握りしめた僕の手の中で爪が食い込んでいた。
 急速に気分が沈んでいくのを感じた。
 高値で自分を売るためにこのクラブに入ったのに、水揚げで高値がついてもうれしくない。
 僕は見知らぬ男に抱かれることが悲しくて悲しくてたまらなかった。
 慎太郎さん……
 たった一度コンパニオンドールとしてレンタルされたお客様でしかないのに、どうして僕は慎太郎さんのことを想ってしまうのだろう?
 やつらに犯された時は、嫌でも反応している自分の体がおぞましかった。
 だけど、慎太郎さんに触れられた時は……恥じらってしまった。
 それでも、触れてほしいような気もして戸惑った。
 気持ちが揺れた。
 セックス無しのお仕事なのにきっぱり断れなかったし、あんなことされても嫌じゃなかった。
 それどころかうれしかった。
 慎太郎さんの言葉も触れてくれる手も……。
 どうしてこんなにも慎太郎さんに魅かれるのかはわからない。
 薫先生が言うように「恋」なのだろうか?
 好き…だけど、僕は初めて感じるこの感覚に疑問を抱いていた。
 好きの感じが違う。
 慎太郎さんに感じる「好き」は特別。
 でも、テストで百点取ることは出来ても僕には何かが欠けている。
 いくら考えてみても慎太郎さんへの気持ちの位置付けが僕には正確に把握することが出来ない。
 なんとなく考えごとをしながら店長の話を聞いていた僕は、
「あなたは、もう永久脱毛処理も済んでいますし、レッスンや講義に関しても文句無しの優等生だと先生から聞いています。あとは、お客様のご要望通り長い黒髪さえ身につければ完璧です」
という店長の台詞に反応して、
「長い黒髪……身につける?」
とつぶやいてしまった。
 なんとなくウイッグを被るのとは違うニュアンスを感じた。
「地毛に近い状態で長い黒髪を用意します。人毛のエクステンションをつけて」
と僕のつぶやきに答えた店長は、
「二週間のレンタル中、あなたはお客様の望む『瑠璃子』という女性を演じて下さい。今回は特殊なオーダーなんですよ。なんでも、お客様の初恋の女性にあなたがそっくりだそうで…それで、二週間だけでも祝言を挙げた新婚の夫婦のように過ごしたいとご所望なさっています。ドールですから体はこれ以上どうしようもなりませんが、髪型はお客様のご希望通りに仕上げることは可能です」
と今回のお仕事についての説明をした。
「女性を演じる……」
 店長のその言葉を聞いた僕は複雑な心境になって小さくひとりごとをつぶやいた。
 僕は女の子になりたくて、女の子として慎太郎さんに好きになって欲しくて、薫先生から「女の演技指導」やら「女として男を落とすテクニック」の伝授は少しずつしてもらっていた。
 女の子らしくなることを自ら望んで……でも、それは水揚げのためなんかじゃない!
 だけど、僕は「女らしく振舞う演技」を身につけていくうちに自分の心がなんだか今までと違った形に変化していくのを感じていた。
 努力して身につけたうわべの女の子らしさとは反比例するが如く、本物の女の子じゃない自分に対するコンプレックスは膨れ上がっていった。
 気がついたら切実に身も心もすっかり女の子になりたがっている僕がいた。
 でも…ドールであるうちはそれは許されない。(続く)
 

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Posted on 2008/07/29 Tue. 19:37 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

空を飛べるのと、海にずっと潜っていられるのどっちがいい? 


ブログネタ:空を飛べるのと、海にずっと潜っていられるのどっちがいい?
参加中


菊池は、海にずっと潜っていられる方がいいです。



空飛ぶ方は、ギリシア神話のイカロスが思い浮かんでしまって、



「絶対落ちる!」



とか思っちゃうんですよね(^-^;



海にずっと潜っていられる方ならアワビやらウニやら採り放題だからいいかな~?



あ、でも、密漁になっちゃうから、漁業権取らないと!



あれれ?菊池、海女になっちゃう?



う~む、微妙だ~。



でもね、海でアワビやらウニやら採るのは、ほんのちょっとでも密漁になっちゃうから、人が海に潜って生きていくなら、漁業権の取得は必須だと菊池は思うわけですよ。



貝や蟹は漁業権ないとほんのちょっと採っただけで密漁になっちゃいます。



密漁はいけないことです!



罰金刑を課される犯罪行為です。



だから、もしも海にずっと潜っていられるようになったら漁業権取得しましょうね♪




【おしらせ】


鬼畜の戯言(FC2ブログ小説)http://kitikunotawagoto.blog109.fc2.com/
にて『レンタルドールKEI』お引越し連載中!携帯からも読みやすくなりましたよ♪

Posted on 2008/07/29 Tue. 16:20 [edit]

レンタルドールKEI 36 

「わかりません」
 僕は、薫先生の質問にそう答えた。
 慎太郎さんのことは好き。
 でも、これは恋なの?
 僕にはわからなかった。
 小説の中の恋は知っている。
 嫌なことがあると本の中の世界に逃げ込んでいた僕は、自他共に認める読書家で、有名な文学作品なら読んでいない本はたぶん無い。
 映画化されたりもした流行りの小説も読んだ。
 恋愛小説は好きなジャンルだった。
 なのに、今の僕のこの気持ちは恋なのかはわからなかった。
 一人で恋愛小説を読んでいる時の僕は、ヒロインに感情移入しまくってて、本を読んでいるだけでドキドキしたり泣いたりしていた。
 だけど、僕の今の気持ちはあれとはちょっと違うような気がしていた。
「わからない…か。まあ、いいよ、圭ちゃん奥手だから、ゆっくり考えればいいよ。ただし、ドールとしての自分磨きをしておかないと気がついた時には手遅れなんてこともあり得るけどね」
という薫先生の台詞にちょっと考え込んでしまっていた僕は反応した。
「手遅れって?」
「ぼやぼやしてたら、他のドールだか、普通の女だか、男だかに取られちゃうかもしれないよ?ドールをレンタルするお客様はモテないわけじゃないからね」
 一瞬心臓が止まったかと思った。
 胸がギュッと締め付けられる。
 慎太郎さんが他の誰かを抱きしめ髪を撫で……というところを想像してみただけでもうダメだった。
「圭ちゃん、泣かないでよ」
と薫先生に言われても頬を伝って流れ落ちていく涙は止まらなかった。
「特別に必勝法教えてあげるから、泣きやんでよ~」
と薫先生に言われて、
「必勝法って何のですか?」
と訊いてしまった。
「もちろん、恋の必勝法」
「?」
「あ、元女でゲイの僕の言う『恋の必勝法』なんてあやしいとか思ってるでしょ?」
「思ってません」
と僕は答えたもののちょっとだけ胡散臭さを感じていた。
「その目は信じてないな~?ちょっと待って!今証拠見せてあげるから!」
と薫先生は本棚へ向かって行き何か分厚くて大きいのを取り出して戻って来た。
「ここに僕の戦歴がある!」
と言って薫先生が開いて見せてきたのは、前に見せてもらったのとは違うアルバムだった。
「これはまだ女の体だった頃の歴代彼氏写真&ツーショット写真」
と言ってめくっているけど、ページごとに彼氏と思われる男の人が別人だ。
 おもわず「何人と付き合ったんですか?」と訊きたくなるほどの人数にびっくりした。
「僕の場合、体は女に生まれちゃったけど、心は男だから男心はわかるんだよね。だから、男に惚れられるように意図的にあれこれ工夫して『女』を演じたわけ。そしたら、おもしろいほど釣れちゃってさ~、百人斬りでもチャレンジしちゃおうかな~?とか思ったこともあるんだけど、僕はタチだから受身の女としてのセックスが苦痛でさ~、そっちはやめといたんだけどね…百人掘りは達成したけど」
と薫先生は笑って言った。
 僕は唖然としてしまった。
「この写真の頃の僕は自分は男だとはっきり自覚していたけど、好きになるのは普通の男だったもんだから、不本意ながら女を武器にした。自分的には『女形』にでもなったつもりで本当の自分を隠して男が惚れるような『女』を演じてた」
「女を演じてた?」
「うん、演じてた。本当の僕は男だから。正直しんどいな~と思うこともあったけど、そうでもしないとまだ女の姿でいた頃の僕の場合は恋愛成立しなかったから」
「どうしてですか?」
「見かけは女なのに『本当の僕は男でゲイで、男としてきみのことが好きだし抱きたい』なんて言ったら相手絶対引くって。普通の人から見たら僕みたいなのは、ありえなさすぎる存在だからね」
「そんなこと……」
「無くはないよ。現実問題、女の振りして男と付き合ってた頃と今とじゃモテ具合が全然違う。でも、『女』演じてたキャリアは長いからね。圭ちゃんに『女が男を落とすテクニック』は教えてあげられるよ?」
と言った薫先生はニヤリと笑った。
「お願いします!」
 おもわず僕はそう言ってしまった。
 こうして、女の子になりたい元は男で今はドールの僕は、体は元女で心は男でゲイの薫先生から、女として男を落とすテクニックとかいうものを教わることになってしまった。(続く)


