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『鬼畜の戯言』菊池乱☆出版社の倒産により現在電子書籍配信ストップ中

秘密クラブからレンタルされる豊胸女装美少年レンタルドールシリーズ(SF/SM/BL/ML/JUNE/GID/女装/TS/etcな小説)言論と表現の自由を守ろう!不当なネット規制反対!不適切な規制は解除すべきです!!

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2015年12月24日

こねこ時計 ver.3

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地球の名言Ⅱ


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こんな世の中に誰がした!? 

20080323152907
僕は、精神病で精神障害者だ。

中学生で発病して、あっという間に障害者認定されるような病状にまで陥った。

それでも、以前は、平気で自分のことを、

「僕はキチガイだから、しょうがないのさ~」

なんて冗談言って笑ってた。

一緒にその冗談を笑ってくれた友達もいた。

でも、今は、障害者本人である僕が言っても書いても「差別用語」は法で規制されるんだってさ。

新しく制定された「人権保護法」とかいうやつで、言葉狩りが行われたからだ。

今は、言ったり本やネットに書いたりしただけで、逮捕される言葉もある。

「差別に該当するから」

と排除された言葉は、差別について説明するのに必要な言葉だったのに……。

もう、

「差別はしちゃいけないことなんだよ」

って話も出来ない。

なんかこれっておかしくない?

健常者の友達も僕の周囲の人たちも、ほとんどの人は差別なんかしなかったよ?

そういうことする人も確かにいたけどね。

差別したのは、国のほうだろ?

次々、「障害者のために」という名目で制定された法は、僕ら障害者の選択の自由を益々狭めていった。

職業選択の自由を奪われ、障害者専用の『お金を払って』仕事をさせてもらうなんて、奇妙な施設で障害者が働かされることになった。

社会復帰のためのリハビリとかいうものらしいんだけど、なんで障害者がお金払ってまでして仕事させてもらわなくちゃならないわけ?

わけわかんないよ。

障害者の医療費負担は、以前の制度よりも自己負担額が上がり、今までよりも経済的に困窮する人も出てきた。

年金納めた期間が足りないと、障害年金は支給されない。

当然、ハタチ前に障害者になった僕みたいな国民年金一円も払ってない人間は、障害年金はもらえない。

大人になったら、なんとか出来る仕事をして自活するか、生活保護申請するしかないんだ。

生活保護申請もいろいろと条件厳しいから、肩身の狭い思いして、身内に食わせてもらっている人もいる。

それもダメだったら、もう、ホームレスになるしかない。

僕と同じ病気で身寄りのない人は、けっこうホームレスになってたりするって話を以前聞いたことがある。

障害者であることを隠して、健常者の振りして普通に就職活動している人もいる。

そうしないと希望の職種へ就職出来ないからだ。

完治しない精神障害を抱えている先輩は、就職活動しようとして、ハローワークの障害者用窓口へ行ったんだけどね、職員に病名聞かれて正直に答えたら、

「あんたの病気は、働けないから。無理だから」

って門前払いくらったって泣いていた。

その先輩は、病状悪化する前は、接客業のバイトして自活してたんだよ?

以前より、負担の軽い仕事なら出来ないわけじゃないんだよ?

これじゃ、健常者の社会から、障害者は排除されてるみたいだよ。

そのうち、「障害者のために」なんて名目で「障害者村」でも作って、そこに障害者は閉じ込められて、隔離でもされるんじゃないかってみんな怯えてる。

健常者との区別が進むことを怖れている。

障害者でも健常者の恋人や家族はいるからね。

僕にも健常者の恋人はいる。

でも、会えない。

僕の恋人は、法案反対運動派手にやったから、法案成立後、人権保護委員会に逮捕されたんだ。

テレビのニュース見てたら、まるで「国賊」扱いされてる。

法案成立前は、あの法案に関するニュースはまったくテレビは報道しなかったのにさ。

彼が釈放されても、会えるかどうかはわからないから憂鬱。

なぜなら、新しい法律で「同性愛」が禁じられたから。

僕の恋人は男なんだ。

でも、なんで人が人を愛することを法で禁じられなければならないの?

男女の組み合わせじゃないってだけで……。

どっちかが性転換手術して、形だけでも男女のカップルになったら許してくれるの?

男同士のままでは、いつ逮捕されるかわからないまま、こそこそ会うしかないの?

同性愛者のブログもサイトも小説も漫画もドラマも、同性愛描写のあるものすべて規制され、次々削除されている。

出会いを求める同性愛者のための掲示板やサークル系サイトもどんどん消されてる。

国は、都合の悪いことにはみんな「臭いものに蓋」をしているんだ。

いろんな差別問題も、言葉狩りのせいで、論議することも本やネットに書くことも出来なくなった。

過去の汚点は、国はそうやって消すつもり?

そうやって、「差別」なんてなかったことにするつもり?

国民同士の差別やいじめは、表向きはなくなったけど、ひそかに「おまえらのせいだ!」という憎悪は芽生え育っている。

「差別から守るため」と、法案の推進派が強引に可決に持ち込み成立させた法律で守られるはずだった人たちが、国民から逆恨みされている。

あからさまな差別やいじめはない。

でも、今、僕には学校では友達と呼べる人がいないんだ。

先生も同級生も、僕のこと、腫れ物に触れないようにするみたいに扱う。

必要以上に関わらないようにしてるのがわかる。

うっかり「差別」と判断される言葉や行為をして、逮捕されるのが怖いから。

法で「腫れ物」にされた僕は孤独だ。

教室内でいじめられてはいないよ?

でも、一人ぼっち。

はっきりとわかる形で差別されたり、いじめられたりしてた頃の方がマシだったかも?

少ないけど友達はいた。

差別やいじめに抗議して、戦うことも出来た。

でも、今は、周囲に対して僕は怒ることも出来ないんだ。

法で障害者の僕は「守られている」ことになっていて、僕がうっかり何か不満を漏らせば、「差別だ!」と逮捕される人が出るかもしれないから……。

そんなこと、僕は望んじゃいないのに!

