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『鬼畜の戯言』菊池乱☆出版社の倒産により現在電子書籍配信ストップ中

秘密クラブからレンタルされる豊胸女装美少年レンタルドールシリーズ(SF/SM/BL/ML/JUNE/GID/女装/TS/etcな小説)言論と表現の自由を守ろう!不当なネット規制反対!不適切な規制は解除すべきです!!

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出版社の倒産により現在電子書籍の配信が休止となっております。報告のあったダウンロードのコミッションも私はまだ出版社から一円も受け取っておりません。お金よりも作品の公開権利のほうが大事なのでとりあえず担当の方に相談してみてから電子書籍以外での公開という形での作品の公開を再開したく思っております。

2015年12月24日

こねこ時計 ver.3

CATS
Sweets
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地球の名言Ⅱ


presented by 地球の名言

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執着 1 

 どうしてあの時あんなことをしてしまったのでしょう?

 いつも通り会社帰りに男友達と一緒に飲みに行っただけだったはずなのに、その日はなんだか彼の唇が乾いてかさついて今にも切れて血がにじみ出しそうなのが気になりました。

「ちょっとじっとしていて」

 そう言って何の気なしに自分のリップクリームを塗ってあげてしまいました。

「間接キスしちゃったね」

なんて彼に言われて不覚にも私は赤くなってしまいました。

 頬も耳も熱く火照っていました。

 私が飲んでいるカクテルを、

「ちょっと味見させて」

なんて言うからしょっちゅう回し飲みはしていたわけで、間接キスなんていつものことなのになんでかその日はやけに気恥ずかしかったのです。

 帰ろうとエレベーターのボタンを押してドアが閉まると二人きりでした。

 いきなりキスされました。

 なぜか私は拒否することもなくされるままで、1Fについてエレベーターを降りても何も言えませんでした。

 そのままお互い黙ったままで地下鉄に乗りました。

 なぜか私の降りる駅で彼も降りてしまいました。

 その後もずっとついてきて、とうとう私の部屋の前まで来てしまって困惑しました。

 ハンドバッグの中から鍵を取り出して開けたら、さすがに何か言わなくちゃと思っていたのに、ついうっかりいつも通り部屋のドアを開けてしまいました。

 何か言おうとする前に彼も部屋の中に入りこんでしまいました。

「どういうつもり?」

「こういうつもり」

 またキスされました。

 狭い玄関先で長い長いキスをされて、スーツの前ボタンをはずされて触られても、スカートの中に手を入れられても、どうして私は、

「イヤ」

と言わなかったのでしょう?

 抱き上げられた時にハイヒールは転げ落ちました。

 靴を脱いで部屋に上がりこんだ彼に、私はベッドまで運ばれてしまいました。

 しちゃいました。

 朝、目が覚めたら腕枕してくれていたことに気がついて、そっと布団の中から抜け出ました。

 今日が会社休みだったのは不幸中の幸いでした。

 とりあえずシャワー浴びながら、どうしようか考えました。

 ある事情で社内の男とは付き合わないようにしていたのだけど、彼はなんとなく気が合ってたまに飲みに出かけていた同期の男友達でした。

 社外に彼氏がいた頃もたまに飲みに行ったりはしていましたが、寝たりなんかはしませんでした。

 先日、前の彼氏と別れたことは言いました。

 でも、あいかわらず飲み友達してたわけで、惚れたはれたはなかったはずなのに、なんで私は彼と寝てしまったのでしょう?

 彼氏と一緒にいるよりも気楽で居心地良かったのは確かだし、嫌いなら友達付き合いだってしてないけど、でも、彼氏として付き合うつもりのなかった社内の男だったのです。

 今の仕事が好きだから、社外の男とばかり付き合ってきたのに……。

 別れた時社内で気まずくなるのがイヤでした。

 昨夜のことはなかったことにしてもらえないものでしょうか?