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Posted on 2008/07/29 Tue. 14:56 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

レンタルドールKEI 35 

「圭ちゃん何かいいことあった?」
と薫先生にそう尋ねられた時ギクリとした。
 まさかあのことがばれた?
「何もありませんよ」
と答えたものの鼓動は速まっていく。
「そう?最近はダンスのレッスンの時の圭ちゃん、表情の硬さが取れていい笑顔浮かべるようになってきたから、何かいいことあったのかなぁ?と思ったんだけどな~」
と薫先生は言った。
 そんなの自分では気がつかなかった。
「笑顔?」
と不思議そうな声色でそうつぶやいてしまった僕に、
「最近の圭ちゃん、まるで恋する乙女みたいだよ」
とニヤニヤしながら薫先生は言った。
 自分でもまだこの気持ちがなんなのかもよくわからないでいた僕は動揺した。
「圭ちゃんはかわいいね~」
と薫先生はまだニヤニヤしながらそう言った。
 コンパニオンとしてドールデビューした後、しばらく薫先生からのコールはなかった。
 ひさしぶりに呼ばれて薫先生の部屋に来てみれば、
「恋する乙女みたい」
という薫先生の発言にドキリとしてしまった。
 最初のレンタルは、コンパニオンドールとしてだったのに、僕は慎太郎さんとあんなことをしてしまった。
 だけど、冷静になって考えてみるとあれはなんだかヘンだった。
 それでも、僕は慎太郎さんのことを考えるとドキドキしてしまっていた。
「圭ちゃん、恋しちゃった?」
と薫先生は、僕にカクテルを作りながらそう言った。
 僕は返答に困って押し黙ってしまった。
 薫先生は、無言で僕の前にカクテルグラスを置いた。
 シェーカー振ってオシャレなカクテルグラスに注いだ本格的なカクテル。
 バーテンダーをしていたこともある薫先生は、いろんなカクテルを作って飲ませてくれる。
「圭ちゃんは本当は未成年じゃないから、飲ませてもいいからね」
と本当は22才の僕に言う。
 ドールのKEIとしての僕のクラブプロフィールは18才ということになっているけど……。
「ドールは恋はしてはいけない」
と唐突に口を開いた薫先生の台詞に途方もなく気分が落ちていくのを感じた。
 あきらめなくちゃいけないのかな?
 悲しい。
 慎太郎さんの意地悪な笑みが脳裏をちらつく。
 好き……
 よくわからないけど、慎太郎さんが喜んでくれるなら、僕はなにをされてもかまわないと思ってしまう。
 いつの間にか、ギュッと唇噛み締めてしまっていた。
「圭ちゃん、泣かないでよ?さっきのは建前なんだから」
「建前?」
「実際には、クラブとの契約終了後に好きな人のところへ行くドールもいるから。ただし…」
「ただし?」
「店長には、恋していることを気づかれないように気をつけなさい。あの人は、ドールの恋愛は絶対に許しませんから」
という薫先生に、
「どうしてですか?」
と僕は訊いてしまった。
「あの人は、ドールという商品の管理にはくそ真面目ですから、要注意なんです」
とためいきつきつつ薫先生は答えてくれた。
「さて、次は圭ちゃんが答える番ですよ。ドールデビューでお客様に惚れてしまったんでしょう?」
という質問付きだったけれども……。(続く)


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Posted on 2008/07/29 Tue. 00:01 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

(R18)レンタルドールKEI 34 

 それが始まってしまってからも往生際の悪い僕は、やっぱり水揚げ前にこんなことしちゃダメ!と思って、
「はぁ、んん…ご主人さまぁ、ダメ…です」
と息を乱しながらも拒否をした。
 だけど、自分でもドキリとするほどみだらな声が出てしまって僕は自分の声にうろたえてしまった。
「大丈夫だ。クラブにはばれないようにやってやるから」
「いやぁ……」
「なにが、いやだ?おまえのここはちっともいやがってはいないぞ。喜んで尻尾を振っているじゃないか?」
 僕に「ご主人様」と呼ぶように言った慎太郎さんは、本当に尻尾を振って喜んでいるみたいな僕のそれを指先で弾いた。
 恥ずかしくてもう言葉にならない。
「そういえば、ここに首輪をつけてやるのを忘れていたな」
と言って慎太郎さんは寝室の洋服ダンスを開くと中から何かを取り出して来た。
「え!?な、なんですか?これ」
 いきなり根元にはめられてしまったリングはきつかった。
 ぎっちりと苦しいほどに締め付けられている。
「たくさん楽しめるようにする便利なお道具だ」
と慎太郎さんはニヤリと笑った。
 どんなに責め立てられてもイケない状態で益々膨張したそこは痛苦しくさえあった。
「どうだ?気持ちいいだろう?」
と訊いてきた慎太郎さんはなんだか楽しそう。
「いやぁ…イタイ!これ取って下さい!!」
と僕は懇願してしまった。
「なんだまだイケそうにないのか?じゃあ、こっちも気持ちよくしてやろう」
 いきなり乳首をベロリと舐めあげられた僕はビクリと身を震わせてしまった。
「やっぱり、KEIは乳首が感じるようだな。たっぷりかわいがってやるから、もっと激しくおまえの尻尾を振ってみせろ」
 慎太郎さんは左の乳首を舐めながら右の乳首を指先で弄び始めた。
 執拗にそれを続けられて、慎太郎さんに尻尾呼ばわりされている僕のモノは腹を打ち続けた。
 ……濡れてる。
 透明のそれは漏れ出ているのにイケない。苦痛ですらあるのにこのままもっと触って欲しいような気もしていて僕はおかしくなってしまいそうだった。
 両乳首を責め立てられながら慎太郎さんの手に包み込まれしごきたてられた僕の尻尾は、射精することはなかったのに突然放たれた時よりも強烈な衝撃を感じた。
 内腿がひくつき、こらえきれずに、
「いやぁ~!あああっ・・・ヘンに・・・へんになる~!!」
と僕は体を痙攣させながら叫んでしまった。
 一瞬、頭の中が真っ白になった。
 それがおさまった時、普通に射精した時の何倍もの疲労感を感じてぐったりしてしまっていた。けれども、僕は同時に今まで感じたことのなかった種類の深い快感も感じていた。
「かわいいよ、KEI」
とまだぐったりしている僕を後から抱きしめて慎太郎さんは耳元でそう囁いた。
 僕は慎太郎さんに「かわいいよ」と言われてとてもうれしくなってしまった。 
「もっとかわいがってやりたいんだが、今日はもう時間がない。次はプレイで会おう、KEI」
「次はプレイでご指名いただけるんですか?」
 僕は胸が期待に躍りあがるのを感じながらもそれを抑えて訊き返した。
「そうだ。プレイで指名してやるから楽しみに待っていろ」
「はい、ご主人様!」
「いい子だな、KEIは」
と僕の髪を撫でながら慎太郎さんは僕の根元にはめたリングをはずしてくれた。
 慎太郎さんが抱きしめて髪を撫でてくれるのがなんでこんなにうれしいんだろう?
「今度は自分でして見せられるよな?俺が見ていてやるから」
 リングをはずされた僕はせっぱつまっていた。
 放出はしていないからせき止められていたそれは今すぐ出たがっていたのだ。体はイキたくてたまらなくなっていた。
 それに、慎太郎さんが褒めてくれたのがすごくうれしかったものだから、慎太郎さんの言う通りにしなければならないという気持ちにもなっていて、
「はい、ご主人様」
と自然とそう答えて僕は慎太郎さんの前で自慰をしてすぐにイッてしまった。
 なぜか一人でする時よりもとても興奮してしまい…そして、すごく気持ちよかった。
 慎太郎さんに見られていて恥ずかしくてたまらなかったはずなのに……。
 奥手だった僕は、その時の行為がなんであったのかよくわからないまま身支度を整えたら返却された。
 けれども、寮に戻ってからの僕は水揚げの日まで、毎日慎太郎さんとのあの時のことを思い出して自分でするようになってしまった。
 元々、なんだかそれが恥ずかしいことのように思われて、たまってしまった忌まわしいものを必要最低限排出させる機械的作業でしかなかったのに。
 そういう今まで性欲希薄気味だった僕には到底考えられないような変化に僕は戸惑っていた。
 だけど、慎太郎さんのことを思い出している時の僕はうれしくてたまらないし、会いたくて会いたくてたまらなかった。
 そして、そんな僕の変化にあの人が気がつかないわけがなかった。(続く)