誰にも言えず、ネットにも書き込めず、たまったストレスは僕の病状を悪化させていく。

僕は壊れていく……

それでも、まだ考えられるから考えてみる。

新しい法の制定なんか、僕もみんなも望んでなんかいなかったはず。

「こんな世の中に誰がした!?」

諸悪の根源について、僕は一人考え続けている。(Fin)


※この小説は、フィクションです。架空のお話です。この小説で書いているような国家法案は、現行法にはありません。今後、このような法案が成立した場合はどうなるか?という一つの例え話に過ぎません。ただし、実際にあった理不尽なエピソードは一部使用しております。

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Posted on 2008/03/23 Sun. 17:12 [edit]

ショートストーリー(風刺小説)  /  TB: --  /  CM: --

やっかいなドM 

昔、合法ドラッグなんてものがあった。

実際のところは、規制する法がないから取り締まれなかっただけの脱法ドラッグだったわけで、合法なんかじゃなかった。

使用者は、売り手側がつけた「合法」なんて言葉に騙されていただけだった。

後に違法ドラッグとして販売業者は摘発され、「合法ドラッグ」と呼ばれたそれは表向きは消えた。

しかし、裏ではまだ密かに流通しているかもしれない。

規制摘発後に、ラッシュ吸引してくらっとして倒れてクラブの階段から落ち、救急車で運ばれたなんて友人がいる。

「もう、やめろって言っただろ?」

と俺が言っても、

「ポン中だから仕方がないって~」

と笑っていたヤツが今どこで何をしているかは俺は知らない。

覚醒剤はやめていたはずだった。

アルコール依存症なんてかわいいもんじゃなくて、昔ながらのアル中と言いたくなるような酒量で、肝臓やられていたのに昼間からポン酒飲んでたりするようなヤツだった。

きれいなヤツだったんだけどな……

今、生きてるだろうか?

酒やドラッグに溺れ依存するくらいなら、俺に依存すればよかったのに…と思ったりすることもあったが、あれはかなりやっかいなタイプのドMだ。

残念ながら、調教師の俺の手にはおえないタイプのMだった。

普段は奔放に女王様しているくせして、惚れて惚れて惚れぬいた男一人にしか自分のMな部分をさらけ出すことはない。

享楽的でありながら、自ら生きずらく自分を締め付けてしまうほど一途。

まわりのやつらには気ままに生きているように見えただろう。

ところが、実は不自由で不器用な生き方をしているヤツだった。

俺の調教では、心を縛っているなにかから解き放って飛ばしてやることができないタイプの男だった。

なぜなら、ヤツは俺に惚れてはいなかったから……。

単なる親しい友人の一人。

通常の調教には、恋愛感情は必用ない。

だが、やっかいなタイプのドMのヤツは自分が惚れこんだ相手でなければ、調教されることすら許しはしないだろう。

「惚れて惚れて惚れ抜いて、命すら預けても構わないと思えるくらいの男じゃなきゃ、ひざまずいてなんかやらない。私は『たった一人の私の旦那様』にしか調教されてやらないんだから」

と冗談混じりに笑って言っていたあの言葉はおそらくヤツの本音だろう。

生きていたら……

まだ、奔放で窮屈な生き方をしているのだろうか?

それとも、ヤツはみつけたのだろうか?

「たった一人の私の旦那様」

とかいう唯一無二の存在を。

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Posted on 2008/04/06 Sun. 17:31 [edit]

ショートストーリー(風刺小説)  /  TB: --  /  CM: --

地下での逢引 

一見ごく普通のクラブの男子トイレ。

ここは、トイレが男女分けされていて男子トイレにも個室が多い。

俺は、一番奥の個室に入ったがわざと鍵はかけなかった。

そして、何も知らないやつらは気づきもしない壁のわずかな凹みを押した。

秘密の扉は音も立てずにスーッと開いた。

目の前の細い階段を俺は降りて行った。

「誰にも見られなかっただろうな?」

地下の入り口に入った途端、守衛に声をかけられた。

「見られたとしてもトイレに入ったとしか思われないさ。そのための入り口だろ?」

「確かにそうだが…相手みつけたらさっさとことを済まして出てけよ。長居は危険だからな」

「わかってるって……じゃ、また後で」

後手に手を振って、俺はさっさと目指すフロアーへ向かった。

少しの時間も無駄にはできない。

薄暗くカーテンの仕切りがやたら多い地下のフロアーで、少し時間をずらして先に降りて行った相方を探した。

ダークブラウンに染めているあいつの頭をカウンターで発見した。

出逢った頃は、小汚い中途半端な茶髪で髪は痛みまくっていたしバカっぽく見えたが、今くらいの髪色だと賢そうに見えるから不思議だ。

後から手を伸ばしさらっと髪を撫でてやると、

「真人?」

と彼は振り向いた。

「早く個室行こう」

と俺はひさしぶりに会った恋人にそう言った。

いろいろ話したいことはあるが、今ここでしかできないことを優先した。

抱き合うのにギリギリの狭い空間には、革張りのソファベッドとトイレットペーパーしかない。

ゼリーとコンドームは自前で用意してくるのがお約束だ。

後始末で拭き取りしたトイレットペーパーはトイレで流して証拠隠滅。

万が一、やつらに踏み込まれても、見られてヤバイものを最小限にしておけば、証拠不十分で済むこともある。

ちょっとキスしてやっただけで、

「真人、はやく…」

と彼は脱ぎ始めた。

若いからな。

我慢が効かないあの感覚には覚えがある。

限られた時間、二人ケダモノのように抱き合った。

性急におこなわれたそれはなんとかタイムリミット前に終った。

本当はまだ足りない。

それでも、ここに長居するのは危険だ。

お互い身支度整え、彼を先に地上に送った。

今現在、男同士で抱き合うことができるのは、自宅以外ではこういったクラブの地下にある秘密のフロアーと個室だけだ。

男専用の会員制ハプニングバーのようなものだが、その存在は秘密にされていて会員の紹介がなければ出入りどころかそういう場所があることも知ることはない。

なんでこんなことになったかというと、数年前に同性愛を禁じた法律ができたからだ。

それを取り締まる機関が、ホテルの男同士での利用を禁止し、同性愛関連のサイトも削除した。

それでも、今まで通り発展場で交流っていうか交合?とかしてたわけなんだけど、そこも現場摘発され壊滅状態になった。

自宅でこっそりなんてやつはいるけど、お互い実家だったりするとここか誰かに見られるリスクの高い場所でやるしかない。

禁止されたって男が好きなんだからしょうがない。

世の中には、EDじゃないけど女じゃ勃たない男が存在してるわけで、俺もその一人。

でも、性欲はまともにある。

ただ、その性欲のベクトルは女に向ってはいないだけだ。

好きな男…あるいはちょっと好みのタイプだな程度でもいい、男なら。

とにかく男じゃなければどうにもならない。

そういう男たちが逢引するためにこういう秘密の地下フロアーは密かに作られた。

禁止したってなくならないものは確かにある。

表からは姿を消し去り、こうやって地下に潜るだけだ。

「もうそろそろいいだろう?」

彼が行ってから少し時間を空けて、俺は地上のあのクラブの男子トイレの個室につながる階段を昇って行った。

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Posted on 2008/04/07 Mon. 22:12 [edit]