 ドアのノックと、

「トイレ貸してほしいんだけど」

と言う彼の声で考え事は一時中断してあわててバスタオル巻いて出ました。

 ユニットバスはこれだから不便でイヤ。

 でも、バス、トイレ別の物件なんか借りたら家賃高くて勿体無いし、駅から近くないと夜帰り道が不安だから今以上駅から遠くなるのもイヤ。

 バスタオル巻いたままベッドに腰掛けてしばらくの間ぼんやりしていました。

 とりあえず髪でも乾かそうかと頭に巻いたタオルをとってタオルドライしていたら、

「ひげ剃りかカミソリかなんかない?」

なんて言われて一応探したものの見当りませんでした。

 別れた彼氏の物は全部処分したし、私はムダ毛の処理は脱毛器と毛抜き使っているから、カミソリなんかも持っていないのでした。

「無いよ」

 あきらめてユニットバスから出てきた彼に抱きつかれました。

「おまえイイ匂いするな~」

 そう言いながらバスタオルめくるのやめて欲しいのだけど…バスタオルがはらりと床に落ちても言えませんでした。

 キスされてましたから。

 ちょっとだけ伸びているひげがザリザリして不快なはずなのだけれども、なぜか私は、

「イヤ」

とも言わずされるまま。

 イヤじゃないかも?

 ベッドに押し倒されても抗うことなくされるまま。

 なぜかイヤじゃなかったりします。

 なぜでしょう?

 彼が帰った後も答えはみつからないまま週末は終わりました。(続く)
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Posted on 2007/02/27 Tue. 16:10 [edit]