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Posted on 2008/07/28 Mon. 22:57 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

(R18)レンタルドールKEI 32 

「み、水揚げ前なのでダメです!」
 車内でドレスの上から胸をもまれて、あわてて僕はそう叫んだ。
「最後までやらなきゃばれない。おまえが黙っていればな」
と慎太郎さんに言われ、
「ダメです。今日はプレイは無しのオーダーですから!」
と僕は頑なにその手を拒んだ。
 それでも、しつこく触ってきて、慎太郎さんはとうとうスカートの中にまで手を入れてきた。
「なんだ?色気のないもん履いてるな。でも、中身はずいぶんと苦しそうだぞ?KEI」
とククッと笑った慎太郎さんに初めて名前を呼ばれたら、ガードルとパンティーでガードされてるそこがビクンと反応した。
 実は、さっきからパンティーの中身のはしたない状態に僕は困惑していた。
 薫先生に抱きしめられると最初のうちはパニック状態に陥っていたし、慣れてきてからも緊張から身を固くすることはあっても、パンティーの中身を硬くしてしまうことはなかったのに……。
 僕の反応を見て浮かべた慎太郎さんのちょっと意地悪な笑顔が懐かしい人の笑顔と一瞬だぶった。
 僕は、ようやく慎太郎さんが誰に似ているのかに気がついた。
 逆らえるわけなんかない。見てるだけでドキドキしていた彼に慎太郎さんはどことなく似ているのだ。
 片思いどころか、最近まで自分で初恋という自覚すらなく、自然と目が追ってしまっていた彼に似ている。
 僕が黙っていたら、慎太郎さんは、ガードルの上からそれを撫で上げ揉みしだき始めてしまった。
「やっ、やめて…下さいっ!」
 必死でそう訴えたけれども息が乱れていく。体の熱がまた上がったような気がした。
「ハアハアハア…あっ!ダメ、ダメです!」
とイヤイヤと首を左右に振る僕に慎太郎さんは、
「ここはイヤともダメとも言ってないぞ」
とガードルの中に手を突っ込んで、僕のバンティーの中ですっかり硬くなってしまっているそれをじかにギュッと握りしめた。
「ここは、素直にうなずいて涙を流して解放を待ち望んでいるぞ、KEI」
と耳元で囁かれて、僕は耳がカッと熱くなるのを感じた。
「成城のマンションへ向かってくれ」
と運転手に告げた慎太郎さんに、僕はすっかりいいようにされてしまっていた。
 水揚げ前にこんなことダメだよね?と思いながらも、僕は、慎太郎さんをはっきりきっぱり拒絶しきれずにいた。(続く)


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Posted on 2008/07/28 Mon. 22:28 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

レンタルドールKEI 31 

 車で移動して向かった違うホテルのパーティー会場に入ったらすぐにどよめきが起こった。
 大広間と思われるだだっ広い立食パーティー会場の人混みの中、慎太郎さんはおかまいなしで僕を連れて恰幅のいい男の人に近づいて行った。
 周囲の人たちは慎太郎さんを見るとさっと道を開ける。
「パーティーに連れ歩く女なら間に合っている。そちらの小さいお嬢さんには、他の見合いでも紹介してやれよ、親父」
と慎太郎さんは小柄でかわいらしい感じのピンク色のドレスを身に纏った若いお嬢さんをさっと一瞥すると、お父さんに向かってそう言うだけ言ったらその場から立ち去ろうとした。
「なにが不満なんだ?」
と問い掛けられて、
「小さいとやりずらい。俺くらい上背があるとこれくらいがちょうどいいんだ」
と慎太郎さんは僕を抱きしめ、いきなりキスしてきた。
 びっくりしすぎて僕は息が出来なくなってしまった。
 二人のキスシーンを見せつけてから、慎太郎さんは僕の手を引いて、ずんずんと早い歩調でその場から退場してしまった。
 慎太郎さんのお父さんはなにか言いかけていたけれども、隣にいる若いお嬢さんをちらりと見てなぜか口をつぐんだ。
 確か、
「そんなものあいじ…」
とか言ってた。
 パーティー会場を出たら真っ赤になっている僕の顔を見て、
「欲情でもしたのか?」
と慎太郎さんは言った。
「満足させてやってもいいぞ」
と言われて、
「そんなんじゃありません!私…キス初めてだったのに……」
とおもわず僕は言ってしまった。
 そういえば、キスだけはあの時もされなかった。
「俺がファーストキスか……ついでだから、いろいろ教えてやる」
と言った慎太郎さんは、乗り込んだリムジンの中で深く口づけてきた。
 戸惑いながらも僕は、はじめてキスした相手が慎太郎さんでよかったとか、うれしいとか思っていた。
 キスしている間どうやって息をしたらいいものかわからなくて、息は苦しいし、心臓も壊れてしまうんじゃないかと思うくらいドキドキしていて、僕はこの時、
『このまま死んじゃってもかまわないかも?』
と思ってしまっていた。(続く)


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Posted on 2008/07/28 Mon. 22:25 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