ショートストーリー(風刺小説)  /  TB: --  /  CM: --

IDカード~子供は見ちゃいけないもの~ 

「やばいって!やっぱやめよう」

「大丈夫だって、いつもやってるけどばれないもん」

「IDカードの使用記録残ってるから、調べられたら今までの分のも全部ばれるよ!」

僕は幸喜を止めようとしたんだけど、幸喜はお母さんのIDカードをパソコンの挿入口に差し込んでしまった。

大人のIDカードの情報が読み込まれて認証されたら、子供が見れないサイトもインターネットで見れる。

子供が見ちゃいけないものをネットで見せないために、ネット規制するために僕らが生まれる前に作られたIDカード。

これは、タバコの自動販売機から始まったという。

今は、日本全国民がこのIDカードで管理されている。

パソコンは、IDカードを挿入しなければネットつなげない。

そして、子供は大人たちが「子供は見ちゃいけない」と決めたサイトは見れないようになっている。

子供が見れないサイトは、18才になったら見れるものと20才にならないと見れないものがある。

でも、「見ちゃいけない」と言われるものほど気になるのが本音。

幸喜は、お母さんが出かけている間に、こっそりお母さんのIDカードを使って「子供は見ちゃいけない」サイトを見ていて、今日は僕を誘ってきた。

「ほら、見てみろよ。大人はこんなことやってるんだぞ」

ネット検索かけて目当てのサイトを開いた幸喜にそう言われて、僕は幸喜の肩越しにパソコンの画面を覗き込んだ。

大人の男女が裸で抱き合い絡み合って動いている動画が映し出されていた。

音声も流れている。

なんだかえっちな声が……。

何してるのかは僕にはわからなかった。

でも、なんだかドキドキムラムラしてしまったし、あそこは勃ってしまっていた。

「これが、セックスってものらしいぞ」

と幸喜は平気な顔してそう言った。

言葉だけは知ってる。

だけど、どういうことするのかは僕は中三になってもまだ知らなかった。

本の購入時もIDカード提示が必要だし、ネットもメディアも規制されている。

大人に訊いても誰も教えてくれなかった。

「おまえ、顔赤いぞ。もしかして勃っちゃった?」

からかうように幸喜は言って僕の股間に手を伸ばしてきた。

「勃ってるじゃん。これと同じことしてみる?」

「え?ダメだよ。大人にならないとしちゃダメなんだよ!」

あわてて幸喜から離れて僕はそう言った。

「誰にも言わなきゃばれない」

幸喜は、パソコンの前の椅子から立ち上がると僕を抱きしめズボンの上から股間を揉んできた。

「気持ちいいらしいぞ。あれ見て興奮しちゃったんだろ?試しにやってみよう」

と耳元で囁いてきた幸喜に逆らいきれずに、僕は幸喜とセックスしてしまった。

気持ち良くなくて痛かったのに、

「初めては痛くてあたりまえらしいぞ」

という幸喜の台詞を鵜呑みにして、何も知らなかった僕は、その後も何度も幸喜とセックスしてるうちに気持ち良くなった。

ところが、ある日、幸喜のお母さんにばれてしまった。

めちゃくちゃ怒られたけど、それは「子供がセックスしたから」だからじゃないみたいだった。

僕には、なんで怒られてるのかわからなかった。

子供じゃなくてもしてはいけないことをしてしまったみたいなことを言われたけどわからない。

大人になればセックスしてもいいんだよね?

わけわかんないよ。

僕らは引き離されて、幸喜は学校も転校させられた。

なんでそんなことになってしまったのかは、その時の僕にはわからなかった。

僕は男同士でセックスすることは禁忌事項として、僕らが生まれる前に「同性愛」とかいうものに関する情報があらゆるところから削除されていたことをその時はまだ知らなかった。

でも、幸喜に会いたいと思った。

会いたくてたまらなかった。

幸喜とセックスしたいとも思った。

大人になってもあれは女の子とではできないことだということを僕はもう体で知ってしまったから……。

※ショートストーリーの『こんな世の中に誰がした!?』の二十年後くらいのお話です。
平成20年4月8日 「モバイルコンテンツ審査・運用監視機構」設立。
現実問題として、携帯サイトの規制が実際にこれからはじまります!
サイト運営者が申請して通らないものは、すべて未成年者が携帯から見れないサイトになります。
今後、人権擁護法案やネット規制法案が可決され、法規制もおこなわれた場合は、10年、20年後、この小説のようなことが現実に起こる可能性もなきにしもあらず!?