『執着』  /  TB: 0  /  CM: --

執着 2 

 気まずく思いながらも、月曜日、いつも通りに出社して、顔を合わせたら、

「おはよう」

とお互いいつも通り言い、いつも通り仕事しました。

 金曜日までそれが続いて、このままあれはなかったことにしてもらえないものかしら?と思っていたら、飲みに誘われました。

 飲みながら言おうと思ったのだけれども、なかなか言い出せなくて、何の気なしに彼の手を見ていました。

 あれ?こんな手してたっけ?意外と指の長いきれいな手をしていて、爪の形も細長くきれいな形をしていることに気づきました。

 この手に触れられたんだ…と思ったらなんだかドキリとしてしまいました。

 いつも通りたわいのない話をして、この前のことは話題にものぼらぬまま、そろそろ帰ろうなんてことになりました。

 私は、このままなかったことにしてしまえるかと思っていました。

 でも、計算違いでした。

 また、エレベーターの中で二人きりになったらキスされました。

 あとは、前回と同じパターン。

 違うことといったら途中コンビニに寄ってお互いの買い物済ましたことぐらいです。

 次の日の朝、彼はコンビニで買ったひげ剃りでひげ剃っていました。

 私は、コンビニで買った食パンをトーストしてハムエッグ焼いて簡単な朝食用意して、彼と一緒に食べました。

 月曜日になると、あの週末はなかったかのようにお互い普通通りに仕事していました。

 なぜか私は他の女の子と話して笑っている彼を見るとイラついていましたが、イラつくのは生理が近いからだと思っていました。

 金曜日、出勤してみたら予想通り生理がきて、持ち歩いていたナプキンあてて仕事していました。

 仕事帰り、やっぱり飲みに誘われましたが断りました。

「体調悪いから今日はごめんね。また今度」

 さすがに生理でお腹痛いから真っ直ぐ帰るとは言えませんでした。

「大丈夫?」

と心配そうに訊かれたけど、

「真っ直ぐ帰って寝てれば大丈夫だから」

と帰ろうとすると、

「俺も今日は帰る」

と一緒に歩いて駅まで行って地下鉄乗ったら、なぜか私の降りる駅で彼も降りてしまいました。

 彼が降りる駅はまだ先なのに……。

 ずっとついてくるので、途中でタンポン買いにドラッグストアに寄るつもりだったのに行けなくて、

「なんでついてくるのよ?」

と私はちょっとイラついた声でそう言ってしまいました。

「心配だから…なんか青い顔してるし」

 もうはっきり言うしかないと思って言いました。

「生理きただけだから…病気じゃないから心配ないの!だから今日は帰って」

「あ、そうなんだ。でもここまで来ちゃったから、コンビニでお茶でも買うからちょっとお茶だけでも飲ませてよ」

 結局コンビニに寄って私はタンポン買って、彼は2Lのペットボトルのお茶を買ってました。

 今日は普通に靴を脱いで部屋に上がったら、彼は折りたたみ式のミニテーブルの前に座りました。

 彼の前にグラス出したら、私は着替えやらナプキンやら、さっき買ったタンポンなんかを抱えてユニットバスに入って隠れるようにして着替えました。

 眠っている間に漏れるのがイヤだから、夜はタンポンとナプキンの二重防備にしておかないとまずいし、寝てしまったからといっても、彼の目の前で着替えするのはなんとなく抵抗感がありました。

 ちゃんと付き合っている彼氏ではないのです。

 なのに…なんで私は彼をまた部屋に上げてしまったのでしょう?

 鎮痛剤飲むのにすきっ腹じゃまずいから、何か食べなきゃと思って冷蔵庫のぞいてみてもろくな食材入ってなくて、コンビニ弁当でも買ってくればよかったと後悔しました。

 金曜の夜なんてたいてい飲みにでかけてしまうから、土曜日に買い物へ行けばいいなんて思っていて、冷蔵庫の中身はさびしい状態でした。

 それでも冷凍庫のぞいたら作り置きしておいたミートソースがあったから、それを取り出してパスタゆでてからレンジでチンしてお皿に盛ったパスタの上にかけました。

 帰る様子がないので、仕方が無いから二人分用意しました。

 食べたら帰るでしょ?と思っていたのですが、いっこうに帰る様子もなくて、私が後片付け終えて鎮痛剤飲んでも彼は座りこんでいました。

「もう寝るから帰って」

「え?もう寝るの?」

「生理痛でお腹痛いからもう寝るの」

「なんか帰るのめんどくさくなっちゃったから泊めて」

「何言ってるのよ。私は生理だって言ってるでしょ!」

「何もしないから泊めて」

 なんだかわけがわかりません。

 生理中の女の部屋に泊まっても、何もいいことなんかないのに何考えてるんでしょう?

 彼氏だって生理と言ったら泊まりには来なかったし、私も泊まりに行ったりなんかしなかったのに……。

 結局押し切られて泊めてしまいました。

 私はなんでもっと強く「帰って!」と言えなかったのでしょう?

 何もしないからと言うのは嘘でした。

 確かにセックスはしませんでした。

 でも、彼はずっと私のお腹をさすってくれていました。

 たぶん私が眠ってしまった後も……。

 なんだかお腹があったかかったから。

 いつもより遅く目が覚めたら、隣に彼はいませんでした。

 ミニテーブルの上には、

「今日は用事あるから帰るけど、コンビニ弁当買って来たから食べて」

というメモとコンビニ弁当がありました。

 下腹部の痛みをこらえながら、そのお弁当を食べて鎮痛剤飲んでまた布団の中に戻りました。

 やっぱり生理二日目はつらいな~と思いながら、布団の中でごろごろしていたら、枕に彼の整髪料の匂いが移り香していることに気づきました。

 鎮痛剤が効いてきてうつらうつらしながら、私は、この匂いは嫌いじゃないかも…と思ったりしていました。(続く)

Posted on 2007/02/28 Wed. 01:17 [edit]