レンタルドールKEI 30 

 ドールデビュー…初めてのお仕事。
 ちゃんと出来るかどうか以前に、女装した男とばれたりしないかと不安でたまらなかったけど、同時に初めて会うお客様はどんなお客様なのかも気になっていた。
 もしも実際に会ってみて、僕じゃ不満でチェンジしたいとか言われたらどうしよう?
 滅多にないけれど、たまにチェンジやキャンセルもあることは店長から聞かされていたから不安でたまらなかった。
 緊張で手のひらがじとっと汗ばんでいる。
「着きましたよ」  
と言って店長がアイマスクをはずしてくれたのは、高級ホテルの前だった。
 ベルボーイに車のドアを開けられ、店長と僕が車から降りると運転手は車を動かし、どこかへ行ってしまった。
 黒のベンツが遠ざかって行く。
 店長の後をついてホテルの一階にあるティーラウンジへ向かう間、ベルボーイもすれ違う人も僕のことを見てるみたいでひどく緊張した。
 どっかヘンなのかな? 男が女装してるってバレてる?
 女の子になりたいことに気づいて間もない僕には、自分のことを女とは思えなかった。
 豊胸してドールなんて奇妙な者になってるけど、基本的には男の体である僕は自分のことを「女」とは言えない。
 女の子にはなりたいけど、今の僕は女とは言い難い。
 それは、自分が一番よくわかっていることだった。
 ティーラウンジの入り口で、ウェイターに待ち合わせであることを店長が伝えたら、すぐに席に案内された。
「お久しぶりでございます」
と店長が挨拶したお客様に向かって僕は無言で会釈した。
「コーヒーを二つお願いします」
と店長がオーダーすると、
「はい、かしこまりました」
と言って一礼してウェイターは去って行った。
 その間、向かい側の席に座っているお客様は、僕のことを値踏みするかのようにじっとみつめていた。
 ウェイターがその場にいなくなった途端、
「店長、なかなかの上玉じゃないか?オーダー通り……合格だ」
とお客様は言った。
 僕はちょっとだけほっとした。チェンジでもキャンセルでもなかった。
 なにより「合格」という言葉が一番うれしい。
「そうでしょう?今一番の期待の新人ドールです。枕ドールには真似出来ないレベルのスキル付きです」
と店長が言ったら、
「そうか、それはいい。とりあえず今日の縁談ぶっ潰せればいいんだからな。プレイしないなら、美人だが俺のタイプじゃないドールがちょうどいい」
とお客様は答えた。
 それを聞いたらなぜか胸の奥にツキンと痛みが走った。
 どうしてだろう?なんだか悲しい。
 じろじろ見るのは失礼かと思って、露骨にじっと見たりはしてないけど、初めてのお客様は誰かに似ていた。
 でも、誰に似ているのかも考えられないほど、ショックで僕の頭の中は真っ白になってしまった。
 お客様の、
「プレイしないなら、美人だが俺のタイプじゃないドールがちょうどいい」
という台詞になんで僕はこんなにショックを受けてるの?
 コーヒーを飲み終えたら、
「そろそろ行くか」
と言ってお客様が立ち上がったのを見て僕はびっくりした。
 座高のわりに予想外に背が高い。座っていた時にはわからなかったけれども、すらりと伸びた長い足、モデルクラスのスタイルの良さは周囲の目を引いた。
 薫先生より大きい。180センチ代後半くらいかな?
 顔も…カッコイイ。イケメンというよりも男前という言葉がしっくりくるような感じ。
「お嬢さん、お手をどうぞ」
と言われてお客様の腕に自分の腕を絡めたら、パニックにはならなかったけど、なぜか胸がドキドキした。
 なんだか頬も熱い。
 僕、どうしちゃったんだろう?
 お客様にエスコートされてホテルの外へと向かう途中、
「俺のことは『慎太郎さん』と呼べ。今日は恋人役なんだからな、マヤ」
と耳元でお客様…慎太郎さんにそう言われたら、今度は耳がカッと熱くなった。
「はい、慎太郎さん」
と僕は答えたけれども、なぜかドール名としてのKEIでもかまわないから、マヤじゃなくて圭と呼んで欲しいと思ってしまった。
 ホテルの前から運転手付きのリムジンに乗り込んだら、
「おまえ、本当にドールか?」
と小声で訊ねられた。
「ドールですが?」
と不思議に思いながらもそう答えたら、
「身のこなしが並の女より、上品で女らしい。きれいだ」
と慎太郎さんに言われたらなんだかすごくうれしくなった。
 どうしよう?さっきから僕ドキドキしっぱなし。
「ん?照れているのか?」
と慎太郎さんに顔をのぞき込まれたら、体温まで上昇したみたいに顔も体も熱くなった。
「そんなに赤くなるなよ…うっかり襲いたくなる」
と言われても顔も体も熱いしドキドキも止まらなかった。(続く)


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Posted on 2008/07/28 Mon. 22:19 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

(R18)レンタルドールKEI 33 

 どうしよう?
 慎太郎さんに高級マンションの部屋に連れ込まれてしまった僕は困っていた。
 水揚げ前に他のお客様と…なんてことはまずいのはわかってるし、僕もそれは避けたかった。
 でも、慎太郎さんに攻撃技仕掛けて逃げ出すなんてことは絶対にしたくなかった。
 ベッドルームにまで連れ込まれ何度もキスされた。ドレスを脱がされても申し訳程度にしか抗えないなんてどうかしている。
 下着も次々はぎとられていく。
「や…ダメです」
と言っても、
「大丈夫だ」
と言って慎太郎さんは慣れた手つきでパンティーごとガードルを引きずり下ろしてしまった。
 恥ずかしくて胸と股間を隠したら、
「恥ずかしいのか?」
と耳元でそう訊ねてきた。
 僕は答えられなかった。
 あまりに恥ずかしすぎて……。
「羞恥心が強いということはいいことだ。最初指名用の写真を見た時はタイプじゃないと思ったが、おまえは案外俺好みのドールなのかもしれないな」
 僕は恥ずかしくてたまらなかったのに「おまえは案外俺好みのドールなのかもしれないな」という慎太郎さんの言葉に反応してしまった。
 うれしい…うっかりぽーっとしてしまった。
 でも、手首を引っつかまれてガチャリと手錠をかけられ、さっと目隠しされてしまった僕は、パニックに陥りそうになってしまった。
「これはイヤです!」
 必死で叫んだ。
 怖い…あんなことはもう嫌だ!
「なんで嫌なんだ?」
と不思議そうな声色で問いかけてきた慎太郎さんに、ドールになる前に輪姦されたことなんか言えるわけがない。
 最初、目が覚めた時には目隠しされて手錠かけられ、足は大きく開かされて縛られていた。
 そして、既に犯されていた。
 手錠と目隠しだけでもうあの時の恐怖と羞恥と屈辱がよみがえりかけている。
 それでも、僕は慎太郎さんに嫌われたくなくて、
「目隠しが…慎太郎さんの顔が見えないからイヤです」
ととっさに言い訳した。
「ふん、顔に似合わずかわいらしいことを言うやつだな。よし、目隠しははずしてやろう。その代り……」
と慎太郎さんが目隠しをはずしながら次に言った内容は最悪だった。
 目隠しをはずしながら言った慎太郎さんの台詞は、
「そこに座れ!そして、大股開いて俺の前で自慰をして見せろ!」
だった。
 僕は、小さな子供のようにいやいやと首を振りながら後ずさりをした。
「そんなことも出来ないのか?仕方がない、俺がやってやる」
 いきなり後ろから抱き締められて、じかに握られてしまった僕はどうしたらいいかわからなくなってしまった。
 怖いような気がしたけど、慎太郎さんにもっと触れて欲しいような気もしていて気持ちは揺れていた。
「俺のことは、これからはご主人様と呼べ」
と言われても何も知らなかった僕は、
「はい、ご主人様」
と素直に答えてしまっていた。
 あの時から魔法をかけられ囚われの身になったのだった。
 水揚げ前のドールでありながら、僕は唯一無二の「ご主人様」に出会ってしまったから……。(続く)


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Posted on 2008/07/28 Mon. 21:27 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

レンタルドールKEI 29 

 仕上げにウイッグを被せられてロングヘアーになったら、鏡の中の僕はほんとに僕じゃないみたいだった。
 ネット被って地毛をまとめてから、被ったウイッグの内側からパチンパチンと留められて地毛にしっかりとウィッグは固定された。
「よほどのことがなければずれたりしませんから、安心して下さいね」
と橘さんは言った。
 僕を迎えに来た店長は、
「才色兼備の美女という設定にぴったりですね。とてもきれいですよ」
とお世辞を言った後、
「今回のお仕事については、前回資料を渡して説明しましたが、把握出来ていますか?」
と訊ねてきた。
「はい」
と僕は答えた。
「ドール名は、アルファベット表記でKEIで年齢は18歳の設定ですが、今回は、速水マヤ、22歳の帰国子女という設定ですよね?」
「そうです。お客様の恋人の振りをして縁談を破談にするのが今回のお仕事なわけで、セックス無しのオーダーです。もしもお客様がその気になってもお断りして下さい。あなたはまだ水揚げ前の身なんですから。水揚げの方は高値でご予約いただいてますから気をつけて下さいね」
という店長の台詞の内容にずんと気が重くなった。
 今回のコンパニオンドールデビューの後に、いよいよ水揚げで男に抱かれなくてはならないのだ。
「はい」
と答えたものの今日のお仕事もその後の水揚げのことも不安だった。
 だけど、
「圭ちゃん、笑って、笑って」
 そう言ってヘン顔している薫先生を見たらおもわず吹き出してしまった。
「そう!そうやって笑っていなさい。圭ちゃんは笑うとかわいいんだから」
と薫先生に言われたけど、緊張して顔が強張っちゃうよ。
 それに、たいてい「冷たい顔」と言われる僕の顔がかわいいわけがない。
「さあ、行きますよ」
と言われて僕は店長の後をついてエステルームを出た。
 このクラブの寮に連れられて来た日以来、初めての外出。
 しかも、初めて女装して出かけるのだ。これで緊張しないわけがない。
 玄関前に止められていた車に乗ったら、店長は僕のウィッグの髪が乱れないように気をつけながら僕の目の上にアイマスクをつけた。
 たぶん、ここの場所を知られたくないのだろう。
 初めてここに来た日もアイマスクするように言われた。
 ここがどこなのかはわからないし、これから連れて行かれる場所も知らない。
 自分の心臓の音がやたら大きく聞こえるような気がしていた。
 ドールデビューの初めてのお仕事をちゃんと出来るかどうか不安で仕方がなかった。
 そんな僕は、この日運命の出会いが待ちうけているとは思ってもみなかった。(続く)


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Posted on 2008/07/28 Mon. 18:19 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

ブログを始めたきっかけは? 