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Posted on 2008/04/10 Thu. 17:41 [edit]

ショートストーリー(風刺小説)  /  TB: --  /  CM: --

規則ですから 

「義父は軽い認知症で、元々、短気な性格の人でした。『出てけ~!』と怒鳴られたら、義父の持ち家であるあの家から私たちは出て行くしかないじゃないですか!?」

と人あたりの良さそうな感じの嫁は困った顔してそう言った。

「そうは言っても、私たち人権保護委員と致しましては、介護が必要な老夫婦を放ってはおけません。息子さん夫婦が同居出来ないのであれば、施設に入れさせていただきますよ」

「そんな!毎日、様子見に行って、お洗濯やお掃除して、お義父さん、お義母さんのお好きなお惣菜作って置いて来ても、同居していなかったらダメなんですか?」

と食ってかかるようにして言った嫁の目は涙で潤んでいた。

「規則ですから」

としか私は言えなかった。

 口の中になにか苦いものが広がっていくのを感じた。

「つくってみなけりゃわからない!」

という声も法務局内部で上がっていた人権保護法が成立してみたら、矛盾だらけの世の中になった。

 法による保護を目的として、自宅で暮らすことを望んでいる老人を半ば強制的に国営の介護施設に入れ、収入に応じてスライド式の入居費を取るようになった。


 国が支払っている老齢年金を出来る限り国が回収しようとした結果、国営の介護施設が増設され老人狩りが始まったのである。


 また、自立支援施設で利用料金を障害者たちに支払わせて「リハビリ」と称して強制的に労働させるようになったため、一度障害認定を受けたら「障害者」の肩書がはずれることがなくなった。


 うつ病などの治る精神疾患で障害年金支給されている者も心身不調で、働けなくなったから障害年金の申請をしたというのに、療養どころの話ではなくなってしまった。


 どんなに具合が悪くても人にうつる感染症でもなければ施設からの迎えの車で施設に行き、働けないなら利用料金を支払って休憩所でただ寝ているだけなんてこともある。


 障害年金受給者から国が金を回収するために強制的に執行されるようになったこのシステムのせいで、病状悪化して自殺するものが後を絶たないが、死んでくれれば国は障害年金を払わなくて済むわけだから、この偽善的なシステムは年金支給額を減らすのに一役買っていたりする。

 児童虐待を理由に、親のところに帰りたがっている子供を帰さず施設に収容したままでいることもあるが、しっかりとその間「預かり料」を親から取っている。

「禁書焼き」

と称して規制に抵触した本が燃やされた。

 同人誌と同性愛、児童ポルノの単純所持に該当する幼い少年少女の裸体や性描写のあるものが大量に燃やされた。

 しかし、単純所持者には、未成年の少女が多数いたため対処に当局は困惑している。

 通常は罰金刑なのだが、大量に10代の前科者が出るわけで、本来の青少年の健全な育成という目的からは掛け離れてしまう。

 ちなみに、今回逮捕されたのは、腐女子・腐男子とかいうオタクでショタものを好むという中高生を含む未成年者たちである。

 日頃の素行にはなんら問題のない普通の少年少女たちだ。

 禁書焼きが行われた時には、所持していたそれを没収されて焼かれた少年少女たちは号泣したという。

 そこまでやる必要性が一体どこにあるというのだろう?

 しかも、あの法案の黒幕と言われている某団体は、教科書から差別の歴史や自分たちが卑下された事実の削除までしようとしているらしい。

 それがなんになるというのだろう?

 心からの、

「ごめんなさい」

を言えない子供たちがいずれ大人になる。

 差別なんてものは、人の心の中にあるものだから、いくら法で処罰したところでなくならない。

 新たな差別が生じるだけだ。

 この国はいつから教育やしつけを出来ない国になったのだろう?

 私は、今やっている人権保護委員という自分の仕事に疑問を感じている。

 しかし、反論は許されない。

 人権保護法成立後の言論弾圧により、人権保護法案反対運動をやっていた人々と同じようなことを言えば逮捕される。

「正しいことを正しい」

「間違っていることを間違っている」

 そんなことさえも言えない世の中で、この国の子供たちはどうなっていくのだろうか?
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Posted on 2009/08/04 Tue. 16:57 [edit]

ショートストーリー(風刺小説)  /  TB: --  /  CM: --

そして、日本はブラックバスに乗っ取られた 

 2X60年、衆参同時選挙の結果を目の当たりにして、

「日本はブラックバスに乗っ取られた。在来種は負けた」

と釣り好きな祖父はがっくりと肩を落としてそうつぶやいた。

 移民党の大圧勝により政権交代。

 昔、日本人と呼ばれたこの国の国民とは、顔立ちの特徴も、肌の色も、髪の色も、目の色も異なる政治家が多数議席を獲得し政権獲得したことを、昭和生まれの祖父はそう例えた。

 祖父は昔の日本民族の純血種だから、ショックだったのかもしれない。

 昔は「日本は単一民族」なんて間違った発言をした政治家がいたくらい、黒い髪、黒い眼、黄色人種の中でも特にきめの細かい美しい肌を持った日本民族がたくさんいた国だったのだ、日本という国は。

 古い映画を見るとびっくりする。

 顔をよく見なければ良く似た姿の俳優や女優ばかり。

 体格も似ているとうっかり見間違えたりする。

 だけど、最近はそういう人の方が少なくなってきている。

 日本民族の純血種である祖父の孫である僕は、日本民族の純血種ではなく、中国人の母を持つ中日カクテルだ。

 昔はハーフだのクォーターだの言ってたのを、今はカクテルって言葉に置き換えている。

 まるで「欠けている者」のように表現されるそれらの言葉が差別用語とされたからだ。

 今の日本にはいろんな国のカクテルな子供たちがたくさんいる。

 でも、僕のように日本人の父と中国人の母が国際結婚して、最初から日本人として生まれてくる子供自体は昔とそう数は変わらないらしい。
 
 それよりも、父親に認知してもらって、後から子供に日本国籍を取得させる外国籍のシングルマザーが増えたから、その子供たちの方が圧倒的に多い。

 ちなみに、そういう子供たちは日本人になった年がみんなバラバラだったりする。

 0歳児で日本人になる子もいれば、法律ギリギリの20歳で日本人になる子もいる。

 2009年1月に施行された改正国籍法によって、外国人との間に結婚しないで設けた婚姻外子が認知されれば、20歳未満であれば日本国籍を取得出来ることになってから、あっという間に日本は変わったそうだ。

 昔は与党の参議院議員だったという祖父は、今でも、

「あの法案は通すべきではなかった」

としきりと悔しがっている。

 DNA鑑定を義務付けない認知によって、血のつながらない父親の認知でもって日本国籍を得た子供たちはたくさんいる。

 当時は「偽装認知」と騒がれていたらしい。

 偽装認知の手口は最初のうちはお粗末なものだったけれども、次第にアリバイ工作なども巧みになり、DNA鑑定さえ要求されなければバレない巧みな偽装認知が横行するようになった。