『執着』  /  TB: 0  /  CM: --

執着 3 

 週半ばには生理も終わり、やっと憂鬱な日々から抜け出せたと思っていたら、風邪をうつされてしまいました。

 金曜の朝は、目が覚めると寒気がして、枕の下の基礎体温計を引っ張り出して測ってみると39度8分。

 ほとんど40度近い高熱で、寒気がひどくて布団を出ることも出来ず、会社に欠勤の報告電話だけ入れてそのまま寝ていました。

 何か食べて薬飲まなきゃ…と思っても、全身に鳥肌が立つような悪寒が走って、布団から出ることも出来ずにいました。

 いよいよ我慢できなくなってトイレに行った後、ついでに買い置きの飲むゼリー飲んで風邪薬飲んで冷えピタおでこに貼って布団の中に戻りました。

 スポーツドリンクの買い置きをしておかなかったことは後悔しましたが、とてもじゃないけど一番近いコンビニまでも歩いて行けそうになくてひたすら寝ていました。

 目が覚めたらもう暗くなっていました。

 ぼんやりと何か食べなきゃな~と思っていたらチャイムが鳴りました。

 パジャマの上からカーディガンはおって、ドアに近づきレンズに目を近づけて覗いてみたけど、暗くてよくわかりませんでした。

「どちらさまですか?」

と訊いてみたら、

「俺」

と返事が返ってきました。

 彼の声でした。

 とりあえず、部屋の電気をつけてから鍵を開けました。

 ドアを開けると彼はすかさず部屋の中に入りこんできました。

「なんで来たの?」

「会社で風邪で休んでるって聞いたから」

 手元をみればなにやら買いこんできた模様。

 寒気がひどかったから、一刻も早く布団の中に戻りたくて、部屋に上げてしまいました。

「何か食べた?」

と訊かれて、

「今日はそれだけ」

と私は布団の中からゴミ箱の中の飲むゼリーを指差しました。

 もう布団の外にいるのが耐えられなかったから、さっさと布団の中に潜りこんでしまったのです。

 ガサゴソ買い物袋漁って彼は言いました。

「レトルトだけどおかゆでいい?」

「うん」

 器に移してレンジでチンするだけのおかゆでした。

 私は彼が適当に食器選んでラップしてレンジに入れているのを見ていました。

「スプーンとかれんげとかってどこにあるの?」

「そっちの引き出しの中」

 ベッドサイドまでおかゆの入った器とスプーン持って来てくれたので起き上がって食べようとしたら、

「寝てていいよ」

となんだか食べさせてくれそうな様子だったので、

「自分で食べられるからいい!」

とあわてて起き上がって手を伸ばしました。

 食べ終わったら、風邪薬と薬と一緒に飲むと風邪が早く治るとかいう栄養ドリンクを飲まされました。

 スポーツドリンクも買って来てくれたのは助かったけど、今日はさすがにもう帰るでしょ?と思っていたら、

「泊まるから」

と言われてしまいました。

「風邪うつっちゃうよ」

「おまえの風邪ならうつされてもいい」

「バカ!」

「あ、そうか。俺バカだから風邪ひかないんだった。忘れてたよ」

とはぐらかされてしまいました。

 それにしても、なんで私は「帰って」とはっきり言わなかったのでしょう?

 すっかりひからびてしまった冷えピタはがされて、おでこに新しい冷えピタ貼られました。

 首やわきの下とかにも貼られました。

 その方が早く熱が下がるんですって。

 薬が効いてきたのかわりとすぐ私は眠ってしまいました。

 目が覚めたら少しは熱が下がったような気がしました。

 ひどい悪寒はもうありませんでした。

 まだ身体が熱っぽい感じはしていましたけど。

 彼は隣で寝ていました。

「あれ?こんなにまつ毛長かったっけ?」

 そういえばあんまりじっと彼の顔見ることなかったかもしれません。

 ちょっとだけ触れてみたくなったけれどもやめておきました。

 起こしちゃったりしたら悪いから。

 すっかりひからびてしまっていたから冷えピタはがして、パジャマや下着も着替えようと起き上がろうとしたら彼も目を覚ましました。

「熱下がった?」

 そう言って私のおでこに手をあててきました。

「まだ熱あるね」

 今のでちょっと熱が上がったような気がしたのは気のせいでしょうか?