ブログネタ:ブログを始めたきっかけは?
参加中

あたし・主婦の頭の中





風俗業界から足を洗った時、営業用の個人ホムペをやめまして、替わりに別名でブログを始めました。



以前のホムペは女の子からの相談窓口化しちゃってまして、ちょっと疲れてましたんで。



なんか同業の娘や訳ありの女の子からの相談に乗ることが多くて……。



ちなみに、小説の『ネットカウンセラー春日月透子』http://kitikunotawagoto.blog109.fc2.com/blog-category-19.html
はほとんど実話だったりします。



以前、チャットで相談乗るようなことも個人のチャットでやってましたから。



今はそういうことやってられる時間の余裕がないのでやってませんが、落ち着いたらまたやろうかとも思っています。



相談料は小説のネタにチャット内容使用許可ということで(笑)




【おしらせ】

携帯から見てる人は小説はルームから「鬼畜の戯言」へ飛んで下さ~い♪

Posted on 2008/07/28 Mon. 15:52 [edit]

ネットカウンセラー春日月透子 

ネット上でネットカウンセラーと呼ばれるようになったものの、私、春日月透子はカウンセラー資格は持っていない。

自分からネットカウンセラーなんて名乗ったことなど一度もない。

けれども、いつのまにか私はネット内の住人たちからそう呼ばれるようになっていた。

最初のうちは、自分のHPを運営したりよそにコメント書き込んだりという感じで普通にネットしていた。

なぜか相談されることが増えアドバイスや情報提供しているうちに、私のHPに来るのはそういう人ばかりになってしまった。

主に心の病を抱える人々やその家族や恋人。

今までのHPの主旨と合わなくなってしまったのとセキュリティー上の問題があったのとで、私は違う携帯HPを開いてそこに人数制限を二人に設定した相談用の内緒話チャットを設置した。

私が設置しているチャットはPCだけではなく携帯にも対応しているから携帯からの相談者が多い。

チャットに入室があると管理人である私の携帯電話におしらせメールが届く。

私は睡眠中以外ならなるべく手が空いている時にはすぐにチャットに入るようにしている。

「あ、チャット入室のおしらせが来た!」

深夜2時14分。

私は急いで携帯で入室して挨拶してからPCからチャットに入室し直した。


透子:入室

透子:お待たせしました。えみさんはいつもこの時間起きているんですか?

えみ:はい、眠れなくて…

透子:そうなんですか。私も眠れなくていつもこの時間は起きていますよ。えみさんはお薬なにか飲んでいますか?

えみ:たぶん、私、またうつになっちゃったと思うんです。でも、看護師のくせして病院に行けなくて…

透子:えみさんは看護師さんなんですか~。病院に行けない理由は自分でわかりますか?

えみ:男の先生は嫌なんです。

透子:もしかして、えみさん、男の先生で嫌な思いをしたことがあります?

えみ:いえ。そういうわけではないんですけど男の人だと話しづらいことがあって…私、子供を堕ろしたんです。それがきっかけでうつになっちゃって…

透子:それは男の人には話しづらいですね。

えみ:そうなんです。それで病院行かなくちゃと思ってもなかなか行けなくて…

透子:えみさん、女医さんが診てくれる病院なら行けそうですか?

えみ:それなら…

透子:えみさん、差し支えなければ最寄の駅など教えていただけますか?通院できる範囲内に女医さんが診てくれる病院があるかどうかPCで検索かけて調べてみますから。

えみ:博多駅周辺なら行けます。お願いします。

透子:じゃあ、ちょっと待って下さいね。

透子:ありました!女医さんが診てくれる病院。○○メンタルクリニックです。住所と電話番号UPしますからメモしておいて下さい。このチャットのやりとりは、えみさんが退室したら全消去してプライバシーの保護をしますから。

えみ:ありがとうございます。

えみ:退室

透子:退室


ハンドルネームえみさんは携帯ユーザーだった。

私のチャットに入室してくる人はパソコンを持っていない携帯ユーザーが多い。

まだPCからよりも携帯から得られる情報量が少ない時代であることが一因。

欲しいのはアドバイスではなくて情報の場合も有り、ネカフェに行ってくれば用が足りそうなことを訊いてくる人もいる。

ネットカウンセラーなんて呼ばれるような者ではなくて、実際の私はお金のかからない情報屋のような者。


ちなみに、これは西暦2000年前半の携帯サイトは見れても、携帯電話からはPCサイトの閲覧はまったくできなかった頃の話である。


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Posted on 2008/07/28 Mon. 15:31 [edit]

レンタルドールKEI 28 

 今日はコンパニオンドールデビューの日。
「とてもおきれいですよ」
と橘さんに言われた僕は鏡の前で戸惑っていた。
 エステルームで橘さんにメイクしてもらったんだけど……とにかくすごいの!僕じゃないみたいで!!
 玲ちゃんは、メイクしても素顔とほとんど変わらなかったのに……今のメイクされた僕の顔は本当に別人のようだった。
「化けたね、圭ちゃん。氷の微笑お嬢さまバージョンって感じだよ」
 仕上がりを見にやって来た薫先生にひやかされて、
「これって本当に私ですか?」
なんて間抜けな質問を目の前の鏡指差してしてしまった僕は、
「圭ちゃんだよ。女は化けるっていうけど、ドールはもっと化けるからね。言葉遣いも女声の出し方も動揺していてもちゃんと練習通りに出来ている。これなら、間違いなく女の子に見られるよ。今回は完璧に美しい女性としてお客様の目論見通りのことをやらなければならないからね、がんばって」
と薫先生に言われて益々プレッシャーを感じて緊張してしまった。
「こちらのドレスを着て下さい」
と橘さんに言われてロイヤルブルーの光沢のある布地のロングドレスに着替えたら、
「やっぱりガードル履いた方が良さそうですね」
と橘さんは僕の背後にまわってお尻を見ながらそう言った。
「そうですね。圭ちゃん、小尻だから細工した方がいいかも?」
と薫先生も僕のお尻を見て同意した。
「このガードルを履いてみて下さい」
と言われて僕は橘さんから渡された物を履いた。
 橘さんは、 
「薫先生、スカートまくっておいて下さいね」
と薫先生に声をかけ薫先生が僕のドレスの裾をまくりあげたものだから、なにをされるのかわからない僕はドキドキしながらもとりあえずはおとなしくしていた。
 橘さんは、
「失礼します」
と白い手袋をはめた手をガードルの中に入れて僕のお尻を触ってきた。
「な、なにするんですかっ!?」
 僕はとっさにうわずった悲鳴に近いような甲高い声で詰問してしまった。
 エステの施術で橘さんには裸で全身触れられてはいるけど、なぜか下着の中に手を入れられて触られるという行為に鳥肌が立った。
 一瞬パニック状態に陥りかけたけれどもすぐにそれは終わってほっとした。
「女の子にしてはお尻の丸みが足りないので、補正パッド入りのガードルを履いていただいたのですが、ちょっと履き方がよろしくなかったので直させていただきました」
と橘さんは僕の悲鳴に近かった声にも動じずいつも通りの落ち着いた感じの口調で答えた。
「お尻のラインが男と女じゃ違うから、丸みが足りない分は補正下着でカバーするんだよ」
と薫先生は説明してくれたけど、僕はなんだか悲しくなってしまった。
 股間のいらないモノがなくなれば…とかいう問題ではないのだ。
 あまり意識していなかったけど、お尻とか他にも肉付きの薄い僕の体には女の子の体のような丸みや柔らかさが欠けている。
 それをはっきり自覚してしまったら、こんな体じゃ女の子にはなれないと思ったりした。
 ドールとして働く間、この中途半端な体のままでいなければならないのは仕方がない。
 自分で選んだ仕事だから。
 でも、その先も……僕は女の子にはなれないの?
「靴はこの靴を履いて下さいね」
と橘さんに声をかけられ足元に置かれたヒールを履いた。
 目線の高さが変わった。
 おそらく女性の標準身長と思われる橘さんを見下ろして、
「でかいとか思われそう」
と僕はつぶやいてしまった。
 7センチのヒールは、僕の身長を174センチに底上げしている。
 女の子にしては高いけど、僕自身の167センチという身長は男にしては低い身長。
 だけど、今まで身長にコンプレックスなんて感じたことなんかなかった。
 まさかこんな形で身長気にするようになるなんて思ってもみなかったから変な感じ。
 今の自分がちゃんと女の子に見られる姿であるかどうかが身長も含めてあらゆる面で気になってしょうがない。
「大丈夫、最近は背の高い女性は増えてるし、僕なんか昔はこの身長でセーラー服着て女子高生やってたんだから」
 フォローするかのように頭上から響くハスキーな薫先生の声が降ってきた。
 振り返って背後にいた薫先生を見上げてみたらヒール履いた僕よりでかかった。
 確かにこれでセーラー服はキツイよ、薫先生のような人には特に。
「女優さんみたいに素敵ですよ。最近の女優さんは背が高い人が多いし、そういうドレスは背の低い人にはかっこよく着こなせないんですよ」
と橘さんもフォローしてくれたけど、僕、ほんとに大丈夫なのかな?
 今回のコンパニオンドールデビューは、絶対に男とばれないようにしなければならないし、お客様からのオーダー通りの女性になりきらなければならないお仕事なのに……。(続く)