 挙句の果てには、日本国籍を持つ子供が欲しい外国人女性に日本人男性が精子提供し、誕生後認知するというビジネスまで現れた。

 改正国籍法が成立した年は、奇しくも派遣切りや正社員の大量解雇を大企業が決行した大不況の年で、金になる上、法律上犯罪にも該当しない「精子提供認知ビジネス」に加担する失業男性が後を絶たなかったから、それによって生まれた子供のおかげで第三次ベビーブームが起こった。

 精子提供認知ビジネスで出来た子供ならDNA鑑定までされても「生物学的に父親である」ことが証明される。

 ただし、認知しても日本の法律では認知した父親に扶養義務を強制出来ないため、日本は大量な孤児を収容するための乳児院やら孤児院を次々増設するはめになった。

 なぜなら、子供に日本国籍を取得させた後、日本に子供を置き去りにして母国に帰る母親が続出したからである。

 日本でまともな教育を受けさせるため子供だけ置いて行く貧しい国の母親たちが後を絶たない。

 外国人の母親がいなくなっても日本国籍を持つ子供たちは日本国が守ってくれるからだ。

 だいたい小中学生くらいの子供に「おまえの将来のため」と言い聞かせて置いて行くケースが多い。

 そして、子供が日本国内で就職したら再び外国から母親がやって来る。

 日本で日本人として働いている子供に食わしてもらうのが目的だったりする。

 あるいは、母国への仕送りを約束させ帰って行く。

 日本円で仕送りしてもらえれば、物価の安い母国でなら日本では大人のおこづかい程度と認識されるような金額で食べていける。

 新たに日本人になった子供たちは早いうちに元々の日本人と結婚して、次々子供を産んだけれども、その繰り返しの結果、日本民族の純血種は激減した。

 そして、偽装認知や精子提供認知ビジネスで日本人となったカクテルな子供たちのその子供たちは、政財界に進出していき、ついに政権奪取にまで至った。

「ブラックバス、ペットとして輸入された様々な外来種は、短期間で増殖して日本の生態系を壊した。人間も同じか?」

 ひとりごとをつぶやき皮肉な笑みを浮かべた祖父は、自室の壁に設置されている大型ディスプレイの電源をリモコンで消した。

 テレビとパソコン一体型のディスプレイで、テレビとネットのニュース両方確認していた祖父は、

「疲れた。寝る」

と言ってベッドの中に潜り込んでふて寝してしまった。

 ふて寝したくもなるだろう。

 今までの政権交代とまるで意味が異なる今回の政権交代で日本がどうなるかなんて目に見えている。

 利権政治と言われてたものが今度は外国に渡るのだ。

 移民党の政治家たちのそれぞれの母国に有利になるような政治がおこなわれるだろう。

 自分を産んでくれた母や祖母の母国である国に貢献すべく彼らは日本でがんばってきたわけで、日本という国が利用しやすくなればそれでいいのである。

 日本という国に対する「愛国心」のない日本人たちは、日本という国の生態系ともいえる社会体制をどう変えていくのだろう?

 祖父は移民党嫌いである。

 でも、日本文化を愛し日本に留学して父と出会い恋愛結婚した中国人の母は、実は祖父のお気に入りだったりする。

 祖父いわく、

「日本人よりも日本人らしい」

のだそうだ。

 日本文化大好きな生粋の中国人である母の方が「日本人よりも日本人らしい」とは、なんとも皮肉な話である。

 2x60年、祖父が亡くなったこの年、北海道州制で統治されていた北海道が事実上破綻し、一度は返還された北方領土や樺太も一緒にという条件付きでロシアに売却され、日本の誕生をイメージして描かれた平山郁夫の日本画と同じように、日本地図からは北海道と北方領土と樺太が消えた。

「借金島国の日本は次はどの領土を売るんだろう?沖縄か?」

 そうひとりごとをつぶやく僕の皮肉な笑みが窓ガラスに映って見えた。

 その表情はいつかの祖父に似ていた。 

 日本は本当に人間まで外来種に負けその生態系はすっかり変わってしまった。

 今やアジアで「最も治安の悪い危険な国」とまで呼ばれるようになった日本から、海外の治安のいい国へ脱出していく富裕層は珍しくはない。

 国には税金はがっぱり持ってかれ、海外からやってくる出稼ぎ強盗団には金目のものを持ってかれ、誘拐犯には誘拐された挙句の果てに身代金だけ取られて殺される。

 そんなことはまっぴらごめんという平和に安全に暮らしたい富裕層は日本を見捨てていく。

 そして、高額納税者たちが、海外での永住選んだ結果、国の税収は減り赤字財政は領土を切り売りしなければならないほど深刻な状態にまで陥った。

 日本がぼんやりしている間に他国に占領されてた竹島なんてとっくの昔に売られてる。

 国債は頻繁に発行されているが売れない。

 国債は利率はいいけど、国が国民から借金するために発行される債券だ。

 だから、金を貸す相手である日本国に、返済能力があるかどうかも危ぶまれる状態の今、国債を購入するバカはほとんどいないのである。

 国債発行しても国民がそっぽを向くようになったんだから、国家的には末期症状だ。

 日本という国家自体の破綻も近いかもしれない。

 それでも、日本で生まれ日本人の家族に愛されて育った僕にはここは祖国だし、自分は日本に骨を埋める日本人であるという自覚があるから、日本民族の純血種ではなくてもこの国から逃げ出したりはしないと思う。(Fin)


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Posted on 2009/08/04 Tue. 23:23 [edit]