「顔赤いよ」

 今度は両手で頬を包みこんできました。

 なんだかキスされたい気分。

 たぶん生理の後だからでしょう。

 でも、下着が濡れてるのが気持ち悪くて早く着替えたくなっていました。

 熱を出すと汗をかくだけじゃなくて下半身の方も濡れやすくなるから、まめに着替えしないと気持ち悪かったりするのです。

「着替えたい」

 なぜか私は「着替えるから」じゃなくて「着替えたい」と言っていました。

 脱がされました。

 されるがままに全部脱がされました。

「すごい濡れてるよ」

 私は何も言わずにたぶん熱で潤んだ瞳で彼の瞳をみつめていました。

 キスされました。

「ほんとに風邪うつっちゃうよ?」

「大丈夫。俺バカだから」

 しちゃいました。

 熱が出ている時っていつもよりも敏感になっていて、全身性感帯みたいになっているから、どこを触れられても感じてしまっていつもよりも乱れてしまいました。

 たぶん、今までで一番よかったかも……。(続く)

Posted on 2007/02/28 Wed. 16:28 [edit]

『執着』  /  TB: 0  /  CM: --

執着 4 

 いっぱい汗をかいたのがよかったのでしょうか?

 月曜日にはすっかり風邪も治って私は元気に出社しました。

 彼は風邪で休んでいました。

「バカは風邪ひかないんじゃなかったっけ?」

 それでも、私がうつしてしまった風邪なので、一応お見舞いぐらいは行ってあげようかな?と思ったのですが、私は彼が住んでいるところを知りませんでした。

 地下鉄の降りる駅しか知りませんでした。

 そういえば、お互い携帯の番号もメールアドレスなんかも知らないのです。

 飲みに行く時は当日会社で誘われたし、彼が勝手についてきたから私の住んでいる部屋は知られてしまっただけで、彼のプライベートのことなんかは何も知らないということに今頃になって私は気がつきました。

 とりあえず、社員名簿で住所調べて住宅地図を会社のコピー機でコピーして場所の確認をしました。

 いろいろ差し入れ買って、地図見ながらアパートまで行ったものの、なんだかチャイムが壊れているようで返事がないので、ドアノブ回してみたら鍵は開いていました。

 中から話声が聞こえていたので、そっとドアを細く開けてのぞいてみました。

 帰ることにしました。

 玄関にはきちんと揃えられた黒いパンプスが並んでいました。

 女の人が来ていたのです。

「彼女?」

 彼女いるなんて彼から聞いたことなどなかったから、いないものだと思いこんでいました。

 買った物はドアの前に置き去りにして帰ってきました。

 なんで私は泣いているのでしょう?

 遊ばれただけだったと気がついたから?

 私だってちゃんとした彼氏ではないと思っていました。

「付き合って」

とも、

「好き」

とも言われていません。

 でも、誘われれば飲みに行ったし、なんとなく部屋にも上げて寝てしまったし、彼が優しかったからついついずるずると半端な付き合い方してしまったけど、最初にはっきり断らなかった私も悪いのです。

 彼氏と別れてさびしかったから?