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Posted on 2008/07/28 Mon. 14:58 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

マジで怖い話 


ブログネタ:怖い話、教えて!!
参加中



昔、連休はATMやってなくて、お金下ろし忘れた菊池は田舎に帰ると言ったのにお金がなくて青ざめたことがありました。



コンビニATMのなかった時代です。



所持金千円もなかったのに、親には帰省すると言っちゃってて……。



高速バスのチケット代がなくて方々に金策に走り、菊池はダメ元で会社行って、休日出勤していた部署の違う顔見知りの上司にお願いしてなんとか一万円貸していただいて田舎に帰省致しました。



今おもえば超いきあたりばったり。



あの時、休日出勤していた他部署の上司がお金貸してくれなかったら悲惨なゴールデンウイークになっていました。



実家に帰れなくて親には怒られ、連休中食費確保に引きこもりを余儀なくさせられたことでしょう。



その頃、菊池は米の買い置きしてなかったんです。



スーパーの半額シールの貼られたお勤め品のお世話になってたから、食糧の備蓄なんて部屋にはありませんでした。



所持金千円なかったから、カップラーメンで過ごすことになりそうで……。



実家に帰れなかったらいろいろとおそろしいことになっていたことでしょう。



もちろん恩人の上司様には、連休明けすぐに菓子折り持って一万円お返ししましたが、菊池ってば怖いもの知らずでした。



支部長から借金してたんで。



必死だったから、出世に響くとか全然考えてませんでした(汗)



以上、菊池の思い返してみると怖い話でした。




【おしらせ】


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Posted on 2008/07/27 Sun. 23:14 [edit]

レンタルドールKEI 27 

 最後のキーワードを得た瞬間、ものすごい勢いで頭の中で記憶の再生が成された。
『昨日も今日も反応無しでした』
『それは単に女性はダメなだけなのか?機能的にまるで使い物にならないのかを確認する必要があるかもしれませんね?出来る仕事が限られてしまいますから』
『いえ…先に薫先生にお願いしてみては?』
『薫先生に?』
『私の勘が当たっていたとしたら、これは薫先生にお任せするのが適当かと……デリケートな問題ですから』
『体の問題に非ずということですか?』
『はい、たぶん……ドールとして生かすためには、今必要なのは屈辱的な検査ではないと思うんです』
『わかりました。まずは、薫先生にお任せすることにしましょう。あなたの勘を信じて』
 クラブの寮に連れて来られて二日目に聞いてしまった橘さんと店長の会話の内容が最初に頭の中で再生された。
 その時の僕には会話の意味がイマイチわかっていなかった。
 でも、ダンスレッスン多めの時間割、薫先生の秘密のレッスン……そして、あの恥ずかしい出来事の前の薫先生の台詞。
『オナニーして見せて下さい』
 次々再生されていった会話の中にキーワードはあった。
 あれは、たぶん、僕が不能か女性にはまったく反応しないゲイなのかを確かめるために検査をしようと店長は言っていたのだ。
 それを止めて橘さんは薫先生に任せることを勧めた?
「秘密のレッスンじゃないじゃないですかぁ」
と僕がちょっと恨みがましくつぶやいたら、
「あれ?もしかして気がついちゃった?圭ちゃん、恥ずかしがり屋さんだから、僕以外は知らないことにしておくつもりだったんだけど……」
と薫先生はケロっとした顔してそう言った。
 僕はカーッと顔が火照るのを感じながら、
「秘密のレッスンのこと、橘さん以外はあとは誰が知ってるんですか!?」
と詰問した。
「このことは、僕と橘さんしか知らないよ。店長は、ダンスレッスン多めにしたその時間内に僕が適切な指導をしていると思っているから」
「本当に?」
「本当に。圭ちゃん、うたぐり深いなぁ。夜な夜な特定の…しかも、水揚げ前のドールと同衾してるのがばれたら、ヤバイの僕の方なんだけど?」
「どうしてですか?」
「前に言ったよね?ドールはクラブの大切な商品だから、スタッフが手を付けてはいけないって」
「はい」
「僕は圭ちゃんとセックスはしてないよね?」
「はい」
「でも、圭ちゃんの体の勃起と射精の確認作業を僕の手でやったことや、圭ちゃんを僕の部屋に呼んで一緒に寝ていることを店長に知られたりしたら、僕が圭ちゃんを犯してしまったんじゃないかって疑われることになる。大人のおもちゃ使ってあれこれしたんじゃないかとか……その場合、僕はクビになります」
と真面目な顔して言った薫先生は、
「犯ってもいないのに割に合わないでしょう?」
と続けて言って苦笑いした。
「さあ、明日はドールデビューなんですから、早く寝ましょう。むくみが出るといけないから、橘さんに今夜は禁酒するように言われてたんだけど、その様子じゃ寝付けないでしょう?今ホットワイン作ってあげますから、それ一杯飲んだら寝なさい」
と言って薫先生が作ってくれたホットワインを飲んでから僕は布団の中に潜り込んだ。
 新たに口止めされてはいないけど、店長にばれないように絶対秘密厳守しなくちゃと思った。
 僕は、恩を仇で返すような真似はしたくはないから……。(続く)


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Posted on 2008/07/27 Sun. 21:58 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