ショートストーリー(風刺小説)  /  TB: --  /  CM: --

いつか母国へ帰るまで~アタシは日本国籍持ってても日本人じゃない~ 

「オウチニカエリタイ」
 カタコトの日本語でそうつぶやいてみたけど、ママはアタシの言葉を聞かなかった振りをした。
 夕方の出勤前の時間、お互い百円ショップで買ってきた小さな鏡に向かって、黙々とメイクしている最中のことだった。
 アタシは帰りたくて仕方がないのだけど、ママは日本での生活が気に入ったみたいで、
「国に帰ろうか?」
なんて母国語で言うことはない。
 日本語を覚えるためとか言って、二人きりの時もママはほとんど日本語で会話しようとする。
 日本にやって来る前はママはずっと売春婦をしていた。
 よくエイズで死ななかったもんだと思う。
 仕事でしくじって妊娠して14の時にママが産んだのがアタシなわけで、確率的にHIV感染していてもおかしくはなかったのに、日本に来てから初めてエイズ検査してみたら結果は陰性だった。
 アタシは食べ物売る屋台の売り子のバイトを転々としていたけど、体売ったりしてなかったからやっぱり陰性。
 未完成な体を見られたくないから、まだ誰ともしてないからなんだけど。
「バッチリね」
と鏡の前でウインク決めて先にメイクを終えたママは自分のメイクセットをしまった。
 飲み屋の洗い場バイトだから、そんなにきっちりメイクする必要はないのに、故郷で売春婦してた頃と同じようにママはケバい化粧をする。
 アタシも別の意味で化粧は濃いけど……。
 まだレーザー脱毛でヒゲの脱毛してないから、ヒゲ跡隠すのに必死でしこたまコンシーラーを塗りたくっている。
 日本製の化粧品は故郷のものと比べると落ちやすい。
 気温が高いアタシの母国の化粧品なら、ガッツリ肌に張り付いて、滝のように汗が流れたってそうそう簡単にカトゥーイのアタシの化けの皮も剥がれることはないのに……。
 日本では、オカマとかニューハーフとか呼ばれているアタシのようなカトゥーイは、故郷にはいっぱいいたし、夜の仕事以外でも、女の格好で事務員したり、デパートの店員したり、屋台の売り子したりとか、仕事はわりと好きな仕事を選べるし、男の格好することは強要されたりしなかった。
 だけど、日本はアタシみたいなのはニューハーフのお店にいるのがあたりまえみたい。
 日本のデパートの店員には、カトゥーイ…じゃなくて、ニューハーフとか日本では呼ばれている子たちはいないみたいだし、面接に付き添ってくれたボランティアの通訳の人は、ブラウスとスカート姿のアタシを見て、
「女装はダメだからね。まともな会社で働きたいんなら、ちゃんと男の格好して行かないとどこも雇ってくれないよ」
と言ったし、その日行った食品加工工場の面接はその場で断られた。
 それで、アタシは普通の昼間のアルバイトはあきらめて夜のお店で働くことに決めた。
 メイクするな、スカート履くななんてありえない!
 アタシは日本のニューハーフのお店で働くようになったけど、夜のお店もつらい。
 楽しくない。
「早く日本語覚えなさい」
とお店のママに怒られる。
 その度に、
「スイマセン」
とカタコトの日本語で謝るだけのアタシは、お店のママのなに言ってるのかよくわからないお説教の間中、ずっと「タイへ帰りたい」と心の中でつぶやき続けている。
 ママが日本人相手の売春婦していたから、カタコト程度なら日本語わかるけど、ちゃんとした会話なんか無理なのに……そんなアタシが日本人だなんて笑っちゃう。
 日本の法律が変わって新しい改正国籍法とかいうやつなら、婚姻関係にない日本人と外国人との間に出来た子供でも日本国籍を取得できることになったという話をどこからか聞きつけてきたママは、
「誰かはわからないけど、あんたのパパは間違いなく日本人だから、あんたには日本国籍を取得する権利があるのよ!日本に行くわよ!!」
とある日突然日本行きを決めてしまった。
 アタシはまだ18だったから、認知してくれる仮の父親さえみつければ日本国籍の取得は可能なんだと言うママは、家財道具を売り払い、コツコツ貯めたもしもの時のためのお金を使ってアタシと一緒に日本へ飛んだ。
 そして、認知してくれるパパ代わりの人を紹介してくれるという人にお金払って、いろんな手続きしてママはアタシに日本国籍を取得させてしまった。
 認知してくれた日本人男性はアタシの本当のパパじゃないし、ママもアタシも初めて会った人だったけど、紹介者の人がああしろこうしろという通りにしたら、あれよあれよという内に本当に日本国籍取得出来ちゃったもんだからアタシは唖然とした。
「だって、あんたはわたしには似ずに日本人にしか見えない外見しているんだもの。日本国籍持ってた方が絶対得よ。わたしも日本なら体売らなくても暮らしていけるしね」
と言うママに、
「タイに帰りたい」
とは言えない。
 それでも、アタシは仲間のいるタイに帰りたいと思う。
 日本国籍を取得したってアタシは日本人じゃない。
 日本人にしか見えない外見していたって、アタシはタイで生まれてタイで育ったタイ人だ!
 ニューハーフじゃなくて、カトゥーイだ!!
 なかなか日本の暮らしに馴染めないまま、アタシが日本人になってから半年が経過して、
「あんた笑わなくなったね?どうしたの?暗いよ?」
とママにひさしぶりに母国語で話しかけられたら、懐かしくて恋しくて涙がこぼれた。
 それでも、黙って涙こぼすだけで「故郷に帰りたい」と言えないアタシは一体何者なんだろう?
 アタシは日本国籍持ってても日本人じゃない。
 自分ではタイ人だと思っていても日本人と間違われる外見。
 男だけど女な自分が自然と生きていけるのは……アタシの母国タイ。
 アタシみたいな子が昼も夜も自分らしくいられるあの故郷へ帰りたい。
 アタシの居場所はあそこのはずなのに……。
 だけど、アタシの日本国籍のおかげで未成年のアタシの保護者として期限無しで今日本に滞在しているタイ国籍のママは嫌な思いや怖い思いしながら売春婦しなくてもいいんだ、日本にいれば。
 日本の国民健康保険とかいうもののおかげでアタシの医療費は安い。
 もしも働けなくなったとしても日本人のアタシは『生活保護』というものを受けられるらしいし、日本の社会保障制度は利用価値があるとママは言う。
 物価は高いけれどもその分タイと比べればずいぶんとお給料の高い日本にいれば、ママが体売らなくても親子二人で働けば食べていける。
 アタシの体を女の子にする費用も稼げるし、日本国籍でならタイ国籍では不可能だった戸籍の性別変更まで出来る。
 ちゃんと男の人と結婚出来るようになる。
 ママのためにもアタシのためにもアタシは日本人でいた方がいいんだよね?
 そう自分に言い聞かせてみてもアタシの心の中の叫びは日増しに大きくなっていく。
『故郷に帰りたい!アタシはタイ人だ!!』
と。
 いつか母国へ帰る日のことを夢見て、
「日本でたくさん稼いで貯金してタイへ帰るんだ」
とアタシは小さく母国語でひとりごとをつぶやく。
 この国には、アタシがアタシでいられる場所は無いから……。(Fin)


改正国籍法施行後、もしかしたらこういうことも起こるかも?
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Posted on 2009/08/04 Tue. 23:32 [edit]

ショートストーリー(風刺小説)  /  TB: --  /  CM: --

うちの娘の名前が太郎で、何か問題ありますか? 