 それはありません。

 だって、前の彼氏とはクリスマスイブに喧嘩別れしたんですもの。

「もしかしたら残業入るかもしれないから、お店とかは予約しないで下さいね」

と早めに言っておいたのに、勝手にクリスマスディナーなんか予約して、当日「やっぱり残業です」とメールしたら彼氏は怒りまくってました。

 私はいっぱい謝ったのに、しつこくて仕事にならないから携帯の電源切ったら、今度は会社にまで電話かけてきたんです。

 私も会社にまで電話してこられたらさすがにぶち切れて逆ギレしました。

「会社まで電話してきて怒鳴らないでよ!こっちは仕事で忙しいの!!そんなにクリスマスディナーしたいなら、私と別れてそういうのがお好きな彼女と付き合って!!」

 一気にそうまくし立てたら、電話の向こうで彼氏は絶句してました。

 いつも彼氏と話す時は「ですます調」だったし、私はおもいっきり猫かぶっていましたから。

 なんだか彼氏の前ではいい子ちゃんしてしまっていたものだから、私があんなキツイ口調で怒るなんて彼氏は思ってもみなかったようです。

「ああ…もう、ダメだ」

と思った私は、

「別れましょう」

と彼氏に言いました。

「そんな女だとは思わなかった」

と怒りを顕にした声色の彼氏に電話越しにそう言われて、私はそのまま電話ガチャ切りしました。

 その後は携帯にも会社にも彼氏からは、電話はかかってきませんでした。

 私は泣きながら残業していました。

 別に彼氏とダメになったのが悲しかったわけではないのです。

「そんな仕事適当に切り上げてこいよ」

という彼氏の言葉に怒っていたのです。

 私の好きな仕事を「そんな仕事」呼ばわりされたのが悔しかったのです。

 たぶんその時の私には、彼氏よりも仕事の方が大事でした。

 私の仕事を「そんな仕事」呼ばわりするようなイベント男はもういりませんでした。

 悔し泣きしながらも、クリスマスイブの深夜、私はきちんと仕事仕上げて帰りました。

 そう言えば…今までは平日に誘ってきた彼が、金曜日に飲みに誘ってくるようになったのは、私が彼氏と別れてからでした。

 週末のデートの予定がなくなってしまったから、なんとなく金曜の夜は毎週のように彼と飲みにでかけていました。

 たまに女友達と食事しに行ったりもしていたのですが、先に彼に誘われてた日は、

「先約があるから」

と女友達の方を断っていました。

 先約優先するのって当たり前ですよね?

 でも、もう彼に誘われても飲みに行くのはやめようと思いました。

 私の部屋にも、

「もう来ないで」

と言おうとも思っていました。

 なぜか涙はとまりませんでしたが……。(続く)

Posted on 2007/03/01 Thu. 01:42 [edit]

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執着 5 

 結局、彼は会社を二日休んで水曜日から出社してきました。

 まだ風邪が完治していないようで咳きこんで具合悪そうにしていました。

 金曜日にはもう平気そうにしていたけれども、私はなんとなく彼のこと避けていました。

 でも、エレベーターで二人きりになった時、思わずつま先立ちして彼の首に両腕回してキスしてしまいました。

 会社で誰かに見られたらまずいのに、なぜだかとてもキスしたくなっってしまったのです。

 私は降りる階で飛び出るようにエレベーターを降りました。

 まるでやり逃げしたみたいです。

 目的の場所に行く前にトイレに寄りました。

 なんだかクラクラしました。

 鏡を見ると頬がほんのり赤く染まってちょっと口紅が乱れていました。

 指先ではみ出た口紅を拭い取ってリップラインを整えてから手を洗いました。

 彼はちゃんと唇拭ったでしょうか?