レンタルドールKEI 26 

 明日はいよいよドールとして初レンタルされる。
 今夜も先生と一緒に寝てるけどなかなか眠れない。
「圭ちゃん…眠れないの?」
と先生に声をかけられ、
「はい」
と答えた。
「むくむとまずいから、お酒飲ませるわけにいかないからなぁ。少し話しようか?」
「はい」
「圭ちゃんは、特別なドールなんですよ」
「特別?」
 先生のおもいがけない台詞に僕は驚いた。
「普通のドールは、ちょっとレッスンを受けたらすぐ水揚げです。その後も次々休む間もなくレンタルされます。圭ちゃんは素質があったし覚えも早かったから、コンパニオンのお仕事に必要なことを最初に教えこみました。単価は枕ドールの方が稼ぎはいいです。ただ、毎日絞り取られて苦痛になってしまったりもします。圭ちゃんの場合はカタカナのゲイじゃなくて、くさかんむりの方の芸を身につけてワンランク上のドールを目指した方がいいと僕も橘さんも判断しました。それで、ダンスレッスン多めにして、ドレスアップした時の立ち居振る舞いや礼儀作法やテーブルマナーも教えました。マナーに関しては、ほとんど教える必要ありませんでしたが……」
と語る先生の口から橘さんの名前が出てぎょっとした。
「なんで橘さんが?」
「あの人、オコゲ歴が長いから、『心は女っていう男』を見抜く目鋭いんですよ」
と言われても僕にはわからない言葉があって、
「オコゲってなんですか?」
と訊いてしまった。
「オコゲはオカマにこびりつくようにしてくっついていることから、お釜の底のおこげとかけてそう呼ばれるようになったらしいんですよ。オカマ大好きな女の子のファンみたいなものでしょうかね?ところが、最近はゲイにくっついてるオコゲもいるんです。僕にはよくわからない人種なんですが……ついでに言うと体操の先生は真性レズビアンですから男には興味がありません」
という先生の答えを聞いてめまいがした。
 この寮内にはまともな性癖の人はいないわけ?
 怖くて「店長は?」と聞けずにいたのに、
「それに、店長は縄師なのにMなんですよ~」
と笑いながら言われても困る~!
「だけど、あの人たちに『薫先生が一番変態!』とか言われちゃうのは、納得いかないんですけどね」
と不服そうに言った名前はどこかで聞いた覚えがあった。
「もしかして先生のお名前は薫さんっておっしゃるんですか?」
「そうですよ。たちば~なかぁおる~♪の薫。橘さんとセットみたいで笑えるけど」
と先生はクスクス笑っていたけど、僕の中では最後のワンピースがはまったパズルが出来上がっていた。
 すべてがつながってどういうことなのか一気に理解してしまった。
 ダメだ!よけい眠れない!!
「先生!ちょっとでいいから寝酒下さい!!」
とおもわず僕はお願いしてしまった。(続く)


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Posted on 2008/07/27 Sun. 21:17 [edit]

『レンタルドールKEI』連載中  /  TB: --  /  CM: --

レンタルドールKEI 25 

 秘密のレッスンはしばらく続いた。
 先生の部屋で時々香るバラの花の香りは、バラのアロマを焚いているのだと教えられた。
 そんなある日、
「圭ちゃん、バラの花の香りは好き?」
と先生に訊かれて、
「はい」
と僕は正直に答えた。
「じゃあ、これをあげようか?」
「なんですか?」
 ガラスの小瓶を手にしてそう言う先生に訊ねてみたら、
「飲む香水。ソフトカプセルの中にバラの香りのエッセンスが入っていて、飲み続けると口臭も体臭も汗もバラの香りになる。これはクラブで使用禁止されていないサプリメントだから大丈夫だよ」
という答えが返ってきた。
 先生に手渡された小さなガラス瓶の中には、黄金色した楕円形のつぶがびっしり詰まっていた。
「飲んだらすぐバラの香りになるんですか?」
「すぐは無理。しばらく飲み続けないと効果は現れないよ」
 僕はちょっと迷ったけど、
「欲しい?」
と先生に尋ねられて、
「欲しいです」
と答えてしまった。
 自分の男臭い体臭を消してしまいたかったし、大好きなバラの花の香りに包まれていればなんだか安心出来るような気がしたからだった。
「最初はプレゼント。次からは通販で取り寄せしてあげるから代金引き換えね」
と言われ、
「ありがとうございます」
と僕はお礼を言った。
 しばらくそのバラのサプリメントを飲み続けて僕の体臭がバラの香りに変わった頃、
「圭ちゃん、すごい上達早いよ!さすが運動神経と身体能力のレベルが高い子は違うね。筋もいい」
と先生にベタ褒めされたらなんだか居心地が悪いような感じがして、
「そんなことないです」
と言ったら、
「普通はこうはいきません。素質だけじゃなくてまじめに圭ちゃんが一生懸命がんばっているから、短期間でここまで上達したんですよ」
と先生は言った。
 僕はレッスンで社交ダンスをそれなりに踊れるようになっていたけど、それが当たり前なんだろうと思っていたから、先生にそんなに褒められるとなんだか照れ臭かった。
 でも、うれしかったからもっとがんばった。
 こんな風に手放しに誉められたことなかったから、うれしくてうれしくてたまらなかったから……。
 どんなにがんばっても褒めてくれなかったお母さんのことをちょっとだけ思いだして泣きそうになったりもしたけど、がんばって結果を出せば褒めてもらえるということは僕のやる気を引き出してくれた。
 そして、僕の異例のドールデビューが決まった。
 通常は初仕事イコール水揚げで、初めてお客様に体を買われることになる。
 けれども、僕は、お客様のパーティーのパートナー役としてのお仕事で、クラブではコンパニオンドールと呼ばれるセックスのお相手無しのドールのレンタルでドールデビューすることになった。
「コンパニオンドールとしてレンタルされる場合は料金が安いので、お客様がその気になってしまっても絶対にセックスのお相手はお断りして下さい。次回通常のドールレンタルでご指名いただくようにして下さいね」
と店長には念を押されていたものの、しないで済むものならしたくないのが僕の本音だから、コンパニオンドールの件を説明された時には「絶対断るって!なんでそんな当たり前のことを念押しされるわけ?」と不思議に思ったりしていた。
 それよりも、今回は、お客様の女性の恋人の振りをして、親が用意した縁談をぶち壊すお手伝いをするとかいうのがお仕事内容なんだけど、僕で大丈夫なのかな?とか不安になっていた。
 僕にはまるで自信がなかった。
 顔は双子の玲ちゃんにそっくりとはいえ、女装した僕は…外に出てもちゃんと女の子に見られるんだろうか?
 ばれたらどうしよう?と思ったら怖くてたまらなくなってしまった。(続く)


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Posted on 2008/07/27 Sun. 18:14 [edit]