「どうして娘さんに太郎という男名前をつけたんですか?」
と問う取材にやってきたメディアに向かって母親は逆にこう問いかけた。
「うちの娘の名前が太郎で、何か問題ありますか?」
と。
 当然、
「女の子に男の名前をつけるなんてかわいそうじゃないですか!」
という声があがったが、
「別に太郎という名前自体は男の子にしかつけてはいけない名前ではありませんよ。役所に出生届けを出して受理されたんですから」
と今度は父親が答えた。
「でも、一般的には太郎という名前は男名前ですよね?男性名をつけられたことによって、娘さんの太郎ちゃんが幼稚園や学校でいじめられたりするかもしれませんよね?」
 他のレポーターの質問に、
「名前自体は『薫』『望』『広美』『蓮』…他にもいろいろな男女共用で通用するものが昔からありましたが、イマドキの子供たちの名前をみなさん正確に読めますか?アニメやゲームのキャラクターの名前みたいな昔はなかったような名前を無理矢理当て字の漢字で命名された変わった名前の子供たちが増えて、今は名前に男とか女とかいう区別はないに等しい状態じゃないですか?それなら、うちの娘の名前が太郎でもいいんじゃないですかね?昔から日本にある名前ですから、それこそ男とか女とか関係なく第一子につけるにふさわしい名前じゃありませんか?」
とまるで用意していたかのようにすらすらと答える母親に、
「それでも、一般的には男性名である名前を女の子につけるのは非常識なんじゃありませんか?」
とどこかの新聞社の記者は言った。
「非常識って…そんなに太郎という名前の女の子が存在してはいけませんか?それがあなたたちに何か迷惑かけることになりますか?成長してから本人がどうしても太郎じゃなくて他の名前がいいと言うのなら改名してもいいでしょう。ただ、私たちは待望の第一子である娘にはあえて太郎という名前をつけてあげたかったんですよ」
「改名してもいいと思われるのならなぜ普通の女の子の名前をつけなかったのですか?」
「それは、この子が今世間様が思っているような普通の女の子の名前で生きていきやすい子であるのか?そうではないのか?がまだわからないからです」
と答えた父親に、
「女の子には普通の女名前をつけてあげた方が生きやすいに決まってるじゃないですか?」
と何をあたりまえのことを…と言わんばかりにレポーターがそう言うと、
「そうじゃない人たちがいること忘れてませんか?」
と母親は逆にそう問いかけた。
「そうじゃない人たち…ですか?」
とレポーターは首をかしげた。
「性同一性障害やISの人たちの存在をお忘れのようですね?もしも娘として生まれてきたこの子の心が男だったとしたら、普通の女の子の名前の方がイヤでしょうし生活していきずらいでしょう。それなら今一般的に男名前と思われている太郎という名前を娘につけることによって、太郎という女の子がいるのもありな世の中に変えてやることが出来ないだろうか?と私たちなりの親心でもってこの太郎という名前をこの子につけたんですけど、何か問題ありますか?ちなみに、同志は皆生まれた子供には一般的には男女逆転と思われる名前をつける予定です」
と父親が説明をすると、
「同志とはなんですか?」
とどこかの記者が質問した。
「文字通り、志を同じくした仲間のことです。男の子を出産したての同志が近場に一人おりますので、よろしかったらそちらへも取材へ行って下さいね。あちらは花子という名前で出生届けを出して受理されたそうですから」
と答えてにやりと笑った母親の顔を取材陣はあっけにとられて茫然とみつめていた。
「みなさんが取材に来て下さったおかげでこのことが全国へ伝わります。本当にありがとうございました。『命名男女平等同盟』をどうぞよろしくお願い致します」
と言った夫妻は最後にそろってカメラの前で深々と頭を下げた。(Fin)



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小説「僕のアニキはサイボーグ」菊池乱

『どこでも読書』(ソフトバンク用入口)から飛べない方は、携帯メニューの電子書籍から「どこでも読書」→「検索」→著者を探す「菊池乱」の順で検索していただければ作品みつかります。
「僕のアニキはサイボーグ」は人の生死について菊池なりに考えてみたSF作品です。先日可決成立した改正臓器移植法は「脳死は人の死」ということを前提として一年後の施行に踏み切るそうです。それについて皆様はどう思われますか?

Posted on 2009/08/25 Tue. 12:50 [edit]

ショートストーリー(風刺小説)  /  TB: --  /  CM: --

閉ざされた空間 

 子供の泣き声が次第に弱々しくなってきた。

 苛立ちよりも、私の中には不安感の方が大きくなってきていた。

 隣の部屋の母親は、確実に三日は帰って来ていない。

 なぜわかるかって?