 彼の唇にも私の口紅がついているはずで…私は、とうとう自分の印を彼につけてきてしまいました。

「ばれたら、彼はなんて言うんだろう?」

 ばれてしまえばいいのに…と一瞬思ってやったくせして、ばれたら彼がなんて言うのか聞きたくないような気がしてしてきて、次第に私のテンションは下がっていきました。

 会社帰り、やっぱりいつも通り飲みに誘われましたが断りました。

 彼は当たり前の用に私の部屋までついてきて上がりこんでしまいました。

 私はなかばやけくそで彼の目の前で着替え始めました。

「邪魔しないで!着替えるんだから」

 脱いでる途中で抱きしめられて私はそう言いました。

「あのさ、月曜日ウチ来た?部屋の前のアレ買って来てくれたのおまえ?」

 耳元でそう訊ねられてドキリとしました。

「行ったよ」

「どうして帰っちゃったの?」

「ドアチャイムが壊れてたみたいだったから…」

「そっか~、ウチの壊れてるからな~。差し入れありがとう」

 私は嘘つきです。

 そっとドアを開けてみたら、玄関に黒いパンプス並んでいたのを見たから帰ったとは言いませんでした。

 知らない振りをすることに決めたのです。

 着替えると言ったのに全部脱がされてしまいました。

「もう濡れてるよ」

 彼にそう言われて耳まで赤くなってしまいましたが、したくなっていたのは本当です。

「私のこと好き?」

「好きだよ」

「私も好き」

 抱きついて耳元で言ってやったので、私がどんな表情しているかは彼にはわからなかったはずです。

 たぶん「好き」なんて言うような表情ではなかったと思います。

 たとえるなら、獲物を狙う捕食動物のような目をしていたかもしれません。

 でも、とりあえず彼に素面の状態で「好きだよ」と言わせたので今はそれでいいと思いました。

 お酒のせいなんて言い訳は通用しません。

 抱きしめてくれるこの腕も、キスしてくれるこの唇も、触れてくれるこの手も、他の女には渡しません。

 私は彼に執着していました。

 少しずつ心が侵食されていくような感じで、同時に身体も欲しがっていたりするわけで、なんだか彼のことを欲しい気持ちが次第に大きくなっていたのです。

 今までの彼氏は「付き合って下さい」と言われて、ルックスや条件なんかを天秤かけて「まあいいかな~」と思ったら付き合う感じでした。

 だから、付き合い始めには別に好きでもなんでもなくて、付き合っていくうちにそのうち好きになるものだと思っていたのですが、なんだか違うような気がしてきてそのうち別れてしまいました。

 片想いしていた人のことは間違いなく好きと思っていたはずなのですが、皮肉なことに今まで付き合った彼氏のことはちゃんと好きにはなれませんでした。

 日曜の夕方、彼は帰って行きました。

 食事とトイレ以外はほとんどベッドの上で過ごしました。

 彼が帰った後、なんとなくベッドの上でごろごろしながら、基礎体温表のグラフをながめていました。

 グラフの波はちゃんと低温期と高温期に別れていて正常でした。

 下欄には、生理の×印とセックスした日の印がついていました。

 やっぱり私は生理の後とか排卵日付近はしたくなることが多いようで、そこら辺に集中して印がついていたりします。

 避妊は徹底していたけど、基礎体温つけていても危険日にしたくなってしまうのは危ない傾向かも?

 種の保存という意味では、本能的に正しいのでしょうが……。

 おそらく、私は本能に忠実な女なのでしょう。

 彼と最初に寝てしまった日も危険日でした。

 たぶん、あの時リップクリームを塗るよりも、指先で彼の唇なぞりたかったのかもしれません。

 そして、キスしたかったのかも……。

 今回、私は彼が眠っている間にこっそりキスマークをつけておきました。

 Yシャツ着てスーツを着てしまえばわからないし、本人にもわからないところに。

 気づくのは彼女ぐらいってところに私の印をつけておきました。

「気づいて動揺してね、彼女さん。せめて私が黒いパンプス見た時程度には……」

 そうつぶやいた私はニヤリと笑った。

 私は彼が欲しいから、彼女が撤退するまでは微妙な攻撃しかけ続けるでしょう。

 私はすっかり奪い取る気になっていました。(続く)

Posted on 2007/03/01 Thu. 01:50 [edit]

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執着(完結)  

 月曜日からは、私は隙あらば仕掛けました。

 エレベーターで二人きりになった時、資料室で二人きりになった時、誰もいないの確認して給湯室に連れこんでみたりもしました。

 さすがに社内でキス以上のことする勇気はなかったけれども、抱きついて彼のスーツに私の香水の香りを移り香させることが目的だったから頻度が問題でした。

 でも、計算外のことが…彼が触ってくるんです。

 どうしよう?こっちの方が持たないかも……。

 中途半端に触られて、週末まで耐えられるかしら?

 それでも、毎日スーツに同じ香りの香水の残り香つけて帰れば、特定の女と会っていることを敵に知らせることができるから…と隙あらば彼にくっついていました。

「これってマーキング?」

と私はひとりごとをつぶやいて、ふふっと笑ってしまいました。

「動物のオスがやること、人間の女がやったら、肉食系女子な感じ?」

 だけど、さりげなく行うマーキングは女の方があれこれやってるような気がする。男が気づいてないだけで。

 金曜日、とうとう仕事終わるまでお互い我慢できなくなって、資料室でこっそりしちゃいました。

 声がもれないように彼のネクタイ口の中に押しこまれたので、彼のネクタイの先の方は私の唾液でぐしょぐしょだったし歯型までついていました。

「どうせ見えないとこだから大丈夫」

なんて彼は言ってたけど、彼女は気にするんじゃないのでしょうか?