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レンタルドールKEI 24 

 ついてる……。
 手術したと聞いてても、実際に見せられたらその衝撃は強烈だった。
「これは立ちション用ホース。残念ながら勃起はしませんから、セックスには使えません。こっちの玉は中身はシリコンボール」
とつまんで説明されてもコメントのしようがない。
 くるりとこちらにお尻を向けた先生が、
「男風呂やサウナでこういう体勢なって後から見えちゃってもわれめ無し!」
と言ったところまでは、見てるのがちょっと恥ずかしいような気がしていたのだけれども、それでもなんとか黙って見ていられた。
「でもね、密かにここに穴はあるんですよ」
と前屈みの体勢で、男の体には穴は無いところに人差し指を突っ込みながらそう先生が言ったものだから、僕はびっくり仰天してしまった。
「な、なんでそんなところに穴があるんですか!?」
「今はこういう姿でも元は女の体なもんで、全部ふさがなければ使えるから……リクエスト通りに手術してもらうために、わざわざタイ語習ったんですよ。現地行って医者とタイ語で話すか筆談するかしないと希望通りになりませんから。最近は性転換ツアーのコーディネーター兼通訳とかがいるらしいんですけど、特殊なオーダーがあるなら直談判しないとダメですし、僕が飛んだ時にはそんなツアーなかったから」
「特殊なオーダーって…どうして完全に男の形にしなかったんですか?」
「滅多にここは使わないんだけど、塞ぐとまずい事情が有るからなんだ。セックスの方は僕はタチだから、基本的に相手に大人のおもちゃや手指や腕を使うんだけど…ただ、男性ホルモン摂取出来ない事態に陥った場合に、生理がきちゃっても経血の排泄を出来るようにしておくためには穴は必要なんだ。僕は尿道経路の変更と外性器の形成しかしてないから、子宮も卵巣も卵管も全部そのまま残ってるもんでね」
とあっけらかんと言う先生に僕は唖然としてしまった。
 男性ホルモン摂取出来ないと、男にしか見えない先生に生理がくるという話にも驚いていた。
「玉で普段はこの穴は隠れるけど、まあ、なんとか使用可能ではある。きついんだけどね」
とそう先生は続けて言ったけれども、僕はありえなさ過ぎると思った。
 先生が挿れられてるところはちょっと想像したくなかった。
「先生は、その…挿れられるのはいやじゃないんですか?」
 僕はおもわず訊いてしまった。
 すると、
「嫌だったよ、こういう体だった頃は」
と開いたままのアルバムの写真を先生は指さした。
 今の先生とは全然違う女らしいラインを描いた体を。
「男性ホルモンの注射始めて男性化が進んできて、生理が止まって、すね毛が濃くなったり、ひげが生えてきたり、声が低くなったりして……手術でおっぱい取ってから、やっと割り切れるようになってきたかな?トランスセクシャルの中でも異端な僕は不利だから。タチでもセックスで使用可能な本物の男のモノは持っていないし、相手がバイだと女に持ってかれることもある。ずるいかもしれないけど、万年ED状態のゲイでドSの僕は女の部分を武器にするしかない。でも、ここを使って攻めることも出来るから、受け身のセックスなんてしないよ」
と言って先生はニヤリと笑った。
 そして、
「ハンデがある分したたかにならないとね」
と僕の目をのぞきこんで言った先生の目は猫科の動物のような目をしていた。
 猫じゃないけど…肉食獣の豹とかチータ系?
 みつめられたら背筋がざわっとした。
 パンツとパジャマのズボンを一気に上げた先生は、
「だけど、穴を使い過ぎるとだるくなるからあんまりしないんだ。気のせいかお肌の調子はよくなるような気はするんだけどね~」
とちょっとぼやき気味にそう言った。
「なんでですか?」
「う~ん、たぶん女の部分でセックスすると女性ホルモンの分泌活性化しちゃうせいじゃないかな?女性ホルモンのエストロゲンはお肌の調子を整えてくれるらしいから。受精しやすいように、セックスの後は動きたくなくなるように脳が指令出して、だるくなるようにしているとかいう話も聞いたことあるけど、僕の場合はムダ打ちだから意味ないんだけどね」
「どうしてムダ打ちなんですか?」
「男性ホルモンの注射打ってると生理は止まる。排卵してないから、避妊無しでいくらやっても妊娠しない。相手ムダ打ちでしょう?やった後にだるくてなっておとなしく休んでいても排卵してない僕が受精するわけないから脳からの指令もムダだし」
と先生はニヤッと笑った。
 でも、すぐに真顔になって先生は遠くを見るような眼差しでつぶやいた。
「僕は絶対に妊娠する心配が無くなったから、割り切れるようになったのかもしれないけど…」
 先生のその言葉を聞いてふと思った。
 あたりまえのことなんだけど、女の人は妊娠するんだっけ……。
 昔の写真見せられても、僕にはやっぱり先生のことは女の人には見えないし、先生のお腹が大きくなって赤ちゃんが生まれてくるとこも想像出来ない。
 それに…僕は、レイプされたあの時だけは男の体でよかったと思った。
 輪姦されて妊娠…なんてことは考えたくもなかったから。
「今日はもう寝なさい。寝不足はお肌の大敵ですからね」
と先生に言われてベッドの中に潜り込んでからは、
「圭ちゃんは、これからドールのお仕事でいろんなお客様に抱かれることになります。でも、幸か不幸か圭ちゃんの体は妊娠しない体だから、快楽だけ教えてもらって来なさい。ドールは愛されるものだから。愛されるために存在するものだから…」
と繰り返し耳元で囁く先生の台詞を聞いているうちに僕は眠りに落ちていった。
 快楽なんかいらないけど……
『こんな僕でも愛されることなんかあるの?』
 目尻に湿った感触を感じながら、眠りに落ちる最後の瞬間に自問自答した答えはNOだった。(続く)

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Posted on 2008/07/27 Sun. 14:44 [edit]

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レンタルドールKEI 23 

 お風呂から出たら、なんだかいい匂いが漂っていた。
 花の香り?
 ベッドの端に腰を下ろしたら、
「飲みなさい。特製ハーブカクテルだから」
と大きめのマグカップを先生は差し出した。
「これには何が入ってるんですか?」
 僕は、オレンジジュースだと思っていたスクリュードライバーで失敗していたため用心して訊いてみた。
「カモミールティーと白ワインとはちみつとラム酒少々。寝酒に一杯くらいならどうということはありませんよ」
と先生は答えた。
「おめでとう。圭ちゃんは肉体的には問題なくドールのお仕事を出来る状態です。精神的な問題解決をする必要性はありますけどね」
と先生に言われこの先どうなるのだろうと思ったら更に気が重くなった。
 温かかくて甘いカクテルを飲み干したら、
「このアルバムを見て」
と渡されたアルバムには女の子の写真が貼られていた。
 やんちゃで元気そうな女の子は、どの写真でも笑っていた。笑顔で破顔しているからよくわからないけれども、顔のパーツ的に元々の顔立ちは整っていそうだ。
 成長過程がわかるそのアルバムの写真の最後は、ボンデージを着て鞭を手にした女王様だった。
 背が高そうで手足の長いその女の人は、おっぱいが大きくて、ボンキュッボンのダイナマイトバディーだった。
 キツイメークで怖そうな顔しているし、カメラを睨みつけてたんだろうな?
 目線が鋭い。
 それにしてもなんでこんなアルバムを見せられたのだろう?
「それね、まだ女だった頃の僕」
「え!?」
 先生の発言に驚いた僕は、写真と先生を見比べてしまった。
「同一人物には見えないでしょう?」
と言われ僕は無言でうなずいた。
「これがおっばい取る前の僕。男性ホルモンの注射もまだだった頃」
と女王様姿の写真を指さした。
「大学生の時、SMクラブの女王様のバイトやって手術費用貯めたんだ。おなべホストやるよりそっちの方が稼げたし、僕は昔から男が好きだったから」
と先生は言ったけどこんなに変わるものなの?
「僕は縮胸手術の他に整形もしてるんですよ。鼻だけですが、顔の第一印象では顔の真ん中にある鼻が気になるもので、ぱっと見は鼻の大きさや形で男か女か判断しがちなんです。それで、男らしい鼻に整形してもらいました。おかげでパス度アップしました」 
とニコッと先生は笑った。
「パス度ってなんですか?」
「自分の見られたい性別に他人に見られることです」
「先生はパス度高そう」
と僕が言ったら先生はうれしそうな顔をした。
「胸と鼻は日本で手術を受けましたが、下はタイに飛んで手術しました。あっちの方が安く簡単に出来るけど、タイ語覚えてこちらの要望を伝えられるようになってから飛んだから、ちょっと大変でしたが…」
という先生の台詞にはびっくりした。
「下って……」
「見る?」
と言った先生は僕の返事を待たずにパジャマのズボンとパンツをさっさと下ろしてしまった。
 僕はびっくりしすぎてそれを凝視してしまった。(続く)


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Posted on 2008/07/27 Sun. 00:00 [edit]

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レンタルドールKEI 22 

 先生がバスタブにお湯をためておいてくれたから、体を洗ってからお湯に浸かった。
 特にアソコは念入りに洗った。
 ティッシュが貼り付いちゃってたから……。
 なんで先生が、
「お風呂入ろう」
って言ったのかはそれ見て気づいた。
 欲求はなくてもたまるものはたまっていたから、僕の体から吐き出されたそれは粘着性が高くて、ティッシュで拭いてもペタリと貼り付いて取れなくなってしまったからだ。
 嫌悪感が増した。
 気づかなければこんなに苦しまずに済んだのに……。
 僕は、はっきりと自分の体の男の部分を拒絶し嫌悪するようになっていた。
 犯され穢された体を高値で売って売りまくって堕ちるとこまで堕ちるか、何も感じなくなるか……行き着く先はそんなところかと思っていたのが、ひょうたんからこまが出た。
 玲ちゃんにお金と一緒に残して来た、
『探さないで下さい。僕は女になります』
が本当になりそうなんだからしゃれにならない。
 あの時は、実家から見放されるようなことを書こうと思ったら、あの文章が思い浮かんだだけで、本気で女の子になることは考えてなかった。
 犯されたのは男の僕だったはずなのに、今の僕はまるでレイプされた女の子みたいに男を怖がっている。
 女の子になりたかったんだっていう自分の本当の気持ちにここに来て気づくなんて計算外だった。
 自分の体から放った精液にも嫌悪感を感じた。
 あの臭いは嫌なことを思い出させるから。
 こんなんでドールの仕事に耐えられるんだろうか?
 僕は、クラブのドールとして男に抱かれなくてはならないのに……。(続く)


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Posted on 2008/07/26 Sat. 21:14 [edit]

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