 答えは、私はこの三日間一睡もしていないし、外出もせずに部屋にひきこもっているから。

 体調が悪いというよりも患っている鬱病による不眠が酷く、眠れもしないのに布団の中でごろごろしている、今そんな状態。

 仕事は先日辞めたばかり・・・。

 睡眠不足によるイライラ感やら頭痛が酷く、何をしようにも、何も手に付かないし、やる気も起きない。

 その上、隣の部屋の住人が引っ越して来てからというもの、毎日子供の泣き声に悩まされ続けている。

 だけど、文句の一つも言ってやろうと、一週間前、隣の部屋の前まで行ってみた私はびっくりしてしまった。

「なに、これ・・・」

 ドアの形そのままに端の部分すべてにガムテープが貼られていた。

 あきらかに尋常ならざるものを感じた。

 夢中でガムテープを剥がして、ドアのチャイムを鳴らしてみたけれども、返事は無かった。

 ドアノブをガチャガチャと回してみたけれども、鍵がかかっていて開かなかった。

 仕方なく自分の部屋に戻った。

 その後、また赤ちゃんの泣き声が聞こえ始めたので、私が行った時には子供は眠っていたのだろうと思った。

 実は、部屋の前まで行ってみる前に通報はしていた。
 
 最初は、子供の泣き声がうるさくて、イライラして通報しただけだった。

「マンションの隣の部屋の子供の泣き声が止まないんですけど・・・児童虐待?とかしてるかもしれません」

と警察に電話したら、

「ああ・・・そういうのは、児童相談所の方へ連絡して下さい」

と言われ、

「あ、あの・・・児童相談所って・・・連絡先は?」

と私が訊かなかったら、あの時対応した警官は児童相談所の電話番号を私に教えることなく電話を切っていたことだろう。

「ちょっと待って・・・」

と言われ、その後、告げられた番号をメモした私は、すぐに児童相談所へ電話した。

 けれども、あの後、一度も警察も児童相談所員も訪ねて来てはいない。

 角部屋にある隣の部屋へは、私の部屋の前を通らなければ行けないわけで、おそらく通常児童相談所員が訪問するであろう時間帯は、私は起きているし、ほとんど外出もしていないから、来たらわかるのに・・・。

 数日後、児童相談所へまた電話した。

「あの・・・先日お電話した者なのですが・・・隣の部屋の母親が帰って来なくて、中で子供がずっと泣いているんですけど、そちらで保護とかしていただけないのでしょうか?」

と私が言うと、

「いつ行ってもご不在のようですし、オートロックで中には入れず、お部屋の前まで行けないものですから、集合ポストの方にお手紙入れさせていただいてます。保護者の方と連絡がつかないことには、こちらも対応しかねますので・・・」

という事務的な返答が電話口から響いた。

「その保護者が帰って来ていないから、子供を保護すべきなんじゃないんですか!?」

 おもわずイラッとしてそう怒鳴ってしまった私に、

「こちらと致しましては、所定の手続きが・・・」

とマニュアル通りのことしか言えない児童相談所員に、

「そちらは、部屋の中で幼い子供たちが餓死するかもしれないというのを見捨てるんですね!」

と吐き捨てるとガチャリと家電の受話器を乱暴に置いて私は電話を切った。

 そのまま隣の部屋へと走った。

 ドアにはまたガムテープが貼られている。

 私が剥がしてから、一度は母親が帰って来たらしい。

 なかなか剥がれないガムテープをドアの縁から剥がすと、ドアチャイムを鳴らしてみた。

 中からは赤ちゃんの泣き声は聞こえているのに、子供の返事はない。

 確か乳児の他に4、5才くらいの女の子がいたはずなのに・・・。

 嫌な予感がして、あわてて自分の部屋に戻った。

 何か破壊力のある物を求めて部屋中探し回った私は、金槌握りしめて隣の部屋のドア前へとまた走った。

 ドアノブ目がけて振りおろし、ドアの破壊を試みたものの、思ったようにうまくいかず、部屋に戻った私は、窓を開けてベランダに出てみた。

 非常時用に隣とは薄い板で仕切られているだけのベランダを見て、

「ここだ!ん、待てよ・・・これは器物損壊か!?いや・・・緊急だからいいんだって!!」

とやけくそで仕切りの板を金槌でぶっ叩いた。

 今度は簡単に壊れて、いともたやすくそれは取り除くことが出来た。

 そうやってベランダ伝いに隣の部屋の窓の前まで行ってみた私は愕然とした。

 窓もドア同様に内側からガムテープでしっかりと目張りされていたのである。

「これじゃ、窓から外へ助けも呼べないじゃない・・・」

 カーテンがかかっているから中の様子はわからないけれども、赤ちゃんの泣き声は聞こえる。

 以前と比べると弱々しく、気にして聞いていなければ気づかないほど小さな泣き声ではあるけれども・・・。

「えいっ!」

 おもいきって窓ガラスに金槌を振りおろした。

 ガシャーンと割れた窓ガラスを窓枠から取り除くと、ガラスの破片で怪我をしないように靴を履いたままで隣の部屋の中へと入ってみた。
 
 ガラスが割れた瞬間に中の異変には気づいてはいたのだけれども、カーテンを押しのけて見てあまりの惨状と異臭に私は吐きそうになった。

 部屋中ゴミが散乱していて、食べたまま置かれていた複数のカップ麺の空き容器からは腐ったような臭いがしていたし、溜めこまれていた使用済みの紙おむつから漂う赤ちゃんのうんちとおしっこの強烈な臭気は息をすることすら躊躇われるほど凄まじい悪臭を発していた。

 鼻をつまみながら近づいて行くと、泣いている赤ちゃんに寄り添うようにして寝ている女の子が、布団の上でぐったりしているのが見えた。

「警察!じゃなくて・・・え~と、この場合は・・・救急車!110番じゃなくて、116でもなくて・・・119だ!!」

 パニくりながらも、救急車呼んだ後、私は救急車に同乗して行った病院から警察へと連行された。

 器物破損と不法侵入の罪に問われるらしい。

「子供は助かりましたよ。それでも、きまりだもんで、調書は取らせてもらいますから」

と申し訳なさそうに頭のてっぺんが薄くなっている刑事はそう言った。

 最初に通報した時に、警察の方で様子を見に行ってくれていれば、今頃私は警察署内の取調室で取り調べを受けることなどなかったはずなのに、どうしてこんなことになってしまったのだろう?

 私は、ただ、あの閉ざされた空間の中から子供たちを助け出したかっただけなのに・・・・・・。(Fin)



出られぬよう扉にテープ張る 大阪幼児遺棄
http://news24.jp/articles/2010/08/02/07163960.html
この事件をヒントに書いた小説です。
こういう事件って、結局、軽犯罪くらい犯してでもなんとかしなくちゃ!と行動してくれるような強引な他人様が周囲にいなかったら、助かるものも助からないんじゃなかろうかと思ったわけです。
マニュアルで動いてるようなお役所仕事じゃ踏み込めない部分があるのはわかるけど、それじゃ生きてるうちに救われない子供たち、見捨てられた子供たち、見殺しにしてるも同然じゃないですか?
通報はされてるのに、児童相談所が実質何の助けにもならなかった事実がある。
そういう部分を皮肉って小説にしてみました。
「女心のガイドブック」菊池乱

Posted on 2010/08/03 Tue. 04:43 [edit]

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