 口にはしなかったけど気になりました。

 さんざん彼女が気にするようなこと、わざとしてきたクセして……。

 ポケットティッシュで拭いたものの、なんだか中から漏れてきそうで私はトイレに行きました。

 勤務時間中にお互いゴムなんて持ち歩いているわけがなくて、とうとう生で中出ししてしまいました。

 トイレで指で中に残っていた残滓を掻きだして、拭った後も念のためトイレットペーパー下着にあてておきました。

 もう安全日に入っているから大丈夫だと思うけど、なんだか最近の私はおかしいのです。

 絶対あんなことしないと思っていたのに……。

 それでも、まだ足りなくてもっと彼に触れて欲しくて、早く仕事終わらないかな~なんて思っていました。

 これって色惚けとかいうやつなのでしょうか?

 安全日は私はあまりしたいと思わない方なのに……。

 仕事終わったら、なんだか当たり前のように真っ直ぐ私の部屋に帰りました。

 彼に脱がされている途中でふと思い出して、

「お風呂入ってくるから」

 お気に入りのローズのバブル入浴剤入れてお風呂にお湯をためました。

 さすがに昼間のが気になって洗っておきたかったのです。

 なのに彼は、

「じゃあ、俺も入ろうかな」

なんて一緒に入って来てしまいました。

「狭いからヤダ!」

と言ったのに無理矢理狭いユニットバスに入って来てしまうし洗ってくれちゃうし、

「ダメ!」

と言ってもよけいなとこまで触ってくるし、挿れちゃうしで、もう散々。

 お風呂なんてすごく響いて、お隣さんに丸聞こえになるからイヤなのに……。

 仕返しにベッドで爪立ててやりました。

 普段は痛そうだから爪なんて立てないのだけど、わざと爪立てて私の爪跡を彼の背中に残してやりました。

 彼女に見せつけてやるために。

 日曜日の午後、ぼんやりと「どうして彼はいつも週末は私のところへ来るの?」とか考えていました。

 普通は週末は彼女とデートしたりするでしょ?

 それとも彼女は土日休みじゃない人なのでしょうか?

 今頃になって素朴な疑問が浮かんできました。

 そして、ついに直球投げてしまいました。

「なんで週末ウチ来るの?彼女とデートとかしないの?」

 彼は驚いて「え?」という顔してました。

「俺、彼女いないよ。っていうかおまえと付き合っているつもりだったんだけど、おまえは違うの?」

「嘘…だって、お見舞い行ったら玄関に黒いパンプス並んでた」

「あれ妹なんだけど…」

 私は、しばらく疑いの眼差しで彼のこと見ていたけれど、嘘をついてる目ではなさそうでした。

「私、付き合ってなんて言われてないよ。だから、私は彼女ではないんだと思ってたんだけど?」

「あれ?言ってなかったっけ?」

「言われてない」

「じゃあ、付き合って」

「ほんとに他に彼女とかいないのなら付き合ってあげる」

「本当にいないから!おまえだけだから!!」

「じゃあ、とりあえず携帯の番号とメアド交換しよ」

 今までの私の行動はなんだったのでしょう?

 存在しない彼女に戦い挑んだりして、まるで風車に突っ込んでいくドンキホーテのようではないですか?

 まあ、これで彼は私のものと確定したわけだけど…とりあえず、ネクタイでもプレゼントしてみましょうか?

 一本、私の歯形つけてダメにしちゃったから、新しいネクタイを私の手で締めてあげて、

「これは私があんたにつけた首輪なんだから、他の女に触らせたりなんかしちゃダメよ」

とでも言っておこうかと思いました。

 あと私の印を彼につけまくっておこうとも思いました。

 私のものには誰にも手出しさせません。

 私が執着している間は……。(Fin)

Posted on 2007/03/02 Fri. 01:14 [edit]

『執着』  /  TB: 0  /  CM: --